こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。
1月は娘たちがとても忙しい毎日を過ごしていました。
学校オーケストラプロジェクトや室内楽のコンサート、現代曲のレクチャーコンサートのための準備や公開演奏、次の学期に向けて自分の進路を考えたり、オーディションに向けての書類作成などに忙しい長女。
次女は1月に学期末を迎えるため試験が目白押しで、学科内容をフランス語と日本語で理解しながら口頭試験のためにフランス語の精度をあげる、次のステップのための調査と準備のためにじわじわと練習時間を圧迫される日々。
通学時間の長い次女は、試験やリハーサルのために往復3時間を見積もらなければならないので、それはまた別のストレスがあるようです。
二人とも弱音を吐くことはあまりなく、とにかく毎日を必死に頑張って過ごしている様子がわかります。
娘たちとの連絡手段は、LINE、WhatsApp、facetime。
特にfacetimeはお互いの様子が画面でわかるので重宝しています。
8時間の時差(3月末から7時間)は、なかなか大きい時間軸のズレがあります。
それでも顔を見て話せるのはとても安心します。
長女とのfacetimeの時間は、日本時間の夜8時頃。
長女がたいてい朝の練習を終えてお昼ご飯を準備しているころです。お互い食事時なので「何食べてるの?」という会話から、旬の食材の話、飲み物、季節の話から本題に入っていきます。(思いのほか長女はおしゃべりなので、私はほぼ聞いているだけ)
次女とのfacetimeは日本時間の朝6時前後。
次女の1日の予定を終えてリラックスしている時間。日中は学校の授業や練習で時間がとれないため必然的にその時間になっています。(次女は必ずこちらの様子も聴いてくるので、果たして昨日のことを話したらいいのか、今日の予定を話すべきか寝ぼけた頭で考える)
3人で話すときは、たいてい誰か2人が話しているところに一緒に入れてもらう感じです。
年齢の違い、性格の違い、大学と大学院の違い、住んでいる国の違い。
最初のうちは「予定を間違わないように聞いていなくちゃ」「ちゃんとアドバイスしなくちゃ」と思っていましたが
今年になってからあきらめました。
・・・無理・・・
こちらの記憶力の衰えが激しいし、スピード感あふれる若者の生活は常に変化しています。
そして、母親のアドバイスなんて真剣に聞くわけがないのです!
ちゃんと自分で答えを持っているけれど、その答えにたどり着くまでの道のりが明確ではないから話すことによって自分で整理している。
私の役割は、彼らの絡まった思考の糸を少しだけほぐす役割。
あとは自然に道が見つかるはず。
そういえば、自分もそうでした。
ドイツ留学時代に母に電話をかけて、延々と自分の状況を話し、自分で思っていることを話していると
「そうねぇ。いいんじゃない?大丈夫よ」という言葉を聞いてホッとして電話を切ることが多かったものです。
留学を終えて帰国した後に「国際電話の料金代が気になってきちゃって・・・最後の方は聞いていなかったこともあったわ・・・」と言われました。
それでも、私としては単純に聞いてもらえることがありがたかったです。
話すことによって思考が整理されるのであれば、お安い御用です。
二人とも修羅場をくぐる経験は多く、たいていのことは時間をかければ自分で答えを見つけられます。
自分の殻にこもってぐるぐると堂々巡りをするより、サッサと誰か安心して相談できる人に話すことの方がラクに生きることができます。
彼女たちにとってそれが私の役割であるならば、こんなにうれしいことはないと思っています。
私の課題は、自分の意見を言いすぎないこと。
白熱して自分の意見を彼女たちに押し付けていることが(多々)あります。
黙って聞くこと。
ついつい余計なことをしゃべってしまう自分を律することが、今の私が学ばなければならないことです。