塚本香央里 ~ヴァイオリニスト&ライフオーガナイザー~
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102「家族で海外へ②」

2025/04/12
102「家族で海外へ②」

こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。


https://ototabi-kaori.com/contents_181.html


旅の続き。

ドイツでの目的はドイツ人の教授からヴァイオリンのレッスンを受けることが目的。

二人とも言葉が全部わからないまでも、とにかく必死に真似をする様子を見て、連れてくることができてよかったな、と思いました。

長女はこのとき、外国語でのコミュニケーションの楽しさを知り、
話せないジレンマにヤキモキして
「次に来るときは絶対に自分で話す!」という目標ができたそうです。
次女はその当時はまだ競泳選手の生活のだったので、
ヴァイオリンに関してはヨロヨロの状態。
でも、元々の感性の鋭さゆえに、吸収能力と集中力は抜群でした。
私の教授も目を細めながら
「親子そろってレッスンするの楽しい!」
「お父さんは大変だね!」
と夫の肩をたたいて労ってもらい
夫は嬉しそうにニコニコと笑っている…
お互い良い思い出となりました。

またこの街にみんなで来たいね、という期待を残して次の地フランス・パリへ移動。

パリのホテルは本当に高いので、

夫が苦労してウィークリーマンションのようなアパルトマンを予約してくれました。

オフィスで鍵を受け取って地図を頼りに行ってみるも、なぜか語学学校にたどり着いてしまい途方に暮れました。

親切な語学学校の受付の人がネットで検索してくれてプリントアウトしてくれて助かりました。

さすが語学学校。

よくよく見れば3ブロックくらい歩かなければならないらしい。

シャンゼリゼ大通りをスーツケースを引っ張りながら

「ねぇ、この道って凱旋門にむかって上り坂なんだね~知らなかったわ」

と夫と息を切らしながらゼイゼイ言って笑いました。

この時、日本出国時から壊れかけていたスーツケースのタイヤは、すっかりダメになってしまいました。

夫はほぼスーツケースを抱えて汗だく。

春によくある夏のようなお天気の日でした。

宿泊場所は本当にパリのアパルトマン。

道路に面した外玄関の大きな扉を「よいしょ」と開けると中庭へ。

先に見えているガラス張りの入り口のドアを開けると小さなエレベーター。

映画でよく見る「鳥かご」のようなエレベーター。

人が一人とスーツケースでいっぱいになってしまうので、あとの人は階段。

らせん状のステップが小さい階段なので、気をつけないと滑って転がり落ちてしまいそう。


アパルトマンの部屋は清潔で家族4人には大きすぎるくらい。

生活用品がちゃんとそろっているので、食べ物を買いに行けば快適に暮らせます。

窓を開けると中庭が見渡せて、ご近所さんの普通の生活を覗き見ることができました。

夕方になるとロウソクの灯る家。

朝になれば早くから電気をつけて身支度している様子。

娘たちはロフト付きの寝室に大喜び。

朝から近所のパン屋さんに行って、焼き立てのクロワッサンやパン・オ・ショコラを買ってきて食べる毎日。


お昼に少し奮発して食事をすれば、夜はカルフールスーパーやモノプリで野菜とハムとチーズを食べれば十分。

本当にパリに暮らしているような毎日でした。

移動は地下鉄と徒歩。

スリやひったくりに注意するべく、地下鉄に乗ることは極力避けました。

ただひたすら地図を握りしめて歩く。

2015年のあの頃、パリはテロに揺れた日々でした。

どの観光施設も入場するときのセキュリティチェックが厳しくて長蛇の列。

エッフェル塔もルーブル美術館も、どこもかしこも2時間から3時間並びました。

それでも、私たち家族はあきらめることなく、たくさんの観光地を巡りました。


とにかく一度は見ておけばいい。

次に来るときの、何かの足掛かりになればいいから、という理由でした。


極めつけはキリスト教最大の行事「受難の金曜日」。

私が好きなサクレクール寺院に行った日は受難の金曜日でした。

地下鉄の駅を降りると、とにかく人が多くて何事かと思えば、十字架の道行きを祈りながら教会へ向かっている各国の巡礼者。

そんな光景も娘たちの記憶に残っているようです。


駆け足だったけれど、全ての記憶がちゃんと刻まれた旅。

その後、何度も家族の中で話題に上りますが、どれも良い思い出であり、共有する気持ちに絆を感じています。