こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。
お盆休み。
地方によっては、7月のところもあるようですが
私にとっては8月の方がなじみがあります。
私が小さい頃
近所のおうちに
お盆が近づくとお飾りが玄関先にちょこんと飾られていました。
キュウリやナスに割りばしが足のようにつけられて
子ども心に可愛いなぁ、と思っていました。
私の家では、当時、仏事を営むこともなかったので
そういった習わしをきちんと身をもって知ることがありませんでした。
それでも母が
「あれはお盆の時期に、おうちに戻ってくるご先祖様をお迎えするお供えよ」
と簡単に教えてもらえていたので
お盆の時期は大切なものだと思っていました。
亡くなった人のことが話題に上ると
「あぁ、お盆だからかしらね」と言って
顔を見合わせた、あの母の顔。
私の祖父が亡くなったのが中学3年生のとき。
初めての弔いは知らないことばかりで
葬儀屋さんのおじさんが
いろんなことを教えてくれたのが印象的でした。
その後は高校生の時に曾祖母。
94歳という大往生での葬儀が
こんなに賑やかで明るいものだとは思いませんでした。
留学時代に祖母が亡くなりましたが
母が「日本に一時帰国した時にお参りすればよいから」と
葬儀に参列しませんでした。
その後、祖父・母・祖母、と1年の間に3人を見送り
ぽっかりと空白の時間がありました。
そして2年前に、夫・父を
12日の差で亡くしました。
その間にも
音楽の友人、一番のママ友を亡くして
向こうの世界の方がにぎやかで羨ましくもあります。
お盆の季節。
京都の五山送り火を、夫と一緒に見に行ったことがあります。
京都の体にまとわりつくような暑さといっしょに
人ごみにもまれながら
「あそこ?」「こっちだ」とワイワイ言いながら
遠くにチラチラと燃える
送り火を眺めていた思い出がよみがえりました。
今年はひんやりと涼しい我が家から
テレビニュースで流れるであろう
送り火を一人で見送ろうと思います。