塚本香央里 ~ヴァイオリニスト&ライフオーガナイザー~
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2025/12/16
350「リサイタル・アンケート」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

リサイタルでお配りしているアンケート。
短い時間ですが記入していただけるととても嬉しいです。
(去年からQRコードをつけたので、
帰宅されてからゆっくり記入して
送信してくださる方もたくさんいらっしゃいます。
ありがとうございます!)
みなさんのコンサート後の興奮と息吹が感じられて
読ませていただきながら、
次のコンサートの企画を考えるのが楽しいです。

今回はその中から少しご紹介しましょう。
皆様のその時、その瞬間に感じた感情が
筆圧、言葉の強弱、文字の大きさに表れていて
原文を読むときは
ちょっと緊張します・・・

◎音の旅ができました!
◎バイタリティーあふれる・エネルギッシュ・ピアノももちろんすごい!
◎力強く・時に優しく・奥深い音色に聞きほれました
◎塚本さんの音色の豊かさに驚きを隠せません
◎ベートーヴェンは安定の美しさ・今回はプーランクが圧巻・メロディに魅了された
◎プーランク、ガツンときました
◎毎度ながら意欲的なプログラムで特に前半は新しい響きにワクワク感があった
◎楽しく、でも真心こめて弾いていらっしゃるのがとても伝わってきました
◎選曲もバラエティに富みプーランクとイザイは特に圧巻
◎ピチカートの響きが曲によってとても多彩で印象に残りました
◎年々パワーアップしている
◎めったに聞けない10番が聴けて嬉しかった
◎塚本さんのコンサートではいつも新しい出会いや気づきがある
◎新しい音楽に出会わせていただいています
◎MCの言葉でゆったり聴くことができた
◎やわらかい音と情熱的な音がすばらしい
◎前半は重厚感というより重圧感がありましたね。戦争の爪痕ってやはり大きいですね。
◎プーランク、生演奏を塚本さんの表現で初めて聴けて良かったです
◎どの曲も力強く深く、余韻を残しながら心の中に響いてきました
◎ベートーベンを軸にしてストーリーのあるプログラム構成に感心しきって聴いておりました
◎前半のグイグイと迫ってくる3曲を精一杯受け留めました。迫力が凄かったです。

その他にも、たくさんの言葉をいただきました。
皆様のひとことを大切に心に留めて
次の扉を開けていこうと思っています。





2025/12/15
349「リサイタル2025 御礼」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

リサイタル2025年
無事に終演しました。
いらしてくださった皆様
遠くから応援してくださった皆様
本当にありがとうございました。
ベートーヴェンのヴァイオリンソナタ10曲を
完走することができました。

珍しく雨の降った日曜日。
私のリサイタルは必ず晴れるのですが
今年は朝から冷たい雨が降りました。
時々雨足が強くなったりして
車でホールへ向かうときはとても緊張しました。

今年は照明や衣装
髪型やメイク(私なりに)も頑張りました。
この1年間、メイク講座を受講したり
お芝居を見に行って
女優さんの立ち居振る舞いを研究したり
アナウンサーの方に
話し方やコンサートの企画について
アドバイスをもらったり
自分なりにアップデートできたことが
たくさんありました。

もちろん、演奏に関しても
勉強することが多く
ビブラート研究や
中音域の響かせ方
左手のテクニックなど
小さな練習を積み重ねました。

全てを完璧にはできませんでしたが
それぞれのエッセンスをちりばめて
変化があったリサイタルになりました。
お客様がリラックスして音に浸っている感覚や
自分の音がホール奥まで飛んでいく様を
今年はしっかりと見て感じることができました。

【涓滴岩をも穿つ】
小さな積み重ねは大きな力になる

失われた私の一部は
1ミリの積み重ねから
また始まっています。
安易に
空虚な
積み重ねをするのではなく
自分の手で確かめながら
ひとつひとつ
静かに重ね合わせていきたいです。


皆様に感謝して。







2025/12/14
348「私の1年を表現する場所」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

今日のブログは予約投稿にしています。
さすがに本番当日は書ける自信がないので・・・



私にとってリサイタルは
1年間の自分を俯瞰する重要なコンサート。

どれだけ努力したか
準備に抜かりはなかったか
チラシの文言やプログラムに
自分自身の思いと乖離はないか
自分が経験したことがちゃんと表現できるか
それらがきちんとお客様に伝わるか

リサイタルにいらっしゃるお客様は
長年私の演奏を聴いてくださっている方が多いです。
私の軌跡を見てくださっています。


私はその視線を
良い意味で裏切っていきたいと思っています。


心を動かすには
驚きや視点の変換が必要になります。
いつも同じ変わらぬ自分ではない
変化球を投げられる音楽家でいたい。
音楽に関しては
さまざまな試みをしていきたいと思っています。

今日の演奏が
誰かにとっての
心動かす日となりますように。


*今回のチラシデザインは、私の状況をずっと見守ってくれるデザイナーさんに
「心のひだまりをイメージしました」とのこと。
薄くとも、やわらかくポッと灯るひだまり。まさに私の今の状況だと思います。
ありがとうございました!





2025/12/13
347「リサイタルへの最終ステップ」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

風が強くて冷たかった昨日。
リサイタルのための
ピアニストとの最終リハーサルを終えました。

娘たちが小さかった頃は
ピアニストに我が家へ来ていただいて
アップライトピアノでリハーサルをしていました。
その頃は、スタジオを借りるという概念がなく
リハーサルは自宅かピアニストの自宅が基本でした。
ピアニストによっては
仕事や予定の具合で
私の家でリハーサルをする方が良い方も多く
来ていただけると本当に助かりました。
アップライトピアノもそう悪い音ではなく
音響の良い部屋も相まって
我が家でのリハーサルは
悪いものではありません。

娘たちが幼稚園や学校に行っている間の時間。
それ以前は単発で預かってくれる保育園や
預かり保育をしているご家庭にお願いして
リハーサルの時間を捻出することの大変さ・・・
個人練習は娘たちが寝静まった夜中のキッチン。
翌日の食事を仕込みながら
弱音気をつけての練習は必死の形相でした。
その頃はプログラムも自分で印刷していたので
夫が私の横でプログラムを折る手伝いをしてくれていました。

【とにかく、今できることを最大限にする】
言い訳をするな
できることを地道にやれ
できない、と言わない

その頃、私が思っていたことです。
子育てを言い訳にしない。
全部を人任せにしないで
自分でできることは自分でオーガナイズする。

ちょっと大変だなぁ、と思うことはあっても
できないわけじゃないんだよなぁ、と
様々なハードルを、手を変え品を変え
積み上げてきた経験は着実に自分のものになりました。



最終リハーサル後の帰り道で
沸き上がる【思い出】に押しつぶされそうになって
思わず寝たふりをしました。
『あの時間はもう戻らないんだなぁ』と
寂しく思ったり
『もう、あんなに頑張りすぎなくてもいいんだよ』と
自分の肩をポンポンと叩いてあげたいような
複雑な思いに駆られました。

毎年のリサイタル。
一つ一つの本番に
家族の思い出がいっぱい詰まっています。
今年のリサイタルも
その中でひときわ輝いて
私の心の引き出しにそっと置かれる気がします。
たとえ、その場に存在するのは私ひとりだとしても
プログラムの中に
曲の中に
ホールの中に
家族がちゃんといるような気がします。


心を込めて










2025/12/12
346「stand.fmはじめています」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

今週初めから、秘かにstand.fmを公開しています。
リサイタルの曲目案内や
プログラムの曲目解説をご案内しています。

きっかけは去年のリサイタル後に
姉と話していて思いついたことです。
私の姉は視覚障害者です。
中途失明ですが、見えなくなってからの努力で
大抵のことは自分でこなせます。
ただ、外出のサポートは
時と場合によって必要なので
私のコンサートへは
安全のために同行援護の方を伴って
聴きに来てくれます。

その時に、曲目解説を読むことができないのが
とても残念だ、と聞いたのです。

同行援護の方に、解説文を読んでもらうとなると
専門用語につまずいてしまって読み進められないことがあるとのこと。
自宅に帰っても、プログラムは音声読み上げ機能に対応していないので
結局そのままになってしまうとか・・・

なんと・・・
そうであったか・・・


それならば
私が解説文を読み上げて
音声として聞いてもらえれば
楽しいのではないだろうか?
(私の声を、好きだと言ってくれた第一号が姉でした)

数年前に次女が作ってくれた
stand.fmのアカウントを使って
解説文を読むことにしました。

なかなか勇気が出なくて
結局、本番直前になってしまった・・・という
私自身の「ポンコツ」ぶりですが・・・

リサイタル前に
予習として聞いていただくのも良いですし
リサイタル後に
じっくりと聞いていただいても良いと思います。

毎日忙しくて
落ち着いて文字を読むことのできない方。
小さい文字が(老眼で)読みにくくなった世代の方。
耳からの情報が、頭に入りやすい方。

そう、プログラムって読むだけではないんですね。
聞いたってかまわないのですもの。

新しい挑戦をしてみたので
ご興味ある方は聴いてみてくださいね。
(レコーディングは一発勝負で臨んでいます。
アナウンサーではないので、お聞き苦しかったらゴメンナサイ💦)

↓【公式】音の旅人stand.fm










2025/12/11
345「リストをつくる」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

本番3日前になると、音楽家はどんな準備をしているのか?
気になりませんか?
私も他の方がどんなふうに過ごしているのか気になります。
年代や環境によって
楽器によって
様々な過ごし方、準備のしかたがあるのだと思います。

私の場合・・・
リストが頼みの綱になります。
頭の中がほぼ、本番の曲でいっぱいになってしまうため
他のことにつかう記憶のキャパシティが極端に少なくなります。
(ポンコツなので・・・)
そのため、スケジュールや事務作業、掃除や洗濯、献立など
全てを紙に書き出して頭の中の渋滞を解消させておきます。

これが案外大切なことなのです!

いくら頭の中でシミュレーションしていても
いざとなると忘れて二度手間・・・
50代も半ばになってくると
サクサク動くことが難しくなってくるので
見積もる時間に甘さが出てきます。
ただでさえ時間が足りなくて焦っているのに
ストレスが増えることを自ら増やしたくないですよね。
そして、タスクばかりに追われてホッとする時間を失ってしまうと
余裕がなくなって音楽もギスギスしたものになってしまいます。

まずは紙に書き出すこと。
頭の中にあることをすべて出してみること。
持ち物・事務手続き・準備・献立・掃除・生活用品の買い出し・・・
音楽家も生活しているので
衣食住の管理はマストですから疎かにすることができません。
生活するって本当にたくさんの細かい用事がありますよね・・

そこから仕分けをしていきます。
本番に関すること
本番後に必要なこと
生活に関すること・・・
仕分けの項目は人それぞれかもしれませんが
私は音楽関係と生活関係に分けることが多いかもしれません。

そして忘れてはいけない項目は
ホッとする時間と休む時間。
タスクばかりに追われることのないようにします。
私の場合は
お茶時間や好きな番組を見る時間なども
しっかり確保します。


そして細かく区分けして
リスト作成まで辿り着ければ
心が安心します。

大丈夫、できるぞ!
そんな気持ちになれば
本番は素直な気持ちで向き合うことができます。

この方法は
ライフオーガナイズの手法と全く同じ。
空間を整理することと
頭の中を整理することは
同じなんだ・・と実感することができます。
この基本を自分の中に定着すると
生きることが少しだけ自分に寄り添ってくれるようになります。

私がライフオーガナイズに出会って変わったことは
自分の人生を、自分に引き寄せて
自分でコントロールしていく技術を学んだことでしょうか。

リサイタルを開催することも
以前よりさらに、じっくり向き合うことができるようになりました。

そんなお話も
これから少しずつできればと思っています。








2025/12/10
344「ピアノのペダル」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

ピアニストとのリハーサルは
とても緊張しますが
豊かで学びの多い時間です。

私はまず
「どのような音楽を創りだすピアニストなのか」
ということをしっかりと観察します。

様々な個性を持ち合わせているピアニスト。
その方たちの確かな技術と豊かな表現力を
私自身の音楽と融合させて
一歩先のステージへ変化させたいと切磋琢磨する時間。

「あなたの弾きたいことを教えて。私がそれに合わせるわ。」
安心して任せられるような、頼れるような言葉ですが
私にはピアニストが自分の個性を放棄したように聞こえます。
音楽は一方の押し付けだけで完成するものではありません。
お互いが融合しながら、時に反発しながら
試行錯誤して創りあげていくもの。
意見交換や話し合いがあったり
試奏してみたり、個人練習でヒントを見つけたり
そう簡単に進んでいくものではありません。

でも、もしかしたら・・・
自分の音楽がはっきりと明確で
誰にも譲れない意見と自信があれば
短時間できっちりと音楽が完成するのかもしれませんね。

私の場合は
ちょっと試行錯誤の時間が長くて
ピアニストはウンザリしているかもしれません・・・
(聞いてみたことはないが・・・💦)

唯一、私のこだわりはピアノのペダル。
ペダルの長さ
ペダルの踏み方
ペダルによる音のにごり方
ペダルを離すタイミング・・・
全てを耳で聴きとって
曖昧なところは必ず質問します。

ヴァイオリンにはペダルが無いので
とても興味深く
羨ましく
自分だったらどうするかな・・・と
いつも考えているからかもしれません。

リハーサル後はヘトヘトです。

コンサート中に退屈になってしまったら
ピアノのペダルに注目してみませんか?
左右の足先がしなやかに
繊細に
タイミングを計りながら
ペダル操作をしているところを見ることができますよ。

その動きを窺っているヴァイオリニストは
どんな表情をしているでしょうか?





2025/12/09
343「伝えるべきことはひとつ」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

リサイタル前1週間を切ると
体調管理が重要になってきます。
無理することなく
本番に集中して
しっかりとパフォーマンスが発揮できるようにしたいものです。

今までの自分は
リサイタル後にのんびりした時間を取りたくて
本番直前までびっしりと予定を詰め込んでいました。
「あれを完成してしまおう」
「この事案について、目途をつけてしまおう」
「予定を終わらすべく、今、詰め込んでしまおう」
何なら、リサイタルの前日まで地域の会議に出席したり
仕事を入れたりしていました。
音楽とは全く関係のないことのために!

でも、リサイタル後も事後処理に追われることになるのです。
清算、報告、振込期日があったりするので
気が休まることはほとんどありません。

どこで休むんだよ、自分・・・

それに気がついたのが最近のこと。
どうしたって疲れて体調を崩すのは年末。
そのネガティブルーティンを抜け出したくて
今年はようやく、色々なものを手放すことができました。
自分じゃなくても、誰かがやればいいことは敢えてしない選択・・・

大きな舞台というのは
エネルギーが必要になります。
体力を3倍くらい使うような気持ちです。
ホールの隅々まで自分の音で満たすのは
容易なことではありません。

大きな音が必要というわけではなく
伝えるエネルギーが必要なのです。
伝える・・・自分の思い・・・
受け取る側が、それぞれに
どんな風に想おうとも
こちらが伝えることは一つであるべきです。
その過集中にも似た状態は
私の場合は最後の1週間。
もう少し余裕をもって
緻密に積み上げていきたいと思っているのですが
今の状態はこれが精いっぱい。

これから年齢を重ねていくうえで
準備段階のやりくりを
工夫していきたいと思っています。








2025/12/08
342「歯車のズレ」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

アドベント第2週を過ぎて
今年も少しずつ時間が加速しているような気がします。
焦らずに足元を見ながら過ごしたいと思います。

ぷかり・・・とパイプの煙を吐き出すおじいさんの存在は
私の12月を見守りながら
「まぁ、がんばりや」と
声をかけてくれているような気がします。

読書強化月間のメモ。

【蛍たちの祈り】町田そのこ(東京創元社)

とても美しい物語だった。
「正道」がお腹にいた時から、業を抱えた生き様に
必ず寄り添う人がいるという、なんとも切なくとも
救いのある話。
連作がひとつの糸となってつながっていく
その物語のつくり方も美しいと思った。
時系列が淡々と進んでいくのも
時間というものが
無情に感じられつつも
感情をなだめているようにも思える。

親の血は引き継がれていくのか。
それを見守る周りの目と
その目に応えてしまう自分との闘い。
様々な目線の中から「正道」をみつめ
交流し、関わる中で見出す「自分」。
この物語はどれも死と生が隣り合わせで
それらはほんのちょっとの事、
タイミング・気の迷いで忍び寄ることを描いている。

歯車がひとつズレただけで
ガラリと変化する事態を経験すると
ふとした瞬間に涙が止まらなくなることがある。
答えのない問いを叫び続ける自分を
哀れにも思いながら
ひたすらに生きることだけを思う。

生きるって
やっぱり大変だな、と再確認する。





2025/12/07
341「二十四節気・大雪」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。


大雪【たいせつ】

雪をかぶった山々が見えて、平地にも雪の便りが届くころ。

気温が下がり「冬将軍」がやってくるので「真冬並みの寒さ」と言われることも多くなる。


思ったより暖かい日だったり、冷え込んで肩をすくめるような寒い日だったり。

今年はお天気に右往左往することが多いような気がします。

私はリサイタルが来週なのでまだまだ気が抜けず、体調を崩さないように注意する毎日です。

(いや、リサイタルを終えても楽しい時間が待っているので気をつけなくては!

リサイタル後はどんなに気をつけていても、どんなに休みを十分にとっても

体調を崩してしまうのが悔しいので、

今年はリサイタル前からきちんと管理していくつもりです)


今年は初めてUNIQLOで「超極暖ヒートテック」を購入しました。

かなり厚手なので、長T感覚で着ることができます。

私はヴァイオリンの練習があるので、襟元のスッキリしている洋服を選びがちです。

超極暖を着ていると、

その上に薄手のセーターを着ても良いし、

シャツを重ねても素敵。

ベストを着ると腕廻りの自由度が増すのでラク。

超極暖は肌触りも心地よいのでストレスが少なくて快適。

首元にハンカチーフやスカーフを巻いていてもホカホカしてグッド。


シンプルシックな洋服を着つつ、

インナーに気を配って暖かく快適に過ごす方が今の私には気分的に合っているような気がします。

そして人生経験の豊富な迫力としなやかさを身にまとうことが目標。


みなさん、冬の洋服選びはどうしていらっしゃいますか?

どんな気持ちでお洋服を着こなしていますか?


あと1週間後に迫ったリサイタルに思いを馳せながら
丁寧に毎日を過ごしていきます。




2025/12/06
340「ファナティックとは?」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

新書の魅力に開眼した今夏。
様々な知識を安価で手に入れることのできる新書は
私の心強い味方になったような気がします。

読書強化月間に
書店で思わず手に取った新書。


『ピアニストは「ファンサ」の原点か』
スターとファンの誕生史

かげはら史帆(河出新書)

かげはら史帆氏の「ベートーヴェン捏造」を読んで
「おもしろい!」と思った著者の新刊。

『推し活』全盛の今の時代
ファンとはいつから誕生したのか?を
めぐって時代を遡り
ピアニスト・リストの風刺画をもとに
謎解きをしていくという解説書。

音楽家としては見過ごすことのできない内容だった。


人気というものは
自然発生ではなく
人工的に(または作為的に)作られるものである。
その方法は、本人ではなく
周りの思惑によって築かれるものが多かった。

フランツ・リストの場合
◎ライバルをあてがわれる
◎恋愛相手によってブランディングしてもらう
◎ビジュアルを最大限に活かす
◎顔芸・しぐさで聴衆を魅了する
◎コンサートの密室化(サロン)による個別化 など
綿密に仕組まれていた様子。
ただ本人は、地道なテクニック練習を積み重ねて
自分の技術で勝負したかった模様。
【なんだかわからないけれど、有名だから聞きに行く】というよりも
本物を届けたかった音楽家の信念が見え隠れする。

私には、音楽家の弱点でもある
「うまく言葉で表現できない」
「セルフコントロールできない芸術家」を
最大限に利用されたのではないか・・・と訝しく思う(深読みすぎ・・)

現代の音楽家はしたたかで
自分でもセルフブランディングをして
確実に「ファン」を増やす努力をしている。
古き時代のように
「お抱え音楽家」を雇うような文化が無くなってしまったから
自力で自分のファンを増やさなければ
活動をしていくのは至難の業。

音楽家だって
霞を食べて生きているわけではない。
毎日のパン代金を稼ぐべく
必死にファンを増やしている。

クラシック音楽愛好家が求める演奏家の姿は
ファン層を広げたい音楽家自身と
思惑が違っているかもしれない・・・
今の時代
音楽家のあり方は転換期を迎えているのかもしれない・・・と
大きな視点で見ると
自分の音楽家としての姿勢はどうするべきか?と
大きな問いかけをされている気がする。

ファンからみた視点。
音楽家から見た視点。
読みながら、あちらこちらへとフラフラしながら読了。





2025/12/05
339「コールドムーン孤高の月」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

今夜は満月です。
今年最後の満月は『コールドムーン』と言うそうです。

音楽家は案外、孤独です。
リサイタル準備も
たくさんの方と作業しながら
連絡を取り合いながら
リハーサルを重ねたり
意見を交換したり
コミュニケーション豊かな時間の中で
楽しく進めていますが
根っこの部分は
私、ひとり 
なのです。

重要な決断
〆切の設定
最終判断
すべて自分一人で行います。
自分の決定がどのように影響するのか
シミュレーションしながら
思いめぐらすのは
自分、ひとり
です。

私はその孤独が糧となって
自分の中に蓄積されていることを
感じています。
誰にも理解されなくても
自分自身が認めてあげれば
それで満足です。
(そもそも他人に理解を求めることが違うかも?)

今夜の満月は
孤高の月とも呼ばれるとのこと。

冷えた空に凛としてかがやく満月に勇気をもらいながら
これからもひとり、生きていきたいと思いを新たにしています。







2025/12/04
338「ベートーヴェンとともに歩む 2025」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

今年のリサイタルは
ベートーヴェンのソナタの完走記念。

2014年に第2番から始めて(2番の方が先に作曲された)
途中、コロナ禍で3回のお休みを挟み
2023年に2曲を演奏し
2025年に10番目まで辿り着く
長い長いプロジェクトでした。

始めた当初は気軽な気持ちで
「これでしばらくプログラムを考えなくてもよい!
少なくとも半分くらいは・・・」と
ウキウキした気持ちでした。
毎回のテーマを決めながら
プログラムを考えることは
なかなか難しいものです。
ひとつテーマ(ベートーヴェン)が決まっていれば
その手間が省けます。

ベートーヴェンのソナタを
1曲ずつ演奏しながら
その周りをどう彩るか・・・
どのようにテーマを考えていくのか・・・

ベートーヴェンという『軸』があれば
その先を組み立てるのは得意でした。

予期せぬコロナ禍のあと
七転八倒した日々。
暗澹たる思いで紡いだ音の数々。
何度涙しながら
「なぜ、どうして・・・」と虚しい問いかけをしながら
リサイタルの準備をしたことか。

それでも休むことなく続けてこられたのは
私の演奏を楽しみにしてくださる方がいるから。
とちゅう、それが好奇のまなざしに変化していたとしても
自分の揺るぎない思いを
演奏に乗せる強さにしたいと思ったから。

この2年間のリサイタルには
窺うような
好奇の気配
憐れみを感じました。

今回は
私の演奏を
本当に聴きたい方がいらっしゃると信じています。

私が発信するものを
受け手の聴衆も心して聴いてほしい。
【本物を届ける】ことは
作曲家の声を届けることでもあるし
演奏者の思いを音に乗せることでもあります。

長い長い年月でした。

ベートーヴェンは
静かに
そして確かに
私の傍らに存在していました。

その「鼓動」
そして私自身の「静かなる躍動」が
私の生きる源。

「死」を乗り越えたり
肯定したり
納得する気はさらさらなくて
毒をそのまま自分に取り込んで
全てをひっくるめて
飲み込んでしまおうとおもう。

「生きる」って生易しいものではない。

地団太踏んで
泣き叫び
感情をむき出して
拳が血でにじむほどにドアをたたく

それが私の生き方になるのかもしれない。








2025/12/03
337「心の軌跡をたどる」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

11月の読書強化月間中に読み進めた本。
この本はとても良かったです。
(よかったという感想はよくない・・・)

この本を買ったのは9月。
長女と本屋さんをウロウロしていて
ふと目に留まった本でした。
「カウンセリング」「心」「追憶」といった言葉が
気になる時期でもありました。

自分で自分を見つめながら注意深く過ごした2年半。
自分が壊れてしまわないように
自分を自分で癒すために過ごした日々。
2年半前の出来事を
繰り返し思い出しながら
悲しみ・怒り・慟哭・咆哮・・・
あの時自分が選んだ道・方法は良かったのかどうか?
自分が今、いる場所はどのくらいの地点なんだろうか?
常に確かめながら読んでいました。

カウンセリングとはどういうものなのか?
今までの歴史と変化。
そして実際の現場で行われる
カウンセラーの視点と決断を
カウンセリングルームにいるかのように進んでいく様子に
何度も「なるほど」と思いました。

私は心理学を学んだわけでもなく
もちろんカウンセラーでもない。
私自身が心の助けを求めるのが苦手で自分を開示するのが怖い。
2年半前のことを誰かに助けを求めたら
絶対に自分が壊れる。
狂って立ちゆかなくなる。
でも、
もしかしたら、
その方がラクだったかもしれません。

でも、私は「生きる」ことに決めた。
だから少しずつ、ほんのちょっとずつ
自分が「生きる」ためには
どうすればいいのか
方法を考えることに決めた。
(「進む」とか「前を向く」という言葉を使いたくなかった)

その答え合わせを
自分なりに
この本でできたような気がします。

大丈夫。
これからも、立ち直らなくても良いよ。
カウンセリングは自分で終わらせるときが来るから。
そのままでも、靄が薄くなったり、濃くなったりしても
自分自身を自分がしっかり抱きしめていればいい。

そんな風に思うことができました。

カウンセラーとともに歩む日々も良いけれど
私は自分自身が伴走者で良かったと思います。
(専門家に頼る方が良い場合もあります)

手元に置いて何度でも読み返そう・・・と思うことのできる
貴重な一冊になりました。







2025/12/02
336「睡眠は大切」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

お天気の日に布団を干して
布団カバーを真冬仕様に替えました。
(年間の布団仕様は4パターンあります)

睡眠は大切です。
寝不足は本当に体力を奪われます。
眠りが浅かったりすると
余計な力を必要としたり
メンタル面で不安定になるので気をつけています。

ほっこりした布団にくるまって
「あ~しあわせ~」とつぶやいて寝る。

それだけで、
心配事の8割は消え去ります。

今の時期は
体調管理に気を遣います。
元気であれば、たいていのことは乗り切れるから
睡眠時間を大切にして過ごしています。

プログラムが完成しつつあります。
今年も文字数が多くて、読むのは大変です。
確認作業も一苦労。
この作業が終わると本番は目前です。




2025/12/01
335「クレッシェンドの12月がはじまる」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

師走。
この1か月は毎年のことながら
とにかく体力勝負の日々。

今年は月末にかけて
クレッシェンドのように広がっていきます。

リサイタルが12月のど真ん中(14日)に鎮座しているので
とにかくその日を中心に備えて
頑張っていこうと思っています。

来年は元旦からブログ100チャレンジに
また挑戦しようと思っているので
どのように進めていくのかも
考えていかなければなりません。

楽しいやら
少し怖かったり
色々な気持ちが混ざっていますが
とにかく生きていくことが先決。

この1週間ほどは
わちゃわちゃしそうな予感ですが
それすらも楽しめるようになりたいと思っています。