こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。
コンサートのご依頼をいただく時に
様々なアプローチを考えます。
- どんな場所で弾くのか
- どんなお客様が聞きにいらっしゃるのか
- 季節はいつ
- 時間帯はいつ
- どのくらいの長さのコンサートか
- 演奏させていただく場所に特別なことがあるかどうか
たとえば先日の地域でのコンサートの場合
- 演奏する場所は区役所のホワイエ
- お昼休みの30分間
- 区役所に訪れる人・通りがかりの人・コンサート目当ての人・区役所職員
- 耳の肥えている人も聴きにいらっしゃる傾向がある
- 季節は3月(春を意識する)
- 東日本大震災を思い出す時期
そんなリサーチから曲目を選択していきました。
- ミヨー:春 (春のイメージそのまま・ちょっと不安定な5拍子)
- 花は咲く:菅野よう子(14年前を思い出して、その時の混乱から今の状態を見直す・改めて防災意識を高める)
- ヴァイオリンソナタ第7番:ベートーヴェン(少しハードルを上げて聴いていただく・私の本業とする本物を届けるための演奏)
- 剣の舞:ハチャトゥリアン(よく知られている曲を楽しく・ヴァイオリンの変わった奏法の説明)
- 日本の歌メドレー:寺本睦美(美しい日本の四季を改めて感じてもらう・日本人としての誇り)
こうして一連のストーリーを作成して臨みます。
この構成を考えているときがとても楽しいです。
曲の組み合わせや順番によって
ガラリと雰囲気が変化するので
大体のMCも考えておきます。
(私の課題はこのMCをもっと充実させることです)
未だにクラシック音楽は堅苦しくて
敷居が高いと思われがちですが
聴き慣れていくと
楽しいものに変化していきます。
ラジオやテレビ、映画の中で流れてくる音楽も
よく聞いてみればクラシックの音楽が使われていることが多いです。
地域での小さなコンサートから
少し大きいサロンコンサートへ
その先の大きなホールで聴く経験へと
ステップを踏んでいければと思います。
音楽は生きていくうえでの最重要事項ではないけれど
生きることの豊かさと彩りを与えてくれます。
そのことを知っているのは
これから先の人生を
より密度の濃いものにしてくれると信じています。
4月10日の札幌北一条教会主催・お昼のコンサートは
教会の講堂で
祈りと共に内省する時間なので
お話はありませんが
日常のひと時を離れて
自分と音楽に浸るひと時となります。
心の中に在る
様々なことを
音にのせて表現できればと思います。