塚本香央里 ~ヴァイオリニスト&ライフオーガナイザー~
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65「動画で講評」

2025/03/06
65「動画で講評」
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

先日、次女から
「演奏動画を見て講評してほしい」と言われました。

近頃の音楽講習会やコンクールのプレセレクション(予選)、
果ては音大の入試にまで、動画審査が組み込まれることが多くなりました。
自分で演奏したものをYouTubeにアップし、書類をPDFで事務局に送信する。
または、申請時に自分専用のポータルサイトが割り当てられて
そこに提出物を格納してく方法など・・・
コロナ禍をきっかけにデジタル化が進みましたが
音楽世界も今や常識として、当たり前のように変化しています。

少し時代に乗り遅れている私には、ハードルが高いと感じられることですが
若者たちは果敢に挑戦しつつ、それらのことをスタンダードだと思っているようです。

私の学生時代も音源審査というものは存在していました。
その頃は、高性能マイクを借りてきて
自宅のリビングなどで録音して
そのまま郵送するという方法しかありませんでした。
ドイツ留学時代には、「レコーディング技師専門課程」のような学生にお願いして
音大のホールを使って録音してもらったこともありました。
その当時は録音だけなので、音響だけを考えれば良かったと言えるでしょう。
たとえ汗だくでTシャツと短パンで弾いていても、音源がよければOK。

しかし今の時代は動画。
録音の音響はもちろんのこと、録音場所、服装、姿勢、楽器の見せ方なども
考えなくてはなりません。
次女は何度も動画は作成しているので慣れたものです。
少ない選択肢ながら録音場所を確保して、何回か録音したようです。
何度も録音していると、客観的に自分を見るのは難しいことは確かですね。
3つの動画をみて、どう思うのか意見が欲しいとのこと。
最終決定は自分で決断してね、という条件で講評を引き受けました。

演奏を聞いて講評するのは結構大変です。
私の場合は次の3つを講評します。

  • 始めの3分でファーストインプレッションを判断
  • 全体の流れを聞いて音楽的な構成力と表現力を判断
  • 上記を聞きながら気になったマイナスポイントをチェック

*マイナスポイントをチェックというのは
技術的な改善点を指摘するということなので
時に厳しく、時に大きな課題として提案するといった
幅の大きいものになります。

1回の再生で、このポイントをすべて網羅してメモします。
何度も聴きません。
次女とは、聞き終わった後にfacetimeで私の意見を伝えました。


生徒さんの場合には
メモを見返しながら
  • 現状の客観的な確認
  • 改善するための練習方法
  • 次までの課題をお伝えします。
この返信が結構時間がかかるのですが、自分の勉強にもなっています。


さて、次女がどの動画に決定したのか?

最終決定は自己判断なのでわかりませんが
そもそも動画を作成するということは
相当練習しないと出来上がらないので
2月の初めに送ってきた動画よりも
月末に送られてきた動画の方が
はるかに完成度が高かったのは事実でした。

頑張れ!
若者!