こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。
ヴァイオリニストが抱える身体の不調のひとつ。
【肩こり】
私はかなり頑固な肩こりに悩まされています。
コンサートが迫ってきて練習時間が増えてくると
左の肩から肩甲骨、腰のあたりまでズシリと重くなります。
ひどい時は頭痛まで・・・
ヴァイオリンを構える姿勢は
どう考えても不自然な形ですものね。
ヴァイオリンを弾くには両肩が前に引っ張られてしまうため
巻き肩になってしまいます。
その上で、左手を酷使して細かく指を動かす運動と
繊細な運弓の動きをコントロールする右手に神経を尖らせて
肩と顎で楽器を挟みながら
耳元で聞こえる音と客席に届いている音を想像して演奏する。
細かく言えば、もっともっとたくさんの神経を使っています。
その神経を支える身体は
頑丈でありながらも
しなやかで
反射神経に優れていなければなりません。
ずっと弾き続けていると
気がつかないうちに癖が染みついて
身体の可動域をずいぶん狭めていることもあります。
一種の職業病だとあきらめつつも
50歳を過ぎたあたりから
何とか自分で自分を手当てするように努めなければ、と
注意しています。
- 楽器を持たずに準備運動をしてから弾き始める
- 早いパッセージ(動き)の曲を急に弾かない
- 適度に腕(指)を休める
- 練習後にストレッチする
上記はとても基本的なことですが
大切なことだと思います。
そして練習後のストレッチは特に重要。
- ゆっくりと胸を開いて肩甲骨を寄せながら呼吸をする
- そのままゆっくりと両手を挙げてゆっくり左右に体を揺らす
「ゆっくり行う」というのが大事です。
反動をつけてしまうと、痛かったり筋を伸ばして
思わぬケガをしてしまうかもしれません。
ヴァイオリンを弾く前後に時間がかかるようになったのも
50歳を過ぎてからです。
マッサージも有効なのですが、一時的なものだったりするので
日ごろのケアを地道に続ける方が良いかもしれませんね。
(あまりにも辛い時は、私もマッサージに駆け込みますが・・・
辛い時に限って時間が無かったりして、結局行かずじまい・・・)
あまり不調を感じることの少ない私自身ですが
小さな違和感は見逃さないように気をつけています。
私は大人の生徒さんには、特にこの運動をお勧めしています。
ただでさえ、ヴァイオリンを弾くということに緊張しているのに
「楽器を落としちゃいけない~」
「左手がうごかない~」
「弓がまっすぐ弾けない~」と
あれこれ考えているとへとへとになってしまいます。
私が「練習した後に、しっかり身体をケアしてあげてくださいね」というと
ハッとした表情から「そうか、そうか~」と笑顔になる生徒さんもいらっしゃいます。
小さい生徒さんも気をつけてあげないと
痛い、窮屈、違和感、というだけで弾けない!、と決めつけてしまう子もいます。
「痛いところがあるの?」と聞いて
どこが痛いのか?
どうして窮屈なのか?
どんな違和感があるのか?
つたない言葉でもいいから先生に伝えることができる。
先生と一緒に考えることのできる生徒さんであってほしいと思います。
近頃の私は、寒くて縮こまって歩いているので
うつむき加減の前傾姿勢💦という姿を反省して
冷たい北風に立ち向かうように
偉そうに歩くことにしました。
(寒さが一層身に染みる)