塚本香央里 ~ヴァイオリニスト&ライフオーガナイザー~
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2025/09/01
244「音楽家のための・・・」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

ルツェルンにいる長女から
「この本の著者がいるの!
今度レクチャーを受けることになったのよ。
残念ながら本は日本に置いてきちゃった。
電子書籍で買いなおしてレクチャー受けてくるわ」と連絡をうけて
どれどれ・・・どんな本なんだろう?
と長女の本棚から拝借して読み出したら止まらなくなって短時間で読了しました。
『クラシック音楽家のためのセルフマネジメントハンドブック』(ベルンハルト・ケレス+ベッティーナ・メーネ)

”音楽家が音楽家として生きる”
これは長女がずっと考えていることです。

音楽家の立場は正直に言えば、なかなか厳しくて難しい。
安定した職業ではないし
全てが自己管理。
演奏だけではなく、日常生活もこなさなくてはならないし
健康管理もしなければならないし、生きていれば噴出してくる
人間関係や役所関係、煩雑な事務手続きなどで忙殺されます。

そういった中で
10年後の自分は何をしているのか
自分の指針となる方向を見定めて
今日、今からできることを始める。

ライフオーガナイズと同じ手法を使って
行動を細分化していく方法が記されていました。
もちろん、音楽家を対象としているので
改めて自分のことを振り返って
質問に答えてみたりしました。

50代で人生の先を想像するのは
かなり勇気のいることです。
自分で思っているほど先は長くないし
つい数日前に想像していた未来のことが
唖然とするほど簡単に崩れ去ってしまう経験も現実にあるわけです。

私もつい最近まで
年単位での目標を考えることができませんでした。
目の前の事に集中して、こなすことで
安心感・満足感を得ていました。
自分がちゃんと生きること
息をして、食べて寝て、毎日を初めて終えること。
ただそれだけできれば合格でした。

でも、そろそろ次に行く準備は整ってきたようです。

私には捨てる「自分」がありません。
「思い出」も全部抱えながら、重い荷物を引きずって進むのは
容易ではありませんが
そこは50年以上生きてきた智恵があります。
荷物を分散して、持ち運ぶこと。
お手伝いしてくれる人を探す。
道具を使って運ぶ。
一時保管所に預けておくこと。

もしかしたら、いつか「手放す」ことができるものがあるかもしれません。
「捨てる」から始めない。
そう、持っていても動けるのであれば
持っていれば良いのです。

そんなことを思いながら
新しい9月という月を始めました。












2025/08/31
243「リサイタル2025のご案内」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

明日から9月。
12月のリサイタルに向けて走り出す時期がやってきました。
毎年、9月になると
「今年もしっかり年末まで走り切れるか」と
ちょっと緊張した気分になります。

  • 体力は大丈夫か。
  • 気力をしっかり保てるか。
  • 練習時間の計算はきちんとできているか。
様々なことを考えながら
自分と相談しながら
準備していきたいと思っています。

今年で最後になるベートーヴェンのソナタ。
第10番に万感の思いを込めて演奏したいと思っています。







2025/08/30
242「応援したくなる人たち」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

8月はいろんな本を読みました。
暑くて外出するのが面倒だったこともありますし
とにかく人混みを避けて静かに孤独に浸っていたかった、というのもあります。

1冊を集中的に読むこともありましたし
何冊かを並行しながらめくっていることもあり
なかなか先に進めなくて放置している本もあり
久しぶりに漫画も読みました。


その中で、『#100チャレンジ』(大塚あみ)は珍しくとても楽しく読了しました。
次女と本屋さんに行ったときに
フラリとパソコン・プログラミングの本が並んでいる棚を眺めていた時(いつもはスルー)
ふと目に留まった本でした。
「ふうん、100日間アプリを作り続けるのかぁ。
すごいなぁ。
そういえば、今年初めにアプリのつくり方を習ったな・・・
アレをサクサク作っちゃうのかな」
とパラパラページをめくって読むと、なかなか面白い。
私は日記とか、ノートとか、生身の人間の隠さない言葉の並んでいるものが好きです。
それに100日チャレンジは、私自身も今年の初めに「ブログ100チャレンジ」に挑戦したので
どのくらいの期間を走り続けるのか・続けることの苦しさなどはわかるつもりです。
どのように100日をこの学生は進んでいくのだろうか?
期待が膨らみました。

本に関しては、あまり制限しないで購入すると決めているので
すぐにレジへと向かいました。

ただ、その後は積読・・・
なかなか順番が回ってこなかったのですが
8月の中旬頃に
「そういえば」と
部屋の中で立ち読みを始めたら
止まらなくなって読み切りました。

大学4年生の女子学生が
「どうしたらラクにレポート提出できるのだろうか?」と
chatGPTに質問したことから始まる、彼女の成長日記(と言っても良いと思う)。

もしかしたらプログラミングを知っている人であれば
内容的にはつまらないかもしれない。
でも、私が面白いと感じたのは
彼女の他人とのコミュニケーション方法と大人への態度と言葉遣い。
そして、自分に対して真摯な態度。
「ラクをしたい」という目的ではあるけれど
「もう少し手を加えてみる」「他の方法を探る」という
知ってか知らずか自らに課題を与えて乗り越えようとする姿に
成長のステップを感じて、とても清々しく思いました。
(実際には、アプリ作成に没頭できるのは学生だからだよね、他のことは多少混乱していても問題ないからね、と羨ましく思っていました)

昭和人が平成若者とのコミュニケーションに困っている昨今。
今は時代や常識やスタンダードがビュンビュン変化しているから
サーフィンのように世の中を渡っていかないと生きていけない。
若者たちは、既存のものを深く理解しなくとも
行動しながら新しい可能性を求めて走っている。
走れない昭和人は、ついつい自分の知っている世界だけを語って
おせっかいな一言二言を若者に伝えてしまう。
「昔は・・・」「私は・・・」「そんなこと・・・」等

でも、すれ違いざまに掛けるひとことに、若者はふとヒントをもらうこともあるのではないか?
それは、積み重ねた経験と大局をみることのできる視野の大きさ。
私たちの出番なのではないか。

私たちは走り去る若者に舌打ちをして憤ることもある。
でも、自信を持ってもいい。
私たちはダテ
本を読みながら
さりげなくサポートしたり助言したり
100チャレンジをおもしろがっている教授や大人の姿に
今の時代を生きていくことのヒントをもらったような気がしました。

おススメです。




2025/08/29
241「音楽家として生きること」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

長女の文章を読むには
なかなか体力がいる。
上っ面ではなく
心の奥底までのぞき込んで
どうかすれば
素手でかき混ぜるような・・・
そんな厳しい面も感じる。
でも、隠れたユーモアもちゃんとある。
今日は彼女の世界に浸ってみたいと思う。


https://note.com/kunstgeige12/n/naf2c9a43c3ca

2025/08/28
240「手に汗をかきますか?」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。


楽器を演奏する人たちにとって
パフォーマンスに影響する「汗」は
かなり深刻なものだったりします。

  • 手汗がひどくて音程がズレる
  • 額から汗が飛び散る
  • 汗で衣装の色が変わる・・・など

涼しい顔をして演奏していても
内情はかなり大変で過酷なこともあります。

私の場合は・・・
手汗:緊張して手が冷たくなって、うまく動かなくなるのはいつものことです。舞台袖で腕をブンブン振り回して血の巡りを良くしようと、無駄なあがきをしています・・・でも、良い緊張感として受け止めています。
額からの汗:あまり経験がありません。
汗で衣装の色が変わる:夏のコンサートで滝のように汗をかいたことはありますが、色が変わるほどのことはなかったです。

顎あてに汗をかきすぎて、楽器がツルツル動いてしまったことはあります。
焦りました・・・💦

練習通りに本番で弾けることが目標ですが
本番だからこその
イレギュラーな状況のサンプルが増えました。
これは経験を積み重ねて取得することのできた「宝」です。
私にとっては
どんな小さなコンサートでも
真剣勝負のたった一回しかない
その時だけの特別な時間。

これからも
特別な時間を積み重ねていけるような
音楽家になっていたいです。

*暑い日が続いているので、汗の話が多くなってしまいました






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