塚本香央里 ~ヴァイオリニスト&ライフオーガナイザー~
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211「習い事は素直が一番」

2025/07/30
211「習い事は素直が一番」
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

先日、ピアノ発表会にお邪魔してきました。
とてもオーソドックスな発表会で
生徒さんが13人。
小さな生徒さんから大人まで
今の自分にできる精いっぱいを
緊張しながらも
楽しそうに演奏していました。

発表会は先生の姿が直接反映されます。
生徒さんに何を求めているのか
どんなことを指導しているのか
技術的なこと
音楽性について
ステージマナーなど。
あたたかい先生のお人柄そのものの
ほんわかした1時間でした。

私が生徒だったころ
先生によって全く違う発表会を経験しました。

ひとつは
舞台に大きなお花が飾られて
ソロの曲や合奏がたくさんあって
演奏後にはプロの写真家さんに撮影してもらうというもの。
先生からのプレゼントがあったりして
キラキラした発表会。

もうひとつは
演奏者のアナウンスを
先生自身が客席からエピソードも含めてお話して
淡々と、順番に生徒が演奏していくという
「成果発表会」のようなもの。
もちろんプレゼントは無くて
先生の講評を聞いて終了、といったもの。

どちらも私にとっては思いの深い発表会でした。

自分が指導者になって
アシスタントとして発表会をサポートしたときは
各自のソロ曲をサポートするレッスンをしたり
かなり大きなアンサンブルを指導したり
パート練習を指導したり
プログラムの順番を決めたり
リハーサルの準備をしたり
ステージマナーのレクチャーをしたり・・・
かなり大変な思いもしました。

生徒さんの数が少ない場合は
30分もかからなくて終わってしまうため
色々なアンサンブルの曲を準備したり
楽しく演奏するような企画を練ったりしました。

発表会というのは生徒さんが
その時の実力をきちんと演奏表現して
自分自身も何ができて、何ができないのかを
確認する機会だと思います。

ただ楽しく弾く、だけではなく
工夫次第でもっともっと
自由に弾くことができる
可能性を含んでいます。

緊張して舞台に出ることは
普段の生活では得られない経験です。
コツコツと練習してきたことが
ちゃんと発揮できた時の喜びは計り知れません。

私は生徒さんに
少し背伸びをした曲を発表会で弾くように促します。
最初は弾けなくて困っていても
少しずつ練習を重ねて
コツをつかみ
自信を持って演奏する姿に
確かな成長を感じます。
事実、精神的にも成長して驚かされることが多々ありました。

ただし、そこの辿り着くには
やはり辛抱・忍耐が必要です。
やっぱり練習が必要なのです。

「習い事」はポンとすぐにできるようにはならないのです。
楽しいだけでは上達しないのです。

今の子どもたちは
限られた時間の中でたくさんのことを習得しなければならないような風潮があります。
でも、何かができるようになるには
時間が必要だということも忘れてはいけないと思っています。

別にスペシャリストになるわけではないから
さわりだけでいいんです

そういう考えもありますが
私はせっかく習うのであれば
ある程度まで頑張って練習して
心のこもった、その人らしい演奏ができるまで
簡単な曲で良いから
きちんと習得してほしいと思っています。

練習方法は
指導者がたくさんの方法を示しますから
とにかく試してみてほしいです。

素直が一番!