こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。
札幌北一条教会にて
昼休みコンサートに出演しました。
北一条教会では毎月1回
入場無料の「昼休みコンサート」を開催しています。
お昼の12:20~12:50
「気軽にオルガン音楽に親しんでもらいたい」と
1993年から春と秋に4回ずつ行っているとのこと。
今年の開幕コンサートの奏者として呼んでいただきました。
ちょうど今の時期は、キリスト受難節といって
イエス・キリストの最後の苦難と死の日々を思って過ごす時期です。
どのような曲を選ぼうか、楽しみでもあり悩みもしました。
まずは「ファンタジー第5番」(テレマン)の朗らかな
春を告げるファンファーレのような音列でご挨拶。
ヴァイオリンの音色にハッと驚いてもらう。
一転して「パッサカリア」(ビーバー)をじっくりと聞いていただく。
日々の生活の中で感じる守護天使の見守りに力を得て
同じ歩幅で歩いていけば良い、と音楽に教えてもらおう。
そして、拍子感覚や調整感覚を逸脱する
「無伴奏ヴァイオリンソナタ第5番(オーロラ)」(イザイ)の音楽で
様々なヴァイオリン奏法、音、その先に聞こえてくる
夜明けの風景を感じるように。
最後はオルガンと共に奏でる
「マタイ受難曲より【憐れみたまえ、わが主よ】」(バッハ)
まさにこの時期に、自分の行いを後悔して泣き崩れるペテロの姿を
自身に重ねて深く祈る。
30分のコンサートの中に、ストーリーがあり
エンターテイメントがあるように
思いを込めて演奏しました。
当日は150名の方が聞きにいらしてくださり
会堂いっぱいの思いが
静かでありながらも力強いエネルギーとなって
空気を震わせていました。
オルガニストの友人は
ドイツの教会で主任オルガニストとして活躍していました。
そのため、少しの違和感があるとすぐに調整して
演奏することができます。
オルガンは
音色の選択が重要で
音色ひとつで
その曲の解釈が全く違ってしまう楽器です。
ヴァイオリンとのバランスを考えながら
オルガンの役割を果たすのはなかなか難しいものがあります。
オルガンの音作りを聞きながら、
リハーサルの時からとても貴重な時間でした。
なかなか経験することのできないオルガンとの共演。
それも、パイプオルガンとの共演は
本当に至福の時でした。
丁寧に音作りをしていくことは
これからの自分の演奏にも反映したいところです。