塚本香央里(つかもとかおり)
 ~ヴァイオリニスト&ライフオーガナイザー~
 

ブログ

ブログ
2026/10/11
282「安心を伝える音楽」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

地域でのコンサートと楽器体験。

今回は去年までスタッフとしてお手伝いしていたところでのコンサートをご依頼いただきました。小さいお子さんと保護者の方たち向けの絵本コンサートとのことだったので、飽きないように短いお話を選び、曲も短めに・・・と準備をしていたら、まさかの大きなお部屋と「スペシャルゲスト」として1時間も時間をいただくことになりアタフタ・・・。それでも「なんとかなるな」と準備をしていました。

とにかくヴァイオリンの練習。短い曲だからこそ、テンポ設定を間違えないこと。絵本を読むスピードや抑揚。持参する荷物の点検・・・準備9割というのは私の持論。本番はイレギュラーなことが起こるので、あまり神経質になっても仕方がないので勢いに任せる・・・


当日はどんな親子さんが聴きに来てくれるのかな~と楽しみにしていました。

絵本と奏者の前はマットを敷いて、小さい子どもは寝転んだり立ち上がってもOK。親子で一緒にリラックスして聴ける空間。後ろの椅子席は大人のため。私のイメージは紙芝居がお手本。空地や公園に自転車に「けこみ」を括りつけてやってくるおじさん。私には経験がないけれど、そんなイメージを思い描いています。


セッティングをしながら、頭の中でシミュレーション。

自分で見積もった時間より短くなりそうなのでちょっと焦りました。


今回の懸念は「楽器体験」。今まで荷物の多さにひるんで、なかなかできなかったことでした。これを機会に少し実践してみようと思いました。小さい楽器と大きい楽器を持参しているので、うまくできるかどうか不安いっぱいでした。「体験」なので真剣にきちんと弾けるようにするわけではないけれど、なにか「ヴァイオリンっておもしろい」「なんかたのしい」という気持ちだけは持ち帰ってもらいたいと思いました。

大人の方が楽しんで、面白がって、子どもたちがそんな姿を見てキョロキョロしている様子がみれて良かったです。

子どもたちはしっかり見ています。

本当にお父さんやお母さんは楽しんでいるか?

本当の笑顔は安心します。

あぁ、楽しんでいいんだ。

喜んでいいんだ。

その安心を、音楽から、楽器体験から伝えることができたなぁと思っています。

貴重な経験でした。


忘れ物もなく、喜んでいただけたのでOK。
しかし、課題と反省は色々あるので次に活かしていきたいです。



2026/10/10
281「リサイタルのご案内」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

12月のリサイタルのご案内を送付完了しています。

今までご来場くださった方、コンサートにいらしてくださった方を中心にご案内しています。

お手元に届くまでもう少々お待ちください。

毎年12月のリサイタルは、私にとって挑戦でもあり、大事な恒例行事であり、自分の立ち位置を確認するマイルストーンでもあります。

今年のテーマは【再生】

私の人生でいつも「戻ってくる曲」である【ブラームス:ヴァイオリンソナタ第1番「雨の歌」】を演奏することの喜びを今から楽しみにしています。

高校生の時に初めて自分の意志で弾きたいと願い、大切にしてきたヴァイオリンソナタ。

様々な節目に演奏することで自分を取り戻すきっかけになってくれる曲。

今年もそんな時間になればと思っています。


2026/10/04
275「絵本コンサートあれこれ」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

絵本コンサートのご依頼がこの1年で少し増えました。

「私が読み聞かせながら、その世界観に合った音楽を奏でます」

というと、読みながら演奏する?と思われるらしく、なかなか想像ができないようです。

絵本を読み、その内容が想像できるような曲を演奏するので、本の内容は音楽で一時ストップして音楽に集中することになります。これが難しいと感じる方も多いようです。音楽を聴くと本の内容を忘れてしまう・・・思考をとどめておくのが難しい・・・と。

工夫はまだまだ必要なのかなとも思います。そして、コンサートの説明がもう少し上手に伝えられるようになりたいものです。


絵本と音楽はとても近しい存在だと思います。

その二つを融合させて、より豊かに絵本の内容が記憶に残るように、音楽がサポートできたら嬉しいです。そして、その時に聞いた音楽が「あぁ、あの絵本で聞いたなぁ」と思い出してもらえたら、音楽の力が発揮されたことになります。その時に聞いた音楽が本物であること。記憶に残る音が上質であるように、心を込めて絵本コンサートに向かっていきたいと思います。

絵本は子どものためだけではなく、大人にも大事な感性がたくさん詰まっています。忘れていた感覚、懐かしい思い、思い出・・・大人の方が琴線に触れるものかもしれませんね。

来週末はこちらで演奏します。
仕込みがたくさんあるので準備に時間がかかりそうですが、また新しい経験を積むことができるのは楽しみです!

 


2026/10/01
272「深い河は静かに流れる」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

【深い河は静かに流れる】

表面上はゆったりと流れている河は、案外深くて、底の方は激流だったりすることがあります。

穏やかに見える人ほど、激動の人生を歩んだ形跡があったり、難しい状況に陥っている時かもしれないと気づかされることが最近多々ありました。いずれも年齢を重ねた人で、同年代の方もいらっしゃいます。自分もそれなりの経験を重ねつつ、生きることに誠実に向き合い、静かに俯瞰することが多くなったように思います。いつの間にか、自分も「それなりに年齢を重ねた」一人であることを自覚するようになりました。

音楽を奏でる者として、全ての経験は演奏に滲み出てきます。

喜怒哀楽の全てを音楽に凝縮して届けたい。

そのどれを受け取るか。受け取れる容量がどれだけなのか。選ぶことができるのは聞いてくださるお客様です。

もしかしたら、私の音楽は暑苦しいかもしれませんね。

聞き流すことができずに、ちょっとどこかにつっかかる(引っかかる)ような気持ちになるかもしれません。もしそうであるならば、ちょっと立ち止まって足元をもう一度見直してみたらいかがですか?という私のメッセージが聞こえてくるかもしれません。


塚本香央里ヴァイオリンリサイタル
チケット発売開始しています


2026/09/21
262「リサイタルを聞きに行く」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

昨日は恩師のヴァイオリンリサイタルを聞きに行きました。

宮嶋真理先生は、小学生の時に父の仕事の関係でドイツに住んでいた頃のヴァイオリンの先生。毎週、母と一緒に黙々とレッスンに通って、黙々と練習していた日々を思い出します。お忙しい先生で、演奏旅行も数多くこなしていらっしゃったので、その頃は気軽にお話しできるような関係ではありませんでした。小学生低学年の私には、おしゃべりできるようなコミュニケーション能力も持ち合わせてなかったので・・・レッスンはいつも緊張していたような気がします。

10年前に家族でドイツへ行ったときに偶然再会して、その後は(なぜか)気取らないお付き合いをさせていただいています。とても真面目なのにおちゃめな面もあって、お会いするととても楽しい時間になります。

そんな先生の今回のリサイタルは、なかなか聴き応えのあるプログラムで楽しみに伺いました。台風の影響で湿気を含んだ空気。お客様も雨のしずくを纏っていらっしゃるので、どんなに空調を入れても湿った空間になってしまいます。それでも、一音目を弾き始めた先生の音は優しい中にもピリリとした端正な音楽が広がっていきました。繊細で真摯な、ちゃんと準備された音楽。技術面の安定と音程の微妙な調整。やはり、毎日の訓練は裏切らないなぁと我が身を振り返りました。以前アドバイスいただいたピチカートの弾き方は、瞬きをこらえて必死に目に焼き付けました。いつまでたっても、先生という存在は変わらないものですね。そして、全てを包み込むような成熟した音楽は心地よいものです。

70代になっても弾いていられるかしら?と不安に思いつつ、先に行く先輩の奮闘を目の当たりにして身を引き締めた2時間でした。