音の旅人 https://ototabi-kaori.com/ 塚本香央里 ~ヴァイオリニスト&ライフオーガナイザー~ ja-JP 音の旅人 249「ゆっくりと進む」 https://ototabi-kaori.com/contents_341.html こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。ようやく涼しい風を感じられるようになりました。日中はまだまだ暑いしヴァイオリンの練習するときにエアコンはマストですがその他の時間はなんとか凌ぎやすくなりました。ちょっとした変化で季節を感じる「感覚」は敏感でありたいものです。陽ざしのぬくもり光と影の陰影地面のあたたかさ雲の流れ季節の香り小さな変化はそこら中に転がっています。あそこにも、ここにも・・・私たちはただ気がつかないだけです。時間に追われるように暮らしていた時はたくさんのタスクをこなすことに喜びを感じ効率よく過ごすことが第一で無駄がないように気を配っていました。今も時間を無駄に過ごすことには抵抗があります。ただ、少しだけ変化したことと言えば無理がきかないことでしょうか。心や身体が異変を察知する能力が以前よりも研ぎ澄まされて「これ以上はNGだよ」とアラームを鳴らす機能が的確になりました。無理を重ねて、万が一、自分が壊れてしまったら・・・自分自身が落ち込むだけではなく他の人に迷惑が掛かってしまう・・・冷静に判断する能力が芽生えてきています。それは怠惰でもなく諦観でもなく人生を降りることでもなく自分の内側をみるクセがついただけ。自分の演奏にも変化の兆しはあります。自分を追い込んでがむしゃらに弾く自分も好きですがちょっとだけ遠くから自分の姿を俯瞰して「おや、この先の事を考えたらこのあたりで少しリラックスしておいた方が最後まで走り切れそうだぞ・・・」と演奏をコントロールすることができるようになりたいものです。それは手を抜いているのでななく賢く演奏を冷静に判断する能力だと思っています。余裕のある人は立ち居振る舞いも静かです。目指したい自分の像が少しずつ、少しずつ形が明確になってきているのを感じます。おそい・・・と牛歩の自分を情けなく思いながらも諦めない自分も良いものだ・・・と慰めています。… 音の旅人 2025-09-06T22:30:00+09:00
ようやく涼しい風を感じられるようになりました。
日中はまだまだ暑いし
ヴァイオリンの練習するときにエアコンはマストですが
その他の時間はなんとか凌ぎやすくなりました。

ちょっとした変化で
季節を感じる「感覚」は敏感でありたいものです。
  • 陽ざしのぬくもり
  • 光と影の陰影
  • 地面のあたたかさ
  • 雲の流れ
  • 季節の香り
小さな変化はそこら中に転がっています。
あそこにも、ここにも・・・
私たちはただ気がつかないだけです。

時間に追われるように暮らしていた時は
たくさんのタスクをこなすことに喜びを感じ
効率よく過ごすことが第一で
無駄がないように気を配っていました。

今も時間を無駄に過ごすことには抵抗があります。
ただ、少しだけ変化したことと言えば
無理がきかないことでしょうか。
心や身体が異変を察知する能力が
以前よりも研ぎ澄まされて
「これ以上はNGだよ」と
アラームを鳴らす機能が的確になりました。

無理を重ねて、万が一、自分が壊れてしまったら・・・
自分自身が落ち込むだけではなく
他の人に迷惑が掛かってしまう・・・

冷静に判断する能力が
芽生えてきています。

それは怠惰でもなく
諦観でもなく
人生を降りることでもなく
自分の内側をみるクセがついただけ。

自分の演奏にも変化の兆しはあります。
自分を追い込んで
がむしゃらに弾く自分も好きですが
ちょっとだけ遠くから
自分の姿を俯瞰して
「おや、この先の事を考えたら
このあたりで少しリラックスしておいた方が
最後まで走り切れそうだぞ・・・」と
演奏をコントロールすることができるようになりたいものです。
それは手を抜いているのでななく
賢く演奏を冷静に判断する能力だと思っています。

余裕のある人は
立ち居振る舞いも静かです。

目指したい自分の像が
少しずつ、少しずつ形が明確になってきているのを感じます。

おそい・・・と牛歩の自分を情けなく思いながらも
諦めない自分も良いものだ・・・と慰めています。






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248「弦が切れたら・・・②」 https://ototabi-kaori.com/contents_340.html こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。昨日は弦が切れた時のお話をしました。その後、気になる他の弦も替えました・・・汗だくになりながら・・・本番が近づいてくると耳が敏感になるようで自分の弾いている音に妙なこだわりがでてきます。「もっときれいな深い音は鳴らないものだろうか」「なんでこんなところで雑音がするんだろうか」「A船とD線のバランスが悪いのはどうしたものか」あれこれ考えて最終的には「弦を変えた方が手っ取り早い・・・」となることが多いです。私の場合は少なくとも本番1週間前までには替えるようにしています。なにせ、不器用なものですから・・・私が弦を替えることで何か不具合ができて、自力でどうにもならなったときに1週間あれば、楽器職人の元へ駆け込むことができます。過酷な夏の暑さ、湿気、汗という環境に耐えて本番を控えた私のメンタルを支えてくれる楽器。17歳から共にしているおばあちゃん楽器ですから繊細な部分もありますがどちらかといえば順応性が高くて頼りになる存在です。「ま~た、そんな無茶して~勘弁してよ!」と文句を言われているような気がするときは「ごめん、ごめん、でも何とかよろしく~」「え~ん、どうしよう~」と泣きそうになる時は「まぁまぁ、なんとかなるからまかしとき!」と安心させてくれます。弦を替えるときも「気ぃつけなさいよ~。ほらほら、しゃんとしなさいよ~」と言われているような気がしました。楽器との協働。本番に向けて、更に会話を増やしていきたいものです。… 音の旅人 2025-09-05T22:30:00+09:00 こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

昨日は弦が切れた時のお話をしました。
その後、気になる他の弦も替えました・・・
汗だくになりながら・・・

本番が近づいてくると
耳が敏感になるようで
自分の弾いている音に妙なこだわりがでてきます。
「もっときれいな深い音は鳴らないものだろうか」
「なんでこんなところで雑音がするんだろうか」
「A船とD線のバランスが悪いのはどうしたものか」

あれこれ考えて
最終的には
「弦を変えた方が手っ取り早い・・・」となることが多いです。

私の場合は
少なくとも本番1週間前までには替えるようにしています。
なにせ、不器用なものですから・・・
私が弦を替えることで
何か不具合ができて、
自力でどうにもならなったときに
1週間あれば、楽器職人の元へ駆け込むことができます。

過酷な夏の暑さ、湿気、汗という環境に耐えて
本番を控えた私のメンタルを支えてくれる楽器。
17歳から共にしているおばあちゃん楽器ですから
繊細な部分もありますが
どちらかといえば順応性が高くて
頼りになる存在です。

「ま~た、そんな無茶して~勘弁してよ!」と
文句を言われているような気がするときは
「ごめん、ごめん、でも何とかよろしく~」

「え~ん、どうしよう~」と泣きそうになる時は
「まぁまぁ、なんとかなるからまかしとき!」と
安心させてくれます。

弦を替えるときも
「気ぃつけなさいよ~。ほらほら、しゃんとしなさいよ~」と
言われているような気がしました。

楽器との協働。
本番に向けて、更に会話を増やしていきたいものです。




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247「弦が切れたら・・・」 https://ototabi-kaori.com/contents_339.html (別の場所にアップしていたので変更しました)こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。昨日、ひさしぶりにE線がバチコーンと切れました・・・暑さと湿気と汗でかなり過酷な夏の時期だったのでいつ弦が切れてもおかしくない状態でした。ちょうど練習が終わるタイミングだったので良かったです。切れた瞬間は、さすがに「おおっ」となるのですがどの部分から切れたのか確認します。根元か?真ん中か?先か?(E線は根元からの場合が多い)次に楽器に傷がついていないか確認します。今まで傷がついたことはないのですが一応確認。(切れた弦を持ちながら楽器を持ったりすると自分で傷つけることがあるので要注意です)後は粛々と弦を取り換えます。スペアの弦は、それぞれ2本ずつくらい持っているので取り換えたら補充するようにしています。(今回はスペアが1本しかなかったので焦って今日、買ってきました)楽器は4本の弦を張った状態が本来のテンション(張力)なので速やかに弦を張り変えなければなりません。私はこの弦を変える作業が苦手です。小学校高学年からずっと自分で張り替えているのですがなかなか思うように弦を張ることができません。不器用なんだと思います・・・糸巻の向きによって、調弦が容易だったり、難しかったりするのですがいつも1回でできたためしがありません・・・四苦八苦してやり直していると今度は駒の角度が変わってきてしまいます。楽器と駒は90度。やっと張り替えて新しい弦を弾いてみると新品の音がします。キラキラしてちょっと生々しい音。そこで慣れるために音階を弾いたり、練習曲を弾いたり全部の弦を弾いてみたりバランスを整えていきます。ここまでの作業で20分くらい。私の場合は緊張するので汗だくです。深呼吸をして終了。しばらくしたらもう一度楽器ケースを開けて弦の様子を見ます。この作業をオーケストラの演奏中に舞台上でやってのけた古参のメンバーがいました。コンチェルトを演奏していたソリストのE線が切れた時に「この弦に張り替えて3楽章までに返して」と言われて楽器と弦を持たされたことがあります。通常、弦が切れた時は舞台袖に戻って弦を張り変えたり別の楽器を持ってきて演奏を続行することになっています。この時は、舞台袖まで戻らず舞台上で今すぐ変えてくれ!ということでした。ただでさえ苦手な弦の張替えに「私はできないからお願い!」と… 音の旅人 2025-09-04T22:30:00+09:00 (別の場所にアップしていたので変更しました)


こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。


昨日、ひさしぶりにE線がバチコーンと切れました・・・

暑さと湿気と汗で

かなり過酷な夏の時期だったので

いつ弦が切れてもおかしくない状態でした。


ちょうど練習が終わるタイミングだったので良かったです。


切れた瞬間は、さすがに「おおっ」となるのですが

どの部分から切れたのか確認します。

根元か?

真ん中か?

先か?

(E線は根元からの場合が多い)


次に楽器に傷がついていないか確認します。

今まで傷がついたことはないのですが

一応確認。

(切れた弦を持ちながら楽器を持ったりすると

自分で傷つけることがあるので要注意です)


後は粛々と弦を取り換えます。

スペアの弦は、それぞれ2本ずつくらい持っているので

取り換えたら補充するようにしています。

(今回はスペアが1本しかなかったので

焦って今日、買ってきました)


楽器は4本の弦を張った状態が本来のテンション(張力)なので

速やかに弦を張り変えなければなりません。


私はこの弦を変える作業が苦手です。

小学校高学年からずっと自分で張り替えているのですが

なかなか思うように弦を張ることができません。

不器用なんだと思います・・・

糸巻の向きによって、調弦が容易だったり、難しかったりするのですが

いつも1回でできたためしがありません・・・


四苦八苦してやり直していると

今度は駒の角度が変わってきてしまいます。

楽器と駒は90度。


やっと張り替えて

新しい弦を弾いてみると

新品の音がします。

キラキラして

ちょっと生々しい音。


そこで慣れるために

音階を弾いたり、練習曲を弾いたり

全部の弦を弾いてみたり

バランスを整えていきます。


ここまでの作業で20分くらい。

私の場合は緊張するので汗だくです。


深呼吸をして終了。


しばらくしたら

もう一度楽器ケースを開けて

弦の様子を見ます。


この作業をオーケストラの演奏中に

舞台上でやってのけた古参のメンバーがいました。

コンチェルトを演奏していたソリストのE線が切れた時に

「この弦に張り替えて3楽章までに返して」と言われて

楽器と弦を持たされたことがあります。

通常、弦が切れた時は舞台袖に戻って

弦を張り変えたり

別の楽器を持ってきて演奏を続行することになっています。

この時は、舞台袖まで戻らず

舞台上で今すぐ変えてくれ!ということでした。

ただでさえ苦手な弦の張替えに「私はできないからお願い!」と

後ろの古参のメンバーに渡しました。

黙って弦と楽器を受け取り

2楽章という静かな楽章の中を音もなく作業し

時間ぴったりに楽器がソリストの手に戻り

完璧な調弦で演奏が終わったとき

私たちオーケストラのメンバーは

古参のメンバーにブラボーを言ったという

懐かしい思い出があります。


しみじみ・・・





そういえば・・・

今回弦が切れた時

根元のループ部分が飛んでいったはずなんだけど

見つかっていないから

部屋のどこかに転がっているかもしれないが

踏みつけたら痛いだろうなぁ・・・]]>
246「ベートーヴェンとともに歩いていく毎日」 https://ototabi-kaori.com/contents_336.html こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。12月のリサイタルを頭の隅に置きながら今は目前の「Mube'88」のコンサートに向けてそろそろエンジン全開で準備しています。今回はジョイントコンサートなのでご一緒する方の演奏も楽しみです。テーマは「ベートーヴェン」歌曲・ピアノソナタ・ヴァイオリンソナタと多彩な楽器群。作曲年は1803年~1816年という黄金期。一人の作曲家が様々な楽器に対してどのように魅力を表現し何を求めたのかそんなことを聞き比べられるとても貴重な機会だと思います。いつも新しい発見を求めベートーヴェンからのメッセージを敏感に感知できるような演奏を目指してコンサートにむかいたいと思います。「クロイツェルソナタ」は大好きなソナタ。今回も学びを経て自分の中で咀嚼した音楽をお届けしたいです。12月のリサイタルは10番のソナタなのでそのつながりも意識しながら9番から10番までの時間経過とベートーヴェンの心の軌跡も感じられたらと思います。ピアニストの川元真里さんとは様々なコンサートでご一緒しています。地域の小さなコンサートや学校コンサートロビーコンサート絵本コンサートも試行錯誤しながら共演しています。お互い家族・介護・変化の年月を経ながら演奏スタイルを模索中。リハーサルの休憩中はお互いの生活についてや練習の事、健康、食事、家族のことなどを話しています。私たちの演奏だけではない生身の音楽家を感じていただけたらと思います。会場でお会いしましょう。… 音の旅人 2025-09-03T22:30:00+09:00
12月のリサイタルを頭の隅に置きながら
今は目前の「Mube'88」のコンサートに向けて
そろそろエンジン全開で準備しています。

今回はジョイントコンサートなので
ご一緒する方の演奏も楽しみです。

テーマは「ベートーヴェン」
歌曲・ピアノソナタ・ヴァイオリンソナタと多彩な楽器群。
作曲年は1803年~1816年という黄金期。

一人の作曲家が
様々な楽器に対して
どのように魅力を表現し
何を求めたのか

そんなことを聞き比べられる
とても貴重な機会だと思います。

いつも新しい発見を求め
ベートーヴェンからのメッセージを
敏感に感知できるような演奏を目指して
コンサートにむかいたいと思います。

「クロイツェルソナタ」は大好きなソナタ。
今回も学びを経て
自分の中で咀嚼した音楽をお届けしたいです。
12月のリサイタルは10番のソナタなので
そのつながりも意識しながら
9番から10番までの時間経過とベートーヴェンの心の軌跡も
感じられたらと思います。


ピアニストの川元真里さんとは
様々なコンサートでご一緒しています。
地域の小さなコンサートや
学校コンサート
ロビーコンサート
絵本コンサートも試行錯誤しながら共演しています。

お互い
家族・介護・変化の年月を経ながら
演奏スタイルを模索中。
リハーサルの休憩中は
お互いの生活についてや練習の事、
健康、食事、
家族のことなどを話しています。

私たちの
演奏だけではない
生身の音楽家を感じていただけたらと思います。

会場でお会いしましょう。


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245「12月まで」 https://ototabi-kaori.com/contents_335.html こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。リサイタルのチケット発売開始になりました。12月はまだ先・・・と思っていても時間は音もなく進んでいるので早めに自分時間を確保しましょう!今年のフライヤーもステキなデザインに仕上げていただきました。この数年は、同じようなスタイルの写真ですがとても気に入っているシリーズです。2014年から始まったベートーヴェンのソナタシリーズ。11年は思いのほか、大きくながい時間でした。自分の状況がここまで大きく変化するとは思っていなかったですしコロナ禍なんて誰も想像していなかったし・・・10年という時間を安易に、簡単に考えていたなぁ‥とも思います。でも、自分の中にある軸は変わることなくひたすらに歩んできたというまさに【涓滴岩を穿つ】の心境そのものです。飽きっぽくて集中力が続かなくて興味の対象がバラバラで一貫性がなく気持ちの起伏が激しい・・・ベートーヴェンのソナタ10番が私に変化の兆しを与えてくれようとしています。12月までの時間を大切にしながらこのブログでも自分について音楽についてベートーヴェンについてその他の楽曲について綴っていこうと思っています。そのうえで当日会場でお目にかかれることを楽しみにしています。… 音の旅人 2025-09-02T22:30:00+09:00 こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。


リサイタルのチケット発売開始になりました。

12月はまだ先・・・

と思っていても

時間は音もなく進んでいるので

早めに自分時間を確保しましょう!


今年のフライヤーも

ステキなデザインに仕上げていただきました。

この数年は、同じようなスタイルの写真ですが

とても気に入っているシリーズです。


2014年から始まったベートーヴェンのソナタシリーズ。

11年は思いのほか、大きくながい時間でした。

自分の状況がここまで大きく変化するとは思っていなかったですし

コロナ禍なんて誰も想像していなかったし・・・

10年という時間を安易に、簡単に考えていたなぁ‥とも思います。


でも、自分の中にある軸は変わることなく

ひたすらに歩んできたという

まさに【涓滴岩を穿つ】の心境そのものです。


飽きっぽくて

集中力が続かなくて

興味の対象がバラバラで一貫性がなく

気持ちの起伏が激しい・・・


ベートーヴェンのソナタ10番が

私に変化の兆しを与えてくれようとしています。


12月までの時間を大切にしながら

このブログでも

自分について

音楽について

ベートーヴェンについて

その他の楽曲について

綴っていこうと思っています。


そのうえで

当日会場でお目にかかれることを楽しみにしています。



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244「音楽家のための・・・」 https://ototabi-kaori.com/contents_330.html こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。ルツェルンにいる長女から「この本の著者がいるの!今度レクチャーを受けることになったのよ。残念ながら本は日本に置いてきちゃった。電子書籍で買いなおしてレクチャー受けてくるわ」と連絡をうけてどれどれ・・・どんな本なんだろう?と長女の本棚から拝借して読み出したら止まらなくなって短時間で読了しました。『クラシック音楽家のためのセルフマネジメントハンドブック』(ベルンハルト・ケレス+ベッティーナ・メーネ)”音楽家が音楽家として生きる”これは長女がずっと考えていることです。音楽家の立場は正直に言えば、なかなか厳しくて難しい。安定した職業ではないし全てが自己管理。演奏だけではなく、日常生活もこなさなくてはならないし健康管理もしなければならないし、生きていれば噴出してくる人間関係や役所関係、煩雑な事務手続きなどで忙殺されます。そういった中で10年後の自分は何をしているのか自分の指針となる方向を見定めて今日、今からできることを始める。ライフオーガナイズと同じ手法を使って行動を細分化していく方法が記されていました。もちろん、音楽家を対象としているので改めて自分のことを振り返って質問に答えてみたりしました。50代で人生の先を想像するのはかなり勇気のいることです。自分で思っているほど先は長くないしつい数日前に想像していた未来のことが唖然とするほど簡単に崩れ去ってしまう経験も現実にあるわけです。私もつい最近まで年単位での目標を考えることができませんでした。目の前の事に集中して、こなすことで安心感・満足感を得ていました。自分がちゃんと生きること息をして、食べて寝て、毎日を初めて終えること。ただそれだけできれば合格でした。でも、そろそろ次に行く準備は整ってきたようです。私には捨てる「自分」がありません。「思い出」も全部抱えながら、重い荷物を引きずって進むのは容易ではありませんがそこは50年以上生きてきた智恵があります。荷物を分散して、持ち運ぶこと。お手伝いしてくれる人を探す。道具を使って運ぶ。一時保管所に預けておくこと。もしかしたら、いつか「手放す」ことができるものがあるかもしれません。「捨てる」から始めない。そう、持っていても動けるのであれば持っていれば良いのです。そんなことを思いながら新しい9月という月を始めました。… 音の旅人 2025-09-01T22:30:00+09:00
ルツェルンにいる長女から
「この本の著者がいるの!
今度レクチャーを受けることになったのよ。
残念ながら本は日本に置いてきちゃった。
電子書籍で買いなおしてレクチャー受けてくるわ」と連絡をうけて
どれどれ・・・どんな本なんだろう?
と長女の本棚から拝借して読み出したら止まらなくなって短時間で読了しました。
『クラシック音楽家のためのセルフマネジメントハンドブック』(ベルンハルト・ケレス+ベッティーナ・メーネ)

”音楽家が音楽家として生きる”
これは長女がずっと考えていることです。

音楽家の立場は正直に言えば、なかなか厳しくて難しい。
安定した職業ではないし
全てが自己管理。
演奏だけではなく、日常生活もこなさなくてはならないし
健康管理もしなければならないし、生きていれば噴出してくる
人間関係や役所関係、煩雑な事務手続きなどで忙殺されます。

そういった中で
10年後の自分は何をしているのか
自分の指針となる方向を見定めて
今日、今からできることを始める。

ライフオーガナイズと同じ手法を使って
行動を細分化していく方法が記されていました。
もちろん、音楽家を対象としているので
改めて自分のことを振り返って
質問に答えてみたりしました。

50代で人生の先を想像するのは
かなり勇気のいることです。
自分で思っているほど先は長くないし
つい数日前に想像していた未来のことが
唖然とするほど簡単に崩れ去ってしまう経験も現実にあるわけです。

私もつい最近まで
年単位での目標を考えることができませんでした。
目の前の事に集中して、こなすことで
安心感・満足感を得ていました。
自分がちゃんと生きること
息をして、食べて寝て、毎日を初めて終えること。
ただそれだけできれば合格でした。

でも、そろそろ次に行く準備は整ってきたようです。

私には捨てる「自分」がありません。
「思い出」も全部抱えながら、重い荷物を引きずって進むのは
容易ではありませんが
そこは50年以上生きてきた智恵があります。
荷物を分散して、持ち運ぶこと。
お手伝いしてくれる人を探す。
道具を使って運ぶ。
一時保管所に預けておくこと。

もしかしたら、いつか「手放す」ことができるものがあるかもしれません。
「捨てる」から始めない。
そう、持っていても動けるのであれば
持っていれば良いのです。

そんなことを思いながら
新しい9月という月を始めました。











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243「リサイタル2025のご案内」 https://ototabi-kaori.com/contents_331.html こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。明日から9月。12月のリサイタルに向けて走り出す時期がやってきました。毎年、9月になると「今年もしっかり年末まで走り切れるか」とちょっと緊張した気分になります。体力は大丈夫か。気力をしっかり保てるか。練習時間の計算はきちんとできているか。様々なことを考えながら自分と相談しながら準備していきたいと思っています。今年で最後になるベートーヴェンのソナタ。第10番に万感の思いを込めて演奏したいと思っています。 音の旅人 2025-08-31T22:30:00+09:00
明日から9月。
12月のリサイタルに向けて走り出す時期がやってきました。
毎年、9月になると
「今年もしっかり年末まで走り切れるか」と
ちょっと緊張した気分になります。

  • 体力は大丈夫か。
  • 気力をしっかり保てるか。
  • 練習時間の計算はきちんとできているか。
様々なことを考えながら
自分と相談しながら
準備していきたいと思っています。

今年で最後になるベートーヴェンのソナタ。
第10番に万感の思いを込めて演奏したいと思っています。






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242「応援したくなる人たち」 https://ototabi-kaori.com/contents_329.html こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。8月はいろんな本を読みました。暑くて外出するのが面倒だったこともありますしとにかく人混みを避けて静かに孤独に浸っていたかった、というのもあります。1冊を集中的に読むこともありましたし何冊かを並行しながらめくっていることもありなかなか先に進めなくて放置している本もあり久しぶりに漫画も読みました。その中で、『#100チャレンジ』(大塚あみ)は珍しくとても楽しく読了しました。次女と本屋さんに行ったときにフラリとパソコン・プログラミングの本が並んでいる棚を眺めていた時(いつもはスルー)ふと目に留まった本でした。「ふうん、100日間アプリを作り続けるのかぁ。すごいなぁ。そういえば、今年初めにアプリのつくり方を習ったな・・・アレをサクサク作っちゃうのかな」とパラパラページをめくって読むと、なかなか面白い。私は日記とか、ノートとか、生身の人間の隠さない言葉の並んでいるものが好きです。それに100日チャレンジは、私自身も今年の初めに「ブログ100チャレンジ」に挑戦したのでどのくらいの期間を走り続けるのか・続けることの苦しさなどはわかるつもりです。どのように100日をこの学生は進んでいくのだろうか?期待が膨らみました。本に関しては、あまり制限しないで購入すると決めているのですぐにレジへと向かいました。ただ、その後は積読・・・なかなか順番が回ってこなかったのですが8月の中旬頃に「そういえば」と部屋の中で立ち読みを始めたら止まらなくなって読み切りました。大学4年生の女子学生が「どうしたらラクにレポート提出できるのだろうか?」とchatGPTに質問したことから始まる、彼女の成長日記(と言っても良いと思う)。もしかしたらプログラミングを知っている人であれば内容的にはつまらないかもしれない。でも、私が面白いと感じたのは彼女の他人とのコミュニケーション方法と大人への態度と言葉遣い。そして、自分に対して真摯な態度。「ラクをしたい」という目的ではあるけれど「もう少し手を加えてみる」「他の方法を探る」という知ってか知らずか自らに課題を与えて乗り越えようとする姿に成長のステップを感じて、とても清々しく思いました。(実際には、アプリ作成に没頭できるのは学生だからだよね、他のことは多少混乱していても問題ないからね、と羨ましく思っていました)昭和… 音の旅人 2025-08-30T22:30:00+09:00
8月はいろんな本を読みました。
暑くて外出するのが面倒だったこともありますし
とにかく人混みを避けて静かに孤独に浸っていたかった、というのもあります。

1冊を集中的に読むこともありましたし
何冊かを並行しながらめくっていることもあり
なかなか先に進めなくて放置している本もあり
久しぶりに漫画も読みました。


その中で、『#100チャレンジ』(大塚あみ)は珍しくとても楽しく読了しました。
次女と本屋さんに行ったときに
フラリとパソコン・プログラミングの本が並んでいる棚を眺めていた時(いつもはスルー)
ふと目に留まった本でした。
「ふうん、100日間アプリを作り続けるのかぁ。
すごいなぁ。
そういえば、今年初めにアプリのつくり方を習ったな・・・
アレをサクサク作っちゃうのかな」
とパラパラページをめくって読むと、なかなか面白い。
私は日記とか、ノートとか、生身の人間の隠さない言葉の並んでいるものが好きです。
それに100日チャレンジは、私自身も今年の初めに「ブログ100チャレンジ」に挑戦したので
どのくらいの期間を走り続けるのか・続けることの苦しさなどはわかるつもりです。
どのように100日をこの学生は進んでいくのだろうか?
期待が膨らみました。

本に関しては、あまり制限しないで購入すると決めているので
すぐにレジへと向かいました。

ただ、その後は積読・・・
なかなか順番が回ってこなかったのですが
8月の中旬頃に
「そういえば」と
部屋の中で立ち読みを始めたら
止まらなくなって読み切りました。

大学4年生の女子学生が
「どうしたらラクにレポート提出できるのだろうか?」と
chatGPTに質問したことから始まる、彼女の成長日記(と言っても良いと思う)。

もしかしたらプログラミングを知っている人であれば
内容的にはつまらないかもしれない。
でも、私が面白いと感じたのは
彼女の他人とのコミュニケーション方法と大人への態度と言葉遣い。
そして、自分に対して真摯な態度。
「ラクをしたい」という目的ではあるけれど
「もう少し手を加えてみる」「他の方法を探る」という
知ってか知らずか自らに課題を与えて乗り越えようとする姿に
成長のステップを感じて、とても清々しく思いました。
(実際には、アプリ作成に没頭できるのは学生だからだよね、他のことは多少混乱していても問題ないからね、と羨ましく思っていました)

昭和人が平成若者とのコミュニケーションに困っている昨今。
今は時代や常識やスタンダードがビュンビュン変化しているから
サーフィンのように世の中を渡っていかないと生きていけない。
若者たちは、既存のものを深く理解しなくとも
行動しながら新しい可能性を求めて走っている。
走れない昭和人は、ついつい自分の知っている世界だけを語って
おせっかいな一言二言を若者に伝えてしまう。
「昔は・・・」「私は・・・」「そんなこと・・・」等

でも、すれ違いざまに掛けるひとことに、若者はふとヒントをもらうこともあるのではないか?
それは、積み重ねた経験と大局をみることのできる視野の大きさ。
私たちの出番なのではないか。

私たちは走り去る若者に舌打ちをして憤ることもある。
でも、自信を持ってもいい。
私たちはダテ
本を読みながら
さりげなくサポートしたり助言したり
100チャレンジをおもしろがっている教授や大人の姿に
今の時代を生きていくことのヒントをもらったような気がしました。

おススメです。



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241「音楽家として生きること」 https://ototabi-kaori.com/contents_328.html こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。長女の文章を読むにはなかなか体力がいる。上っ面ではなく心の奥底までのぞき込んでどうかすれば素手でかき混ぜるような・・・そんな厳しい面も感じる。でも、隠れたユーモアもちゃんとある。今日は彼女の世界に浸ってみたいと思う。https://note.com/kunstgeige12/n/naf2c9a43c3ca 音の旅人 2025-08-29T22:30:00+09:00 こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

長女の文章を読むには
なかなか体力がいる。
上っ面ではなく
心の奥底までのぞき込んで
どうかすれば
素手でかき混ぜるような・・・
そんな厳しい面も感じる。
でも、隠れたユーモアもちゃんとある。
今日は彼女の世界に浸ってみたいと思う。


https://note.com/kunstgeige12/n/naf2c9a43c3ca]]>
240「手に汗をかきますか?」 https://ototabi-kaori.com/contents_327.html こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。楽器を演奏する人たちにとってパフォーマンスに影響する「汗」はかなり深刻なものだったりします。手汗がひどくて音程がズレる額から汗が飛び散る汗で衣装の色が変わる・・・など涼しい顔をして演奏していても内情はかなり大変で過酷なこともあります。私の場合は・・・手汗:緊張して手が冷たくなって、うまく動かなくなるのはいつものことです。舞台袖で腕をブンブン振り回して血の巡りを良くしようと、無駄なあがきをしています・・・でも、良い緊張感として受け止めています。額からの汗:あまり経験がありません。汗で衣装の色が変わる:夏のコンサートで滝のように汗をかいたことはありますが、色が変わるほどのことはなかったです。顎あてに汗をかきすぎて、楽器がツルツル動いてしまったことはあります。焦りました・・・💦練習通りに本番で弾けることが目標ですが本番だからこそのイレギュラーな状況のサンプルが増えました。これは経験を積み重ねて取得することのできた「宝」です。私にとってはどんな小さなコンサートでも真剣勝負のたった一回しかないその時だけの特別な時間。これからも特別な時間を積み重ねていけるような音楽家になっていたいです。*暑い日が続いているので、汗の話が多くなってしまいました… 音の旅人 2025-08-28T22:30:00+09:00

楽器を演奏する人たちにとって
パフォーマンスに影響する「汗」は
かなり深刻なものだったりします。

  • 手汗がひどくて音程がズレる
  • 額から汗が飛び散る
  • 汗で衣装の色が変わる・・・など

涼しい顔をして演奏していても
内情はかなり大変で過酷なこともあります。

私の場合は・・・
手汗:緊張して手が冷たくなって、うまく動かなくなるのはいつものことです。舞台袖で腕をブンブン振り回して血の巡りを良くしようと、無駄なあがきをしています・・・でも、良い緊張感として受け止めています。
額からの汗:あまり経験がありません。
汗で衣装の色が変わる:夏のコンサートで滝のように汗をかいたことはありますが、色が変わるほどのことはなかったです。

顎あてに汗をかきすぎて、楽器がツルツル動いてしまったことはあります。
焦りました・・・💦

練習通りに本番で弾けることが目標ですが
本番だからこその
イレギュラーな状況のサンプルが増えました。
これは経験を積み重ねて取得することのできた「宝」です。
私にとっては
どんな小さなコンサートでも
真剣勝負のたった一回しかない
その時だけの特別な時間。

これからも
特別な時間を積み重ねていけるような
音楽家になっていたいです。

*暑い日が続いているので、汗の話が多くなってしまいました






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