塚本香央里(つかもとかおり)
 ~ヴァイオリニスト&ライフオーガナイザー~
 

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2026/06/30
181「姉妹それぞれ・視察旅行⑤」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

次女はこの3年間を大学学士過程に在籍していました。日本で音楽高校を卒業して、半年ほど引き続き大学の単位等履修生として在籍してからスイスへ留学しました。

長女は同じく3年前に日本の音大を卒業して、ドイツの音楽大学院に入学しました。

大学在籍と大学院在籍での違い、スイスとドイツという国の違い、生活様式の違いはそれぞれ大きかったです。さらに姉妹の性格の違いも影響していたように思えます。


☆大学と大学院:大学生はほぼ毎日授業があります。講義や実技はもちろんのこと、副科ピアノ、副科ヴィオラ、室内楽やオーケストラもしっかりと単位認定に含まれます。講義は全てフランス語。3年修了時には論文を書いてそれについての口頭試問までありました。最後に卒業リサイタルを開催してすべての単位を認定されると卒業できます。卒業式はひとりひとり名前を呼ばれて同級生からの歓声と共にディレクターから卒業証書を手渡されるというもの。

ドイツの大学院は、それぞれの大学によって違いがあるのですが、長女の大学院は取得義務のある講義が多かったようです。ドイツ語もかなりのレベルを求められて試験を受けなければなりませんでした。長女は室内楽メンバーとして声を掛けられることも多く、様々な編成の室内楽を渡り歩いていました。コミュニケーション能力が高いので、オーケストラのコンミスを担当した時も、合唱を含む大編成のオーケストラをメンバーと協力しながら率いていたことも印象的でした。現代音楽に興味を持っていることで広がったコミュニティも大きな強みになったようです。プロオケのMDR(中央ドイツ放送交響楽団)で短期就労の経験もして、盛沢山すぎる3年間を過ごしています。二人とも国や学校の奨学金制度に申請をして、経済多岐な負担減もさることながら、奨学金生の利点を生かした活動をしていました。堅実で真摯な姿だと思います。海外留学は華やかでお金のかかることばかりが目立って、肝心の勉強内容がおろそかになる傾向が見受けられますが、実際の留学生活は地味で質素で、心身健やかに過ごすことの大切さを実感する時間の方が多いような気がします。


☆スイスとドイツ:スイスはEU加盟国ではないので少し独立した雰囲気があります。生活の中でもスイス独自の方法や規律があるようです。小さい国ながら、様々な言語(仏・独・伊・英)を使えるという強みや誇りを感じます。次女には「私の住む地域はフランス語が主流だから、挨拶は必ずフランス語でね。その後は英語で話してもいいから」と言われました。その土地を尊重する気持ちは大切ですね。気持ちが引き締まりました。一方ドイツは懐かしさの大きい国ではありますが、30年前の状況とは大きく違い、都市(州)が変われば雰囲気も違い興味深かったです。思わず5月に読んでいた「自由     アンゲラ・メルケル」を思い出してしまいました。


147「自由・アンゲラ・メルケル」 こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。アンゲラ・メルケルドイツの第8代連邦首相。在任2005年11月から2021年12月。ドイツ史上初の女性首相。彼女の執筆した「自由(FREIHEIT)」を読了。上下巻約800ペー...
 

☆生活:スイスは物価が高いです。ヨーロッパの中でも特に物価高なのは生活水準も高いということになるのでしょうか。人々に余裕が見えるのはそのせいかもしれません。しかしその中で暮らす留学生は仕送りが中心とはいえ、本人の金銭感覚も問われることになります。物価の高い中で生活するには知恵が必要ですし、自分が何を優先するのかを見極める目と判断力が必要になってきます。コンビニなどは存在しないので、外食を減らしてお弁当を持参したり、自炊は必須。意外とかかる交通費なども、安価なルートを調べたりといったリサーチに余念がなかったです。ユーロ圏のドイツも大きな差はありませんが、やはり節約することの大切さは同じ。お互いの国の相場を姉妹で連絡を取りながら、生活用品の購入の相談をしていたようです。


「二人ともヨーロッパだったら安心ですね」と言われても、二人の都市は列車で7時間。決して近くはないので基本的にはそれぞれが自力で何とかしなければなりません。一人暮らし一年生の二人が、3年を経てしっかりと土台を固められたのは、実家暮らしで培った「感覚」だと思います。基本的なことは、実家の生活がすべてです。各自の軌道修正は必要だったでしょうが、私の思いから大きく逸れていないことに安堵しました。




2026/06/29
180「金銭感覚・視察旅行④」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

今回の旅の目的は、娘たちの生活を視察するためでもありました。

この3年間、それぞれが頑張ってきた毎日は本当に見事なものでした。自分で調べて自分で行動し、大小の失敗をしつつも自力で立て直してコツコツと積み上げた生活。遠隔で日本から相談にのることもありましたし、アドバイスを送り続けていましたが、やはり実際に見てみなければわからないことも多かったです。生活で一番の課題は【お金】。このお金とどう向き合うか。その姿勢がすべての鍵を握るようにも思いました。大きく分けると長女は慎重派で細かいタイプ。自分なりの規律の中でやりくりするのが上手です。次女は大きく捉えて大胆なタイプ。楽天的すぎるところがあるけれど、非常に堅実です。共通することは二人とも数字に強くて節約家(うらやましい)。商品の底値をしっかり把握して、レート換算まで考えながら生活費をコントロールしています。この考え方は、夫の影響が大きいと思います。ビジネスマンとしての経済社会の仕組みを幼いころから叩き込まれ、金銭感覚がしっかりと伝えられていました。

 

  • 必要ないもの・無駄なものは買わない。
  • 購入するときはどんなに小さなものであれ必ず比較検討する。
  • 一度手に入れたものはきちんとメンテナンスして長く使う。
  • 見栄を張らない。

 

夫の買い物術は徹底していて、時にこちらが息苦しくなるときもありましたが、良いものを手入れしながら愛用する姿をとても尊敬していました。家族への愛が強すぎて、自分のものを買うことができず、家では同じTシャツと短パン、フリースに着古したデニムばかり着ていました。私たちが「もっとカッコいい洋服を着て」といっても、「誰も見ないから俺はコレで良いんだよ」と頑なに着続けていたので、無理やり新しいものを買って着せていたこともありました。後に、自分のためにショルダーバッグを買ったり「そろそろ年代的に落ち着いた感じがいいよね」とシックが装いを意識した発言を聴いたときには涙が出そうになりました。


娘たちはその姿を覚えているので、お金の使い方にはとても敏感で、慎重です。心の中に、父のまなざしをしっかり意識しているようです。

さてその中で私の役割と言えば、お金の可能性・選択肢を広げる役目かもしれません。目の前の事に全力投球するのも大切だけど、少し遠くを見渡してみることも大切。自分の可能性を今現在の事に絞るのではなく、少し先を見て将来を大きく捉えるなどの大きい視点の提供。逆に小さな生活面でのアドバイスなどを意識して伝えるようにしています。特に、日常生活での食事に関してのアイデアや、保存方法、ライフオーガナイズに倣って持ち物管理など。制限のある生活の中でも、心地よく健康に過ごせるようにサポートしています。

お金の存在は貴重であっても、それに依存することなく、適切に使っていけば心の余裕と支えになります。

お友だちとの会話でも、この金銭感覚は大切な要素となり、自分軸を形成するためには必要なことだと思います。


私もお金に関してはまだまだ勉強の余地があります。これからの年代に備えてさらに知識を深めていきたいと思っています。娘たちの生活を視察しながら自分の姿を振り返る、良い機会でした。

 


2026/06/28
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

今回訪れた街は、私のテリトリーではなく娘たちの生活する場所なので、少し事前準備が必要でした。特に次女の住むスイスは馴染みのない国。そして言語がフランス語主流の地域なのでドキドキしました。空港についても一人でなんとかホテルまで辿り着かねばならず、まずはシャトルバスがどこにつくのかわからずにウロウロ。インフォメーションで聞こうと思って「ええと、何語でしゃべるんだっけ?」とすでに頭の中がザワザワ。英語で質問して何とか聞き取って、よくよく周りを見渡せばきちんと矢印付きの案内が書いてある・・・。

はぁ。

自分の視線の低さ、視野の狭さに愕然としました。もっと上下左右の振り幅を大きくしなければ、案内板も探せない・・・。飛び込んだトイレが男性用で焦ったこともありました(もっと焦ったのは男性たちだったはず)。


娘たちには海外(主にヨーロッパ)の街に始めて行ったときには、教会の塔に上ることを勧めていました。大抵教会というものは、その街の中心に建っています。街の全部が見渡せるので地理感覚が一目瞭然でわかります。初めて家族でヨーロッパを旅した時は、ありとあらゆる教会を訪れて登れる塔には登りました。彼女たちは今でもそれを覚えていて、私には各都市の教会の位置を一番に教えてくれました。どの教会が上に登れるのか、いくらかかるのか、まで。ジュネーブの大聖堂。ローザンヌの大聖堂。ミュンヘンの教会。フランクフルトやヴュルツブルグの教会。それぞれの街の教会を訪れて、静かに座りながら深呼吸をする時間が自分の助けになりました。昨今、信者の少なくなった教会は、毎日扉を開けておくことを断念して決められた日時しか訪れることのできないようになってしまっています。でも、今回訪れた教会はどこも開いていました。ジュネーブの街はG7開催のために警備が厳しくて、高級店や高級ホテルはベニヤ板で囲われていましたが、教会だけは泰然と扉を開けていました。ローザンヌ大聖堂は丘の上にあり、教会にたどり着くまでに体力を消費しましたが、中はひんやりと涼しくて思わずほっと溜息をつきました。その他の教会内も、静かで静謐な空気が漂い、人々の安堵感があふれていました。ヴュルツブルグの聖キリアン大聖堂横の売店で長女が購入したプレイモビルのフィギュアについて、嬉々として説明してくれたおじさんは、きっと信者に違いないでしょう。ミュンヘンの聖ペーター教会では、コンサートのリハーサルが行われていて、残響の長さを懐かしく思い出しました。どの教会にもパイプオルガンやリードオルガンがあり、その形や大きさを眺めることができたのも感動でした。古くて修理ができないオルガンもあって、寄付を募っている様子もありました。パイプオルガンの音が聴けたらもっと良かったけれど・・・。

生活に密着する教会の存在は、人々の行動すら変えてしまいます。次女は自室に聞こえる教会の鐘の音で、勉強や練習の始まりを意識していたと言います。


一人で行動することも多かったこの旅で、教会の存在は私にとって大きな助けになりました。

困ったら教会に行けばいい。

懐の大きな教会の存在を改めて実感しました。




2026/06/27
178「旅は準備が8割?視察旅行②」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

8年ぶりの海外。

コロナ禍を経て大きく変わった渡航方法は、娘たちから聞いてはいたけれど自分で経験するのは初めてなので大いに戸惑うことも多かったです。今回は自分自身の安心安全を考えて日系航空会社ANAを選択したので、出発は羽田空港の第2ターミナル。見送りするのは何度もあるけれど、自分が利用するのは始めて。チェックインは前日にオンラインで済ませてあるので(それも初めての経験)スーツケースをドロップオフするための自動チェックインをして問題なく身軽になりました。保安検査所は国内線でも経験がありますがその後の出国手続きは久しぶり。前の人の行動を凝視しながらクリア。いつも娘たちに手を振って見送った後はこうなっているのか~と新鮮な気持ちでした。今回はヴァイオリンを持っていないので貴重品と手荷物だけなのでとても気が楽でした。

綺麗な免税店を眺めながら、ボーディングゲートで搭乗開始を待ちます。


今回初めてのことはWi-Fi。

以前は海外用の携帯電話を持って行ったり、ローミングなどの煩雑な手続きをしていました。娘たちはWi-Fiの貸し出しを利用していました。今回はeSIMにトライ。色々とリサーチしながら、初心者でも簡単に安心に使える「trifa」を使ってみることにしました。フライトの経由地でも娘たちに安否確認を知らせたいので、ヨーロッパ周遊13日間10ギガを契約。イギリス・スイス・ドイツ・オーストリアそれぞれの経由地で問題なく接続できて快適でした。こういうことも、使ってみないとわからないものですね。

一応ご参考まで。
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機内の過ごし方にこだわりはないので、その時の気分で過ごします。ひとつだけ気をつけることは、機内ですぐに行き先の現地時間に時計を合わせること。そうすると、到着してから時計を合わせる時間って、なかなかないので機内がおススメです。とはいいつつ・・・・今回は経由地がロンドン・ヒースロー空港だったため、スイスとの時差がさらに1時間あるということになってしまいました。仕方ないので、私はスイスの時間に合わせてやり過ごすことにしました。時差ボケのアタマには苦行でしたが。


スイス・ジュネーブ空港到着は夜10時。入国審査前にEES(Entry Exit System)という登録システムの機械に顔認証と指紋を認証させます。この認証はシェンゲン協定内であれば3年間保存されるとのことです。その後、入国審査官のところで認証を受けて晴れて入国。乗り継ぎ便はEU内移動の人が多いので、EU以外の人は少数です。

今年の秋からETIAS(ヨーロッパ渡航情報・認証システム)ビザ免除国のパスポート保持者がヨーロッパ32か国(シェンゲン協定国)へ観光や短期ビジネスで渡航する際に事前にオンラインで申請・認証するものが必要になるそうです。申請費用は20ユーロ。アメリカへの入国に必要なESTAと同じようなものですね。

スーツケースにはエアタグを仕込んであったので、位置情報でちゃんと一緒についてきていることを確認。

とにかく到着すればなんとかなります。


一人で全部をこなすためには、準備が8割。
そこまでリサーチしてシミュレーションできたらあとは、慌てないこと、焦らないこと、確認すること。
わからなければ、時間を惜しまずに質問すること。
不明であれば何度でも尋ねること。
待つことに関して海外の人たちは寛容です。


2026/06/26
177「13日間のヨーロッパ視察旅行へ①」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

先日13日間のヨーロッパ視察旅行に行ってきました。

目的は次女の大学卒業リサイタルを聴くためです。以前から次女に「聴きに来てほしい」とお願いされていましたが、なかなか勇気がでなくて・・・。どうしても家を空けることに抵抗がありました。自分でも情けないなぁと思っていたのですが、(なぜか)サーチャージの値上げ報道に背中をドンと押されて急にフライトチケットを購入して飛び出すことに決めました。期間の設定も、どうせ次女のところに行くならば長女の生活も視察に行きたいと思い、二人の予定を聞きながら設定しました(決めると早い、早すぎる)。次女の住むスイスは観光地でもあるので、行ってみたいと思っている所へ二人で行動したいと思って比較的長めに設定し、長女の住むドイツは生活密着型にして4日間ほど。それぞれの土地での言葉も何とかなりそう(謎の自信)なので、途中で単独行動になっても問題ないと判断しました。2週間も家を空けるのは初めて。3月末からドキドキしながらコツコツと準備を重ね、ご近所の方数名に家の見張りをお願いして、戸締りや安全確認を万全に旅立ちました。

滞在中から「来てよかった」と思う場面が多く、とても濃厚で重量感のある時間を過ごすことができました。
飛び立てなかった時期の自分を責めることはなく、大切で必要な時間だったと思っています。むしろその時間があったからこそ、今回の視察旅行が本当に様々なことを昇華させることができたように思えます。

これからしばらく旅の雑感を綴っていこうと思います。



2026/06/25
177「ポーギーとベス リサイタル2026」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

音の旅人ヴァイオリンリサイタル2026。プログラム小出し編。

最後はガーシュイン作曲『ポーギーとベス』。

この曲を選んだ理由はロリン・マゼールのCDの印象が強く影響しています。大好きなCDの一つです。なぜか今回はこの曲を入れたかったです。

マゼールは指揮者でしたがヴァイオリンもかなりの腕前でした。留学時代に参加したオーケストラアカデミーで、マゼールが指揮をする演奏会がありました。コンミスだったため、緊張して演奏会前に楽屋へあいさつに行くと、ヴァイオリンの練習中でした。楽しそうに練習しながら私に笑いかけて「このパッセージが難しい」と言いながら「本番は楽しんで弾くように」と言われました。必死に弾きましたが、楽しい演奏会でした。若者ばかりのオケだったので内情は精神的に疲弊することも多く、コミュニケーションを含めて難しく感じることもありましたが、終わってみれば良い経験でした。なにより、マゼールとの音楽を通しての楽しみがありました。こんなにも、指揮者によって音楽に広がりが出るのか!という驚きと共に、音楽の深さを実感したからです。まさに「本物にふれる」経験でした。

この演奏旅行後にマゼールはCDを出しました。その中の一番最初に収められていたのが『ポーギーとベス』でした。マゼールの美しい柔らかで上品な音色は、いま聴いてもうっとりします。

『ポーギーとベス』は5曲からなる組曲。オペラの中のアリアを抜粋して、ピアノとヴァイオリンにハイフェッツが編曲しました。そう、ハイフェッツなのでヴァイオリンはかなり難解です・・・ジャズの要素が強いけれど即興要素はなく、しっかりと弾きこまなければ音楽が逸脱していきます。若くして逝ってしまった才能豊かなガーシュインの曲は、オーケストラで何度も演奏したことがあります。陽気でちょっとアイロニックな音楽は、私の憧れです。

さて、私の奮闘ぶりを楽しみにしていただければと思います。



2026/06/24
175「グリーグのヴァイオリンソナタ第2番・リサイタル2026」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

今年のリサイタルでは、グリーグのヴァイオリンソナタ第2番をお披露目します。

第1番の若々しい猪突猛進なところも大好きなので候補には上がっていたのですが、第2番の2楽章に魅せられました。

譜読みから始めて全体の雰囲気をつかみ、細部の練習に移っていきますが、美しいメロディーラインに心が揺さぶられます。グリーグの曲は、ピアノコンチェルトが有名で、一度聞くと忘れられないような・・・インパクトが大きい気がします。ピアノがもっと弾けたらいいのに・・と残念に思うくらい中学生時代はよく聞きました。高校生になって弦楽合奏版の『ホルベアの時代』を弾いて「わぁ、楽しい」と感じたくらいで、ヴァイオリンソナタはあまり知らなかったです・・・

この10年くらいでグリーグのソナタが再燃してきて、たくさんのヴァイオリニストのコンサートで演奏されるようになってきたように感じます。第3番が人気とのことですが、グリーグの成熟した重量感のある音楽が最大限に活かされているからでしょう。ただ、2番の若々しい中にも陰影を意識した音作り。ヴァイオリンという楽器に表現させることの実験的な取り組みを感じることができます。


初めてお客様の前で演奏するのは緊張しますが、これからじっくりと熟成させながらグリーグの曲に込めた思いなどが伝わるようにしたいと思っています。お楽しみに!

 


2026/06/23
174「雨の歌によせて・リサイタル2026」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

今年のリサイタルは私の心の支えになっているブラームス作曲「雨の歌」を軸に考えています。
高校生の時に、周りの同級生たちに圧倒されて自分を見失ってしまったとき。ふと耳にしたこの曲の美しさに魅かれ、繰り返し聴いていました。心の中に染み込むような音。当時はレコードでした。何もしないでぼんやりと、その音を聞きながら小学生時代に住んでいたドイツに思いを馳せ、よし、大学卒業したら留学しようと心を新たにした大切な曲でもあります。人は人、自分は自分という考えが定着のもこの頃かもしれません。
この曲を弾く時は、いつも高校時代の苦しかった自分を思い出します。楽しかったけれど闇雲に頑張った時期でもあります。結果が出る時もあれば、全然見向きもされなかったこともある。自分を粘土のようにこねくり回して、たたきつけ、成形しながらまた壊す。その繰り返しでした。その後も、人生での一区切りがあると必ず演奏したくなります。出来上がったものを、少し壊す。微調整では効かなくなったものを、改めて見直す。
50代の今、シンプルな気持ちで向き合いたいと思っています。決して平たんな道ではなかった自分の人生を振り返り、先に続く道がどうなっていくのかを立ち止まってのぞき込むような・・・そんな気持ちが音に現れればよいなと思っています。
節目に弾いてきた曲だからこそ、その変化が感じられると思います。
自分の立ち位置を改めて確認するような、私の姿を聴いていただければと思います。

2026/06/22
173「音の旅人ヴァイオリンリサイタル2026」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

夏至を過ぎると気分的には夏へまっしぐら、といった気持ちになります。今年の夏も暑いのでしょうか。近年の夏の厳しさに恐れながら、今年もしっかりと身体を大切にしながら過ごしていきたいです。

私の場合は7月から12月まではマラソン選手のようにペース配分をしながら進んでいきます。これから12月のリサイタルに向けて本格始動をしなければなりません。プログラムについては、長いベートーヴェンプロジェクトを終えたので次のステージへと進みます。まずは「原点回帰」といった視点から、自分の音楽家としてのルーツを思い起こしながら構成しています。


「音楽家」ということを意識したのは小学校6年生頃だったでしょうか。「音高受験」という言葉を、師事していたヴァイオリンの先生から聞かされた時に、親子でスッと背筋が伸びました。音楽高校という未知の世界。先生から受験する権利があるよ、ということを聞くだけでも緊張しました。当時は支持する先生のGOサインがないと、音楽高校受験は難しかったからです。私は音楽の道に進むということがどんなことなのかまだ全然わかっていなかったので、本当に新鮮な気持ちでその言葉をかみしめました。ボンヤリしてふわふわした幼い思い出です。

その後無事に桐朋に合格してから、徐々に「音楽家」を意識していましたが、何しろ周りの友達が凄すぎて・・・落ち込むことも多々ありました。まぁ、自信を無くしましたね。それでも、友人は楽しくて素敵な人ばっかりだったので劣等感に悩むこともなく、浮き沈みの激しい学生時代を過ごしました。その頃になると、音楽家以外の人生は思い浮かべることができなくなって、とにかく楽器を一生弾いていくんだな・・・という覚悟が決まった感じです。


「ヴァイオリンを弾くことをあきらめない」というのが私の目標となり、道を照らすランプのような存在となりました。

弾けない時があってもいい。弾きたくない時があってもいい。それでも自ら手放すことのない存在。それが私にとってヴァイオリンです。

そんな思いを込めた原点回帰の「音の旅人ヴァイオリンリサイタル2026」。

楽しみにしていただけたらと思います。




2026/06/21
172「夏至」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

太陽が最も高い位置にあり、1年で一番昼が長い日。暦のうえでは夏のまんなかです。

 

ヨーロッパに住んでいるときは、この時期が一番気持ちよくて街ゆく人たちも夏のバカンスを前にウキウキした様子でした。学校なども州によってはお休みに入るところもあったり、劇場もシーズンの終わりが見えてきて、団員たちもバカンスの話で持ちきりでした。

楽団員の中に、バイロイト音楽祭の祝祭管弦楽団で演奏しているおじさんがいて、毎年「今年も行ってくるよ!」と嬉しそうに、早めにシーズンを終えて休みに入る人がいました。私の所属していたオーケストラは、ワーグナーの作品を数多く演奏していました。ワーグナーの作品は、全体を統括する指揮者の力量が大いに問われます。オケには古参の指揮者がいて、その方がワーグナーを振るときはとても安心感がありました。オーケストラに任せて自由に弾かせてくれるところと、歌い手と細やかにコンタクトを取らなければならない時には的確な合図を的確なタイミングで指示するなど。本当に素晴らしい指揮者でした。私にとっても貴重な経験で、ワーグナーのオペラをほぼ全部弾くことができたのは心の財産です。長時間の演目が多いので、演奏も大変でしたが「ニーベルングの指輪」を含めて素晴らしい作品に浸ることができました。

団員の中で定年間近のおじさんたちからは、彼らの若かりしときの話をたくさん聞きました。録音技術の黎明期のレコーディングの話や、伝説的な指揮者と一緒に演奏旅行をした話など。本番前に楽譜にかじりついて必死に練習している私に「ここはね、恋の歌を歌っているんだよ」と、歌い手と同じ表情になって私の緊張を緩めてくれたりしました。ワーグナーの作品は平均5時間前後。新演出のためのリハーサルがなければ、新人団員はすぐに本番です。「ひ~・・・」と心で叫びながら弾いていました。


バイロイト音楽祭は今年150周年という記念の年らしく、賑やかに開催されることでしょう!

ワーグナーのオペラ、また弾きたいなぁ。


2026/06/20
171「自分を癒す」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

なんとなく慌ただしい気分になる季節です。

1年も半分を過ぎようとしているのに、自分は何をしているのだろうか?と焦ったり、自己嫌悪に陥ったり。特に私は6月に気分が落ち込むことがあるので注意したい時期です。あ、来たな・・・と心の準備をするのも大切です。

こういうときこそ、深呼吸をしようと心がけています。ゆっくり大きく息を吸って、大切に吐き出す。時間をかけて細く小さく流れていく空気を感じると、ふんわりとした気持ちになります。


生きるって本当に大変なこと。

毎日を動かしていくのは自分に大きな負荷がかかっている。

時間は淡々と進まず、突発的に起こる様々な出来事に翻弄される。


それでも、私たちの世代には「経験」という大きな宝物があります。その宝を使いながら、自分の生きていく道を整えることは可能です。

疲れたなぁ、と思ったら、自分は何をすると心地よくなるのでしょうか?

辛いよ、と感じたら、何を食べたら元気になるのでしょうか?


小さなことで良いから、自分を手当てする方法を知っていたら、生きることはもっともっとラクになりますね。

土曜日は少し憂鬱な気分になる私も、今夜はちょっとだけ現実逃避をして優しい気持ちになりたいと思います。




2026/06/19
170「冷蔵庫を買い替える」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

 

冷えた白ワインを飲もうと冷蔵庫からボトルを取り出してグラスに注いで飲んだ時に、びっくりするほどぬるかった日がありました。

「え?」

と自分でも声を出してしまうほどの生ぬるさ。慌てて冷蔵庫を開けて手を入れてみたら、全然冷えている様子がない・・・一瞬でサササーッと血の気が引きました。「冷蔵庫、壊れたかも」

扉に隙間があったのか。温度が低くなっているのか。冷凍庫は冷えているか。

あらゆる可能性を考えながら辿り着いたのは「しばらく冷蔵庫を開けないで様子を見る」

その日の夕食は簡単なものにしようと思っていたので、冷蔵庫を開ける頻度も少なく、夜遅くまで様子を見ていました。夜中には、庫内が少し冷えてきた様子だったので安心しました。しかし、改めて購入年月日を確認すると19年前・・・ちょっとヤバいかも。

家電の寿命は10年から15年というイメージがあったので、まだ大丈夫かなと思っていたのですがさすがに19年はアブナイ気がしてきました。


翌日、悩んだ末に電化量販店へ様子を見に行くことにしました。出かける前にAIを駆使しながらおおざっぱなリサーチをして、今の生活形態と自分が欲しいと思っている機能だけを頭に入れてお店に行きました。平日の夕方のお店はとても空いていました。冷蔵庫売り場にはやはり数多くの選択肢がありひとつひとつを独りで吟味するのは難しそう。早々に手近にいた店員さんに助けを求めて説明を聞きながら、19年の歳月を改めて思いました。時代は進んでいる・・・。消費電力の違い、性能アップ。

それでも自分の価値感はしっかりと決まっていたので、即決で購入しました。予算・容量・あってほしい機能・納入日。

店員さんにも「欲しいものの基準がしっかりされていたので、お勧めする自分もやりやすかったです」と言っていただけました。

ライフオーガナイズのおかげです。


選ぶ基準がしっかりしていれば、ストレスが少なく、迷うこともなく、これからの人生も軽やかにいけそうです。

ええと・・・次に買い替えるとしたら・・・70歳くらいなのかしら・・・




2026/06/18
169「1週間の予定」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

私の1週間は3つに分解されます。土曜日と日曜日。月曜日から水曜日。木曜日から金曜日は調整日。

① 土曜日と日曜日は休むことが目的

今年は休みよりも作業や仕事に集中することを目標にしていますが、やはり土日は少しペースを落としたいと思っています。気になることをじっくりとリサーチしたり、時間を区切らずに一つの事に集中して作業をしてみたり。

② 月曜日から水曜日

元気に仕事をする日。とにかく進めなければならないことや勉強のルーティンを作りたい場合に気合を入れる日々。予定はなるべくこのあたりに集中させます。オンラインの講座受講などの予定もこのあたりに入れています

③ 木曜日と金曜日

調整日。木曜日は特に調整する日になります。フレキシブルに動いてみたり、家に籠って作業に集中する日にしてみたり。余白のある曜日です。金曜日も基本的に自由に動きますが、外出をしてもなるべく早く帰宅するようにしています。週末気分で過ごしたいから・・という自分のわがままを満たすためです。

もちろん、これが厳密に遂行されるわけではありません。でも、何となく自分の動きにリズムを作るために設定していると、大きな浮き沈みがなくニュートラルな自分でいることができるような気がします。

みなさんは1週間の大きな流れを意識して過ごしていますか?

 


2026/06/17
168「胃腸の話」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

梅雨の時期は胃腸の具合がイマイチになります。

私は消化器系が弱いので、ストレスが多かったり、心身のバランスを崩すと胃腸の調子が一気に悪くなります。3月に体調を崩したことをきっかけに、食生活の見直しをしています。なるべく制限を少なくして、最低限これだけは守ろうと思っていることを書いてみます。

 

① あれ?という違和感

違和感を大事にしています。いつもと違う。なんとなくお腹が騒がしい。自分にしかわからない感覚ってありますよね。その感覚ってとても重要だと思っています。自分のことは自分にしかわからないもの。日頃から、自分の気持ちや感覚、バイオリズムを気にかけていると、いざっとなったときに慌てなくて済みます。そして体調の場合はそれ以上悪い方向にならない心構えができます。

違和感を感じたら、寝不足は大丈夫かな。食べているモノは身体に優しいものかな。口さみしいと思って余計なものを食べていないか。と感覚が研ぎ澄ませていきます。


② 早食いをしない

家族が少なくなると、何に一番変化を感じるかと言えば【食事】

いつも様々な話題が飛び交って楽しかった食卓は、今、閑散としています。

一人の食事は、ついついYouTube動画をみたり、早く食べ終えて本を読む時間に充てたり、と食事を疎かにしています。そのため「あれ?私今何食べてた?」「食事時間が10分もなかった・・・」と、「気がついたら食べ終わっていた」と言う感覚です。無意識に食事をして後悔。満足度の低い食事は、生きることを疎かにしている。そのことに気づいてから、少しゆっくりの動作で、敢えて丁寧に食事することを意識しています。


③ 疲れているときに無理をして食べない

疲れて帰宅して、口さみしくてついついジャンクなものを食べてしまう時があります。そうすると翌日は確実に体調がイマイチになります。年を重ねると消化器官も元気ではなくなるようです。帰宅が遅いとわかっているときは、あらかじめスープなどを作り置きしておきます。キャベツをクタクタにしたスープ。味付けも少し薄めにして、食べるときに加えることのできるように。温かいスープは暑い夏でもホッとします。そして究極は、疲れているときは無理して食べない。疲労しているときは消化器官も働く元気がなくなっています。だから思い切って全部休む!

お腹がすいたら冷凍ご飯をおかゆにして食べるのも私には良い方法です。

 

元気なことが一番ですが、そうもいかない時もある。

そんなときに、自分には何が必要なのか、何を選ぶべきかを考えることは、よりよい毎日を過ごしていくうえで大切なことだ思っています。

 


2026/06/16
167「ビールが飲めない!」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

 

我が家はほどほどにみんなお酒が好きです。

「お酒が飲めないのは人生の半分くらい楽しみを知らないようなもの!」と言っていたくらいなので、娘たちが一緒に飲めるようになった時はとても嬉しかったです。

夫は何でも良く飲みましたが、年齢を重ねて焼酎が好きになったようです。お酒にはかなり強かったのですが、疲れているときは酔いもはやかったです。私もお酒は好きですが、それほど量を飲めるわけではなく、近頃はワイングラス1杯から2杯。日本酒は1合ほどが適量です。長女はウイスキーなどをロックでずっと飲んでいます。次女は自分の好きなスタイルを模索中らしく、私には飲んだこともない「どぶろく」を買ってきたこともありました。

夏になると「とりあえずビール!」の美味しい季節なのですが、私はそのビールが飲めなくなりつつあります・・・食事の前に飲んでしまうとお腹がいっぱいになって、美味しいお料理が堪能できなくなってしまうのです。そして、お酒に弱くなってきたようです。ドイツにいたころは、友人と造りビール屋で生ビールを堪能したり、自宅でもビール・ワイン・ウイスキーのフルコース状態が当たり前だったのですが・・・すっかり影を潜めました。(健康的になったということか?)

「あ~ビール美味しい!」という気分にもなりたいけれど、お食事もしっかり食べたい・・・外食時の楽しみは生ビールなので苦肉の策で生ビールを小グラスで飲むことにしました。

その他、ちょっと気取った気分の時はスパークリングワインに。これもガス入りなのでお腹がふくらみますが、ビールほどガブガブ飲まない(飲めない)ので酔いもほどほどです。

日本食がメインの時は、日本酒をチョイスしてはじめからお食事を堪能します。

 

お酒の飲み方も色々。

シチュエーションやお料理に合わせてたのしむことができたら、生活も彩豊かになりますね。




2026/06/15
166「スケジュール帳いろいろ」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

今年も半分を過ぎようとしています。


ところで、皆さんのスケジュール帳は日曜日から始まりますか?

それとも月曜日から始まりますか?

私は長年、日曜始まりのマンスリースケジュール帳を愛用していました。娘たちが学校に行っているときは特に、ウィークリーだけを見ているとスパンが短すぎて1か月全体の把握が難しく、自分の予定を組むにもマンスリーの方がわかりやすかったからです。本当はマンスリーで全体の予定を把握して、バーチカルで毎日をタスクや細かい時間設定をしたかったのですが、日曜日始まりが存在せず・・・。仕方がないので付箋を利用してなんとかマンスリーに収めていました。その後は荷物を軽くするためにマンスリースケジュール帳へ移行しました。できるだけ薄くてメモの少ないものを利用していました。

本当に激務だった時(父の介護・娘たちの活動が活発だったとき・相続関係)は、マンスリーだけでは全然足りないので無印のリングノート(無地)を愛用していました。とにかくメモ。忘れないように書く。自分のアタマの中を整理する。書きなぐっていたようなノートでした。

そして、一段落してから自分のビジネスを構築していこうと思ったときに、月曜始まりのマンスリーに変えてみようと今年から使い始めていました。一般的には月曜日が1週間の始まりで、月曜はじまりのスケジュール帳が主流なので、どのノートを使っても整合性があるのが利点でした。ちょっと見た目が変わるので、水曜日と木曜日が混乱することがあるのが気になっていました。それでも「そのうち慣れるはず」と思っていました。

4月になって予定が立て込んできたときに、その気になっていた部分が際立ってきました。どうしても、水曜日と木曜日の判別に時間がかかってしまい、予定の確認がいつも以上に神経質になってきたのです。些細なズレ・・・。これを放置してはいけない・・・と思いつつ買いなおすことに大いに抵抗がありました。だって1年も半分近く進んでいるのですから。

しかしある時「もうだめだ・・・」と文房具店に駆け込んで、日曜始まりを買いました・・・

視覚の違和感がストレスになるのは、私の特性でもあります。「大体このあたり」という感覚でモノを探していることがよくあります。特に視覚に関してはその傾向が顕著でした。

ちょうど4月はじまりの手帳が発売された頃だったので、種類も豊富で小躍りしながらお会計へ向かいました。これで安心してスケジュールを組むことができます。

今回はサイズもB6タイプからA5タイプへサイズアップ。サイズアップに関しては、これから使い心地を確かめていきたいと思っています。(今のところ快適)


1年の半分になろうかという時にスケジュール帳の買い直しは、正直にいえば「無駄・愚の骨頂」です。でも、違和感をそのままに放置してズレが大きくなっていくのは危険なことでもあります。私にとって感覚は大切なことであり「ライフオーガナイズ」にも通じるところでもあります。自分の価値感を再確認することはとても重要なことです。

小さな違和感は大きな失敗につながるので、これから後半に向けてしっかりと生活できるように整えていきたいと思います。




2026/06/14
165「ウジューヌ・ブーダン展」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

先月、SOMPO美術館で開催されている『ウジューヌ・ブーダン展』を観てきました。

ブーダンはフランスの画家。19世紀の印象派の先駆けた画家で、クロード・モネの師ともいわれています。モネを戸外へ誘い、自然の息吹を感じるように勧めたのはブーダン。そしてモネは以後、自然の織り成す光や影をキャンバスに描き続けました。

ブーダン自身はノルマンディー地方で育ち、身近に海がありました。当時の画家は、戸外の景色を描く時にスケッチのみで、色彩をのせるのはアトリエでという作業だったらしいです。それゆえ、色のバリエーションはそう多くなくて固定的なものだったとのこと。オランダの画家ヨンキントの助言から、戸外で描くことを進められて、ブーダンは海辺へと出かけるようになりました。移り変わる光や風を感じながら、その瞬間をとらえてキャンバスに写し取っていく。彼の絵には、その一瞬しか見えない光が描かれていて、どうかすれば仕上げることのなかった絵がたくさんあります。放牧された牛の草をはむ姿、筋肉の動き、日の光、空の色・・・その一瞬だけを描きとった1枚の絵は、絵画としては未完成だけれど、見る者にはその一瞬の全てが見えるので完成品ともいえる。不思議な感覚でした。


今回の作品展は豊富で見ごたえたっぷりでした。私にとってノルマンディー地方は思い出のたくさんある場所。ディエップ、ル・アーヴル、オンフルール、トーヴィルなどは夫と一緒にドライブをした楽しい思い出があります。ずっと南下していくと私たちの大好きだったモン・サン・ミシェルまで辿り着きます。北海の海の色やほのかな光。海岸線に浮かぶいくつもの墓標と牧草地。色々な思いが交錯しながら懐かしい思いも込めてじっくりと鑑賞しました。


絵画展は私にとって五感を呼び覚ます、とっておきの大切な栄養素ともいえます。

美術館の規模も含めてSOMPO美術館は私のお気に入りです。

 



2026/06/13
164「サクランボ」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

「佐藤錦」というサクランボをいただいたことがあります。

ツヤツヤで実が大きく、果実の味が濃厚でとても美味しかった記憶があります。恭しくガラスの器に盛られたサクランボを、周りを見渡しながら、数を数えながら食べました。「ひと籠全部食べたい・・」という欲求に駆られながら、ひと粒口に含んでゆっくり味わいました。


サクランボはこの季節が旬です。

調べてみると、果物には珍しく身体を温める性質があるとのことです。食欲不振や胃の不調に良い果物だそうです。体の中に溜まった湿気を取り除いてくれて、お腹の張りをなくしてくれる心強い果物です。旬のものは、その季節の不調を取り除いてくれたり、活力を与えてくれる自然の恵みなんですね。


私の性格としては、サクランボは実が小さすぎてガツガツ食べられないところがちょっと不満。そして高価な果物は遠慮して、満足するまで食べられないので性に合わない・・・と思っています。


2026/06/12
163「庭を眺めながら」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

去年の6月に、庭のリフォームをして芝生を撤去しました。

雑草を引き抜く作業が大変でしたし、夏の間は危険な暑さで庭に出て作業をすることもできず途方に暮れることが多くなってきたからです。一時期ご近所さんに草刈りをお願いしたこともあったのですが、私よりもだいぶ年上の方にお願いするのも気が引けました。そこで思い切って庭のイメージを一新することにしました。

芝生の庭は、我が家にとってたくさんの思い出がありました。娘たちが小さい頃は、おままごとの場所。お友だち家族との交流は、いつも庭で遊ぶことでした。バーベキューをしたり、鬼ごっこをしたり、遊びの宝庫でした。子どもたちも家の中の遊びに飽きたら庭へ出て、夏はビニールプールに花火、冬は寒い中でもおままごとなど、季節を問わずに楽しむことができました。


思えば実家の庭にも芝生があって、私にとってたくさんの思い出がありました。お友だちとの遊び場はいつも我が家の庭。走り回ったり寝転がったり、芝は万年剥げてしまっていつも茶色でした。テニスラケットを振り回したり、縄跳びをしたり、私の遊びの基本は我が家の庭でした。庭の中央にあった小高くなった小さな山は、歌番組の舞台になったり雪の季節の山小屋になったり、想像力で七変化でした。雨の日は、家の中から庭のくぼみに降りしきる雨粒を飽きることなくじっとみていました。

そのうち父のゴルフ練習場所となり、誰も庭に出なくなるとモグラが住み始めたようです・・・後年、父が困って「モグラ退治」の薬品を買っていました。

芝生の感触は今でも覚えていて、季節ごとの芝生の表情も思い浮かべることができます。


庭の芝生を撤去するにあたって、ご近所さんからは「もったいない」とさんざん言われたのですが、芝生をきれいに維持するのは案外手間がかかることと、誰も遊ばない芝生の庭は寂しいと感じたからです。それよりも、少しモダンな雰囲気でこれからの我が家のスタイルを表現したいと思いました。

変化していく庭の情景。


ずっと変わらないものはないんだなぁ・・・と少しセンチメンタルに眺める今の庭の風景は、今の自分にぴったりです。





2026/06/11
162「蛍」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

ボンヤリと暦を見ていたら、今日は七十二候の「腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)」という何とも難しい文字の並ぶ頃らしいです。昔の人は、腐った枯草が蛍になったと思っていた様子です。草場にふわりふわりと舞う蛍は、梅雨の初めに羽化します。そう、蛍が舞い始める頃なんですね。


私の実家の近くには里山があって、蛍を見ることができました。幼い頃、蛍が見れることはそう特別なこととは思わずに過ごしていました。後年、父が独居している頃「孫に蛍を見せたい」と言われたのですが、私は6月が蛍鑑賞の時期と知らず「夏になったらね」とトンチンカンなことを言って、見逃してしまいました。残念なことをしました。

実家には蛍についての絵本がありました。あまり良く覚えていないのですが、蛍の一生を描いた絵本だったと思います。蛍は羽化して1~2週間で寿命を終えるので、その短い時間のことを綴った物語だったと思います。悲しい絵本はあまり好きではなかったので、その絵本の表紙を見るだけ、またはパラパラとめくるだけでした。そのときの絵柄が夏の様子にみえたので「蛍は夏に見るもの」という固定観念が植え付けられてしまったのかもしれません。


蛍には「人の魂が蛍になって現れる」という伝承が伝えられています。古くは和泉式部も詠ったとか。

小さな光を伴って、ふわり、ふわり、とあちらこちらに舞う蛍。

あの里山で、まだ見ることができるのでしょうか?



2026/06/10
161「梅雨は本と共に」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

梅雨らしいお天気ですね。

先日ようやく読み終えた本のことを少しだけ。


『「世界を動かす宗教」講義』(池内恵 編著)

1か月くらい持ち歩きながら読んだ。なかなか進まなかったのは、自分の身辺が忙しかったからという理由もあるが、世界の動きを頭に入れながら歴史を追いながら読むのは私には難しかった。そもそも自分の基礎知識に偏りがあるからだと実感。まだまだ勉強することはたくさんあるな、と痛感。


政治に密接している宗教。私たち日本人には難しい問題だと感じてしまう。

個人的にはイスラムのジェンダー論がとても興味深かった。イスラムの女性は制限が多すぎるのではないか、という一般的な見方は正解ではない。その社会で生きている女性たちは、自分たちがより良い生活ができるようにとしっかりと主張しているのだ。声高に発信するのではなく、より深いところでたくましく、したたかに生きていることを感じる。自分の生き方に軸があるのだと思う。


日本の宗教は曖昧だと言われる。そのあいまいさが自由に感じられるし、束縛にもなり、逃げられる余白にもつながっている。言葉にしなくとも・・・という感情・感覚の美しさを磨いてきた私たち日本人も、時代の流れに沿って緩やかに変化の途中なのかもしれない。すべてを言語化することは難しいとしても、言葉にするからこそ理解しあえることも学んでいかなければならないのだと思う。


読みながら、歴史のことを考えたり、いまの社会を改めて見つめてみたり、自分のいる日本とヨーロッパに住んでいる娘たちのことを考えたり・・・
内容が世界の宗教について網羅してあったのは私にとって良かったかもしれない。対談あり、文献あり、切り口が様々にあることが面白かった。ただ、こういった変化の途中のものは、なるべく早く読まないと情報が古くなることも心に留めておかなければならない。現状はまた変化している可能性が高い。
本の読み方も色々あるということを実感する1冊だった。



2026/06/09
160「サックスコンサート」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

サックスのコンサートを聴きに行った。

word,without words/yoshida mitsunori

(saxophone/flute YOSHIDA Mitsunori ・ Pianoforte TAKADA Yukie)


土曜日の夜8時開演で1時間のプログラム。

1日の予定をこなしてから準備をして、のんびりと出かけて1時間という時間を楽しく過ごしてサッと帰宅する。なんとも軽やかで負担の少ないおでかけ。その日は朝からガッツリ掃除をして、様々な手続き系を神経すり減らしてから、少し重めの昼食を食べて作業。一段落したところで準備をしてからコンサートへ向かうという段取り。帰宅してから軽食を食べて寝るだけ。本当に素敵な時間の過ごし方ができた。


サックスという楽器を良く知らない私には、良い意味で無責任に楽しんで聴けるところが嬉しい。どんなに難しいテクニックかも知らないし、管楽器の表現方法は弦楽器とちょっと違う感じでサックスの音をなぞるのも物珍しい。

夫が「老後の楽しみにサックスを習ってみたいなぁ」と言っていたので「あら、吉田さんに習えばいいわね」と言っていたことをいつも思い出す。

夫が住んでいたドイツのマンションは1階に歯科医が住んでいて、夜になると照明を暗くしてサックスの練習をしている姿が見えた。ちょっと気晴らしに吹いているといった風情で机に寄りかかって低い音でバラードを吹いていた。二人で「かっこいいねぇ・・・」とそっと覗いた小さな思い出。


今回は荒井由実のセカンドアルバムをサックスで表現していくという企画。

歌詞がなくメロディーだけだけれど、不思議としっかり歌詞が聞こえてくる。それは吉田さんの楽器に吹き込む息がちゃんと歌詞をなぞっているからなのかなとも思う。ため息のようにうたう、熱量高めにうたう、色とりどりの音がそれぞれの曲に表れてくる。

吉田さんとは聖路加国際病院でのボランティア演奏で知り合った。控え目で優しい音を出す人で、私は特にこの「word,without word」のシリーズがとても好き。多彩な人なので他の演奏も魅力的なのだが、このシリーズは聞き逃さないようにしたいと次回も期待している。



2026/06/08
159「日本対がん協会のイベントへ」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

 

【日本対がん協会】

私は母を肺がんで亡くしました。私の支えになってくれていた大親友のママ友も、がんで亡くなりました。いずれも告知されてから半年以内という短い闘病生活でした。今の時代、2人に1人はがんになると言われています。あなたの隣に座っている人は、がん患者さんかもしれません。

 

日本対がん協会は、①がんの予防・検診の推進②患者さまやご家族の支援③正しい知識の啓発運動を活動の軸として1958年に創設されました。

 

私が協会の事を知ったのは、母ががんの告知を受けた時でした。なんとなく新聞広告(朝日新聞)を見ていたら、がんに関する講演会があることを知って聞きに行ったことが初めてでした。何も知識がないことが不安だったからです。何をどうしたら良いのか?心理的な安心感が欲しかったのだと思います。正直に言えば、その時の講演会の内容はあまり覚えていませんが、学術的な内容とケアの話などを、静かに、感情を高ぶらせることなく、良い意味で淡々と講義を受けた印象でした。心の底が動揺している自分を落ち着かせてもらったような気持ちになりました。そこでいただいたパンフレットの協会の活動内容にも共感して注視するようになりました。その後、母を亡くした後は少額ですがリサイタルから寄付するような形にしています。がんに対する心構えや支援のしかた、当事者や家族がどんな思いで過ごすのか・・・少しでも寄付という形で支援を続けて、活動を自分事として応援したいと思いました。父が定年までの10年間くらいを、医療関係の団体に所属していたこともあり、そういった内容に関して抵抗なく情報を取り入れることができたのかもしれません。がん告知の後にセカンドオピニオンを取り入れたこと、母の最期をホスピスで過ごせるように父と話し合ったこと、最後まであきらめずに免疫療法をしたりと物理的な支援に力を注ぎました。でも、母は本当は心理的に寄り添ってもらいたかったのだと思います。自分の母親の写真に向かって「お母さん、苦しい、助けて」とつぶやいている姿が私にはとてもショックでした。死について怖かったことも一因でした。今は違います。その時どうすればよかったのかもう少し考えることができます。人はいつか死に直面するけれど、その経緯は人それぞれだということをその後の人生28年かけて痛感しているので、様々な思いを込めて寄付という行為が自分の支えになっているように思えます。

 

 

さて、その日本対がん協会の主宰する『ジャパン・キャンサー・サバイバーズ デイ2026』に参加してきました。(6月7日)。恥ずかしながら寄付はしていても、こういったイベントに参加するのは初めてでドキドキしてしまいました。当日はがん患者さんやご家族、医療関係者が多数参加されるということで、部外者では?と思いつつ一人もひとりでいってきました

講演2つとトークセッション。合間にストレッチの時間。それ以外にはたくさんのブースを見学することができました。がんを抱えながら生活する人を支援する団体・緩和ケア・お化粧・ウィッグなどの紹介から、がん研究についてなどの他、相談の声などの展示もありました。


今回注目したのは、がんの告知をされた方、治療経験者のトークセッションで、どんな情報よりも貴重な言葉たちでした。特に今回は「おひとりさま」のがん告知・治療・退院後の生活などで困ったことなどのお話を伺うことができました。他人ごとではない内容で、改めて自分のことを見直すきっかけにもなりました。何を自分で行い、何を支援してもらうのか。慌てないため、そして自分自身をしっかり自分で守れるようにしていくにはどうしたらよいのか。お話を伺いながら、頭の中で自分をあてはめながら・・と思考がフル稼働の時間でした。「おひとりさま」は孤独ではない。自分から遠ざかってはいけないということ。「おひとりさま」だからといって遠慮することはないということ。

でもね。助けを求める人も選択しないと、無意識に傷つけてくる人もいるので、その見極めも難しいことだよなぁ、とも思いました。先の先を読みすぎて疲弊する自分に嫌気がさしますが、世の中ってそういうことでもあると思っています。

トークセッションに出演していらした方たちは、今なお治療中とのことでした。ユーモアも交えながらお話しする姿の内側に、きっと見えない傷をたくさん抱えていらっしゃるのだろうなぁ、とも思いました。

ソーシャルワーカーの方のお話も印象的で、「当たり前に家族がいることを想定してはいけない。すでに日本社会には単身生活者が全世帯数の30%以上を占めている。様々な事情で単身生活を送っている現状を制度が阻害している」といった投げかけから、私たちができることは違和感を伝えつづけることなのかも、とも思いました。制度を変えることって大変ですが、小さな声を集めて大きくしていくことが大切なことだと思います。

 

 

当日のブースの中に、POLAが提供しているハンドマッサージを体験しました。久しぶりに他人から施術されることの心地よさに浸り、良い時間を過ごすとができました。



2026/06/07
158「時間を味方につけるとラクになる」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

【時間のオーガナイズ講座】

オンラインまたは対面で「時間のオーガナイズ講座」を開講しています。

この講座は、「時短」「効率化」「ノウハウ」というより、「自分の大切にしていることは何?」という根本の部分から「時間」を考えていくステップを踏みながら学んでいただきます。

 

  • 自分の好きなことってなんだろう:見えていない自分自身の心とじっくり向き合っていきます。

  • 今の自分はどんな時間の使い方なのかな?:実際に自分の行動をすべて洗い出してみます。そこから見えてくる自分自身の姿をしっかり認識。

 

 

 

  • 自分に最適な時間の使い方を選び取る:自分の得意なことや不得手なことを踏まえて、自分にとって最適な時間の使い方を知る

 

 

 

講座を聴いて「へ~そうか~」で終わるのではなく、しっかりとご自分の生活の中にノウハウを落とし込んでいただくまでサポートしています。

近頃はオンライン講座を受講される方も多くなり、情報が有象無象に流れ込んできます。

聴いただけで満足してしまって、すぐに忘れてしまいます。
そして不安になってまた新しい講座を受講する・・・
もったいないですよね。

目の前に現れる新しいものに飛びついてしまって、しっかりと講座内容を咀嚼する力が薄れているような気もします。

せっかく講座を受講していただくのであれば、その内容をしっかりと身に着けていただきたいと思っています。

講座を受講した方には1週間の無料サポートをいたします。
私自身も講座の内容に、いつも新しい気付きがあります。そのため、ついつい熱弁していることも・・・

ちょっと暑苦しい講座になりますが、ご自分を変化させてみませんか?


*受講希望の方はお問い合わせから


2026/06/06
157「二十四節気・芒種」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

【芒種】ぼうしゅ

稲などの種をまくころ。そろそろ梅雨がはじまります。

 

以前のようなしとしと降り続く「梅雨」ではなく、ザッと短時間に滝のように降る「ゲリラ豪雨」が多くなりました。出かける時には晴れていても、いつ急転するかわからないお天気。カバンの中に傘を常備しないと不安ですね。


私は梅雨時期に足首を骨折するケガをしたことがあります。子育て真っ最中の時でした。次女を一時預かり所に送り届けるために慌てていたということもあるのですが、自宅前の道路へ一歩踏み出す際の段差、縁石が雨でぬれていて滑って転んでしまったのです。全体重が自分の足に乗って(!)骨折しました。原因は靴。底の減ったローファーが原因でした。痛い足をかばいながら次女を送り届け、整形外科に駆け込んでレントゲンを撮りました。先生が「あ~残念だね、折れちゃってるよ」という言葉に呆然として「今は腫れているからギプスができない。腫れがひくまで多分1週間かな。それまで一応固定しておくけれど、気をつけてね」と言われてもピンと来なくて、帰宅してタクシーでリハーサル会場に行きました。「塚本さん、顔色悪すぎ」と言われてすぐに家に帰されました。その後は各所にご迷惑を掛けながら、リハーサルや本番をこなしました。今考えると怖い…。その時は必死だったんですけれどね。整形外科の先生が「リハビリに通った方がいいけれど、子どもが小さいと無理でしょ。何か不具合があったらすぐに見てあげるから。」と言われてホッとしたことを覚えています。無我夢中の子育て期に、そういう言葉をかけてもらって安心しました。自分の感覚を信じて動いても大丈夫だよ、と言われたような気がしたからです。

以来、雨の日の靴には神経質になっていますが、それでも思わぬ時に滑って焦ることもあります。

スーパーやレストランの床にはご注意!

慌てずゆっくりとした行動を心がけたいものです。

 


2026/06/05
156「テラス席」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

ドイツに住んでいた時には、狭いアパート暮らしだったのでテラスに出て食事をすることができませんでした。特に初めの部屋は中庭に面していて、部屋の中が暗くて窓も小さく、洞穴のような雰囲気でした。引き籠って集中するには良い環境だったかもしれません。2件目はキッチンから掃き出しの窓があり小さなテラスがついていましたが、ダイニングに座って窓を開けるだけでテラスの雰囲気があったので満足でした。地域的に少し不安定なところだったので、あまり目立つことはしませんでした。周りの人たちもそういった余裕がないようでした。住む場所によって環境は変わります。


この時期になるとドイツ人は外に出ることを楽しみにしています。レストランやカフェは、天気が良ければテラス席はいつもたくさんの人でにぎわっています。店に入れば当然のようにテラス席に案内されます。ずっと気になっていたお店だけれど、どんなメニューがあるのか気になっていた場合は、テラス席に座る人たちにお料理をこっそりのぞいてジャッジすることもできます。「ふむふむ、なかなかボリュームが多そう」「お、サラダが彩りよくておいしそう」など、実際のお料理が見られるのは助かります。

友達の自宅へ招かれても、お天気が良ければ庭での食事。簡単な食事でも外の空気でよりおいしく感じられます。ヴァイオリンの師匠の家は、都市部から少し離れた小さな村にあって、自分たちでリフォームしながら建てた家でした。中庭の緑が美しくて、いつもお茶を飲んだり食事をする場所は庭でした。

そんな雰囲気を日本でも味わいたくて、我が家の庭はテーブルと椅子が設置してあります。去年のエクステリアリフォームの時も、条件の中に「外で食事ができるスペースの確保」というのは必須でした。見た目、デザイン、管理のしやすさは考えなければなりませんね。

暑すぎる夏の間はなかなか利用できませんが、そのほかの季節はなるべく外に出ます。

寒い冬に防寒をして温かい飲み物を飲むのも一興です。

今の時期は虫(蚊)の対策はしなければなりませんが・・・それでも外の空気は気持ちが良いものです。


ちょっと気分を変えて、外に出て珈琲を飲んでみませんか?



2026/06/04
155「英語の勉強はいつまでも続く」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

コツコツと続けている英語の勉強。

私にとって外国語を話すということは、「理解してもらいたい」「この話を聞いてもらいたい」ということを、そのまま伝えるというスタイルなので、熱量だけが先行してしまいます。頭で考えていることを、そのまま言葉にする・身振り手振りが大きくなる・早口・・・。あまり上品とは言えない自分の姿に幻滅するときが多々あります。いつのころからか、もう少しマトモで規則に沿った、落ち着いてきれいな話し方がしたい、という欲望をもって英会話を習いに行くようになりました。

始めは毎回ヘトヘトになるまでしゃべり続けました。

日本語ではない言語で話せることの効用が大きかったです。日本語だとどうしても、言葉のニュアンスや理解、お互いの言葉の使い方に違いが大きくて迷うことが多く、とても疲れます。「私はこういう意味で言ったけれど、相手には違う解釈をされてしまった」「あの人の言いたいことはコレなのかどうかわからない」細かく考えていくと、話すことが億劫になってしまうことがありました。

でも、英語は選択肢が少ないので、ストレートに表現すればよいのでとてもラクです。言いたいことを表す言葉を知らずとも、他の言葉で補うクセは海外生活をしたことのある人なら経験があるでしょう。その切り替えの早さもあって、先生が私の言葉を訂正する時間がないことが多々ありました。


それだと、あとが続きません。

いつまでたっても中途半端。


そこで初心に戻って文法を学びなおすことにしました。私の場合は集中力がないので難しい参考書は途中で挫折するのは目に見えています。優しい文法書を探してきてその日から勉強しました。といっても、ほぼ丸暗記するのみ。でも・・・暗記する能力が減っていてなかなか覚えられないのが現状です。一進一退。それが50代の勉強です。


それでも、他国を知るにはその国の言語を話せることが重要・・・

グルグルしながら、ああでもない、こうでもない、また覚えられない~と、自分に憤りながらも楽しく勉強しています。

別に生活に困るわけではないので・・・

先生には「毎日ちょっとでも英語に触れることです」と言われて、毎朝頑張っています。

 


2026/06/03
154「誕生日」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

激しい雨から始まった1日。今日は出かける用事がなかったのでおとなしくずっと雨を見ていました。雨の降り方にもさまざまな種類があって、飽きることなく午前中が過ぎていきました。ざんざか、ざーざー、しとしと、ぽつぽつ、さわさわ、

降るリズムも七変化。自然の流れを感じるのは良い時間になりました。

 

昨夜遅くに次女から弾んだ声で連絡がありました。

「特別レッスンを受けることができて、先生にとても褒めてもらえて気分が良かったの!」。その声を聴くだけでこちらも嬉しかったけれど、日付が変わったときに「お誕生日おめでとう」と言われたこともさらに嬉しかったです。

今朝は早朝に、長女と連絡を取る用事があったので、大雨の音を聞きながら身支度をしていたら「遅れてごめんね!」という元気な声と共に「お誕生日おめでとう!!・・・ねぇねぇ、母はいくつになったの?」と聞かれて「2028年には還暦よ」と答えてお互い大笑い。長女も電話の直前まで動き出したプロジェクトの対応で忙しかった様子。

二人ともたくましく、しなやかに外国での生活をこなしていることに安心します。私たちの子育ては、今のところ◎なのではないかと思います。

迷ったり、失敗したり、悩んだりすることがあっても、ちゃんと自分の力で答えを見つけて、その答えを正解にすることができて、自分自身を蔑ろにしないことができるようになったってすごいことだと思う。もちろん、本人の努力が90%だけどね。

 

 

 

 

自分が生まれようと思った日。

自分に乾杯。


2026/06/02
153「サングラス」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

今日は気温が高く暑い一日になりました。

紫外線の強さが目に刺さるような感じがして、近頃はサングラスが手放せなくなりました。数年前まではサングラスをすることに、少し抵抗がありました。不審者?カッコつけてる風?目が悪い?

まぶしいなぁ、と思いつつそのままで過ごしていました。

友人がカッコよくサングラスをしている姿に憧れながら、また、娘たちがそれぞれのスタイルに合わせてサングラスを使いこなしている姿を羨ましく思っていました。


それが・・・今年になって出かけるときはサングラスが必須になりました。


原因の一つとしては「まぶしすぎる」

陽の光の強さが増したと感じるのは、年齢のせいなのか?自然界の変化なのか?または、歩いている時間が以前より増したからなのか?とにかくまぶしくてサングラスがないと目がショボショボすることが多くなりました。

あとは「人の目を気にしなくなったこと」

以前は近所の人や知り合いに会うのが億劫だったり、面倒だったりしたのですが、今年になって全く気にならなくなりました。自分の中で、何か吹っ切れたモノがあったのかなかったのか・・・。どうでもいいや・・・という投げやりな気持ちも無きにしも非ず。


良い意味での「leave me alone」


ようやくこの言葉がつかえるようになった気がします。


AIに作ってもらった「ミラノマダム風・塚本香央里」
とても気に入っています。


2026/06/01
152「6月の思い出」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

6月になりました。

ドイツに住んでいたころは、この時期がとても好きでした。

お天気が安定して晴天の日が多く、黒い鳥(アムゼル)の鳴き声が朝から夕方まで美しく響き、日中はカフェやレストランのテラス席がにぎやかで、ちょっと強面のドイツ人たちもニコニコと歩いていました。デュッセルドルフの川沿いの遊歩道を、友達と一緒にひたすら歩いてしゃべりまくった日々が懐かしいです。日本人の友人もいたし、ドイツ人の友人もいました。違う国の出身者もいました。お互い音楽の道をどう進んでいこうか、どんな生活をしたいのか、これからどんな曲を勉強したいか・・・各地・各国で音楽の道を目指している友人たちとの会話は、とても貴重な時間でした。

外国人、という立場を様々な場面で経験しました。良いことよりも悪いことの方が多く、悔しい思いをしたり、みじめな思いをすることもありました。そんな時に、きちんと自分の権利を主張する強さも学びました。「ちょっと頑張る時期」って必要です。その当時私は20代。頑張る時期は、思っている以上の力を発揮できたり、限界突破することもできます。その中から「良い塩梅」を見つけ出して土台を作っていくのだと思います。

その土台がしっかりと自分の軸となり、また新たに積み重ねていくことのできる余裕につながっているのだと思います。


同じようなことを、今、娘たちが経験しています。
時代は巡るけれど、経験することはそんなに大きく違わないのだな、と思います。
もちろん、状況が違うので細かい部分の差はありますが
コアな部分の軸は変わらないことをしみじみと思いました。