こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。
思いがけないトラブルはよくあるものですが
それが本番当日だったりすると・・・焦ります。
今回のリサイタル当日
ホールに到着して
車のトランクを開けようとしたら
開きませんでした・・・
何度ボタンを押しても開かず
何度トランク本体の開錠を試みても
開かない・・・
トランク内にはプログラムと配布物
衣装まで入っています。
サポートスタッフの女性と
しばらく(といっても5分くらい)
すったもんだしていると
「塚本さん、プログラム原稿はありますか?
万が一の場合に備えて印刷に回します」とのことで
メール内を探して転送し
私はスマホで開錠する方法を探したり
ディーラーに連絡してみたり・・・
結局トランク本体は開かず
女性スタッフと私の
手あたり次第の模索で
後部座席からトランク内のものを
取り出すことができました。
その間30分。
私の脳内は
「あれ?なんで開かないんだろう」
「何かスイッチを押したかな?」
「慌ててもしょうがないけれど」
「そろそろ次の手段を考えねば」
「プログラムは何とかなりそう」
「衣装・・・着てきた服で弾くか」
「でも、何とか、なりそうなんだけどな」
以前、後部座席からトランク内に
スキーを入れた記憶がどこかに残っていたので
根拠のない「なんとかなる」が発動されて
取り乱さなかったのかもしれません。
しかし・・・
こんなことがあると
少なからず影響はあるので
細心の注意をしました。
小さなことでも
演奏に響くのは自分でもわかっていたことです。
しかし、その30分のズレは
その日のリサイタル開始まで尾を引いて
全てに対して少しずつギリギリになってしまいました。
(共演者への昼食買い出し・録画設定・本番前のルーティン)
そんな時は敢えて集中力。
お腹に力を入れて
腹を括る。それだけです。
後から
「塚本さんの送ってくれたプログラム原稿は
去年のものでした・・・」
まぁ、私のすることなんて
そんなものです・・・・