塚本香央里 ~ヴァイオリニスト&ライフオーガナイザー~
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64「五感を磨く」

2025/03/05
64「五感を磨く」
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

今日は啓蟄(けいちつ)。
啓はひらく。
蟄は土の中に閉じこもっていた虫、という意味。
春の息吹を感じて冬ごもりから虫たちが目覚める、
といったことでしょうか。

私は公式LINEで
二十四節気に沿って
四季の移り変わりを意識するメッセージを配信しています。
ゆるやかに季節を感じ
今、自分に必要な大事なことを
ゆっくり思い返してもらう・・・
そんなゆるやかな配信ですが
読者の方から
「今日はゆっくり休みます」
「私もそのお菓子を買いに行きます!」なんて
ポツンとメッセージをいただいて
ほんわかとしたやり取りを楽しんでいます。
(登録人数現在11名ですが・・・)

なぜ、音楽家なのに二十四節気??

二十四節気は古代中国の黄河流域の気候をもとに
つくられたとのこと。
日本の季節感と少しズレることがありますが
今なお言い伝えられ、生活に組み込まれるのは
積み上げてきた文化と思考が
この二十四節気を必要だと感じているからでしょう。

私は日本の四季を美しいと思っています。
そして、その四季を愛おしく大切にしながら
生活の中に取り込んでいる日本人を
とても誇りに思っています。
行事やしきたりの一つ一つに意味があり
ずっと続く伝統の中に
しっかりとした芯があり
自然と共に歩んできた試行錯誤が見え隠れします。

2月の寒さも
3月になって同じような気温だとしても
「ほんの少し空気がゆるむ」
「陽ざしにほんのり明るさが加わる」
といったように
微妙で繊細な変化を読み取る感性が
日本人には備わっているように思います。

田畑で作業する人たちの
土の感触から何を植えるべきか
何を加えるべきか
もしくは何を排除すべきかの判断を
肌感覚で感じる五感の鋭さを
私たち一般人も
「なんとなく」理解しているように思います。

西洋人には敵わない
日本人だからこそ感じられる繊細さを
音楽家としてこれからも
存分に表現していきたいものです。
せっかく日本人に生まれたのですから。

二十四節気を意識すると
その時期によっての食べ物の息吹や
身体が欲している食材
弱っている部分を改めて感じることになり
「人間ってよくできている」と
感心することになります。

音楽家は身体が資本。
波があるのは当然ですが
「良い塩梅」を探して
生きていくことができれば
「音楽を届ける」仕事も
ちゃんとできるのではないか・・・と
思っています。

結局、私は食べることが好き、という
結論になっているような気がする・・・