夏至を過ぎると気分的には夏へまっしぐら、といった気持ちになります。今年の夏も暑いのでしょうか。近年の夏の厳しさに恐れながら、今年もしっかりと身体を大切にしながら過ごしていきたいです。
私の場合は7月から12月まではマラソン選手のようにペース配分をしながら進んでいきます。これから12月のリサイタルに向けて本格始動をしなければなりません。プログラムについては、長いベートーヴェンプロジェクトを終えたので次のステージへと進みます。まずは「原点回帰」といった視点から、自分の音楽家としてのルーツを思い起こしながら構成しています。
「音楽家」ということを意識したのは小学校6年生頃だったでしょうか。「音高受験」という言葉を、師事していたヴァイオリンの先生から聞かされた時に、親子でスッと背筋が伸びました。音楽高校という未知の世界。先生から受験する権利があるよ、ということを聞くだけでも緊張しました。当時は支持する先生のGOサインがないと、音楽高校受験は難しかったからです。私は音楽の道に進むということがどんなことなのかまだ全然わかっていなかったので、本当に新鮮な気持ちでその言葉をかみしめました。ボンヤリしてふわふわした幼い思い出です。
その後無事に桐朋に合格してから、徐々に「音楽家」を意識していましたが、何しろ周りの友達が凄すぎて・・・落ち込むことも多々ありました。まぁ、自信を無くしましたね。それでも、友人は楽しくて素敵な人ばっかりだったので劣等感に悩むこともなく、浮き沈みの激しい学生時代を過ごしました。その頃になると、音楽家以外の人生は思い浮かべることができなくなって、とにかく楽器を一生弾いていくんだな・・・という覚悟が決まった感じです。
「ヴァイオリンを弾くことをあきらめない」というのが私の目標となり、道を照らすランプのような存在となりました。
弾けない時があってもいい。弾きたくない時があってもいい。それでも自ら手放すことのない存在。それが私にとってヴァイオリンです。
そんな思いを込めた原点回帰の「音の旅人ヴァイオリンリサイタル2026」。
楽しみにしていただけたらと思います。