塚本香央里 ~ヴァイオリニスト&ライフオーガナイザー~
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203「伝え続けることは楽じゃないけれど役に立つ(かも)」

2025/07/22
203「伝え続けることは楽じゃないけれど役に立つ(かも)」
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

娘たちを海外に送り出してから2年。
二人の生活の徐々に落ち着いてきました。
もちろん、日々の生活には心身ともに波がありますし
学業も練習も、レッスンもコンサートも仕事も・・・
一人ですべてをこなしていくのは並大抵ではないはず。
特に次女にとっては10代での渡欧は
生活すべてのことが始めてだったので
かなり遠回りをしていたように思います。

私自身は大学を卒業してからドイツへ留学したので
それなりの知識は備わっていました。
知識はあるけれど、言語で苦労したり
意思の疎通がうまくいかなくて涙したり
落ち込んで昼夜逆転の生活をしたこともありました。
私は情報にもコミュ力にも、それほど熱心ではなかったので
今の時代を生きる若者たちの力には
本当に頭が下がります。

しかし、それもその術を知っているからこそ
「生活力」が生きるのかもしれません。
音楽だけしか見えなくて
衣食住に関心がなかったら
自分の生活をコントロールすることはできません。
現に、栄養に関しての知識がなく
同じものばかり食べて体調を崩したり
手続き関係が全くできなくて
手助けしてくれる人に頼りっきりだったり
寂しいから彼氏(彼女)を探すことに必死になったり
始めは音楽のためだったのに
何のために海外へ羽ばたいたのかわからない学生は
今も昔も変わらず一定数存在するようです。

海外へ飛び出す若者は
リスクを挑戦に置き換えて
わき目もふらずに突進していきます。
その姿は親の目からすれば
危なっかしくて
何か一言言いたくて
自分の手元へ引き寄せたくなる衝動がついて回ります。
壁にぶち当たれば親もドキドキ。
体調が不安になれば親もソワソワ。

でも、若者はひとりで起き上がって
傷つきながらも進んでいきます。
誰の手を借りるのか、それは本人次第。

じゃあ、親の役割って必要ないの?

いえいえ。
親の揺るぎない芯の部分。
何を言い返されても
ウザいと言われようとも
「そうはいっても、我が家の方針は○○ですよ」ということを
常に伝えつづけることが、大切な役割だと思います。

伝え続けること。

馬の耳に念仏、と思うかもしれないけれど
案外耳の奥に残っているもののようです。