塚本香央里 ~ヴァイオリニスト&ライフオーガナイザー~
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2025/09/15
258「お月見の季節・閑話休題」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

コンサートを終えた後は
少し余裕が欲しくなります。
本番にむかって緊張していた心と身体を
少しだけ柔らかくしたいものです。

9月も半ばになりました。
この時期の和菓子屋さんは
工夫をこらした「お月見○○」のお披露目が盛んです。

今年の中秋の名月は10月6日。
(満月ではありません)
旧暦8月15日の十五夜に月見をする習わしの事とのこと。
太陽暦に基づいて決まるので、毎年違う日になるそうです。

そんなことを
「ふむふむ・・・」と調べながら
お月見だいふくを食べる幸せ。





2025/09/14
257「リハーサル方法は多様化する」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

まだまだ暑い日々。
近頃は湿気が高くて本当に蒸し暑い日々です。
さすがに頑丈な私も、暑さの疲れでヒーヒーしています。

さて、今回の奏楽堂でのコンサートの準備で
気をつけたことを書いていきたいと思います。
「賛助出演」というお役目をいただいてのコンサートだったので
少なからず責任をもって演奏することは必須でした。
さらに、30年以上続くピアノグループとしては初めての室内楽演奏。
聴きにいらっしゃるお客様も、きっと興味をもって楽しみにされていることでしょう。
自分の練習はもちろんのこと、共演者のピアニストもしっかり準備していかなくてはなりません。

奏楽堂のホールはなかなか難しい響きだったなぁ、と過去の演奏会を思い出しながら
どんな状況・ピアノの状態・音響でも演奏を楽しめることが大事だと思いました。
そのために、我が家のアップライトピアノでのリハーサルを大幅に減らして
練習スタジオを借りて、色々なグランドピアノで弾いてみることにしました。
(さらに今回は、ホール練習もできたのでとても助かりました)
今まで馴染みのなかった練習スタジオ。
探せば色々とあるのですね。
リハーサルは我が家で・・・というのが当たり前だった時代は過ぎました。
状況に応じて、スタジオを探して
グランドピアノでリハーサルをして、音響を確認することの大切さを改めて思いました。

ピアニストも、様々なピアノでのリハーサルを重ねたおかげで
本番のピアノにも反応が早かったように思います。

試行錯誤はいつまでも続く。
演奏することに、小さなこだわりを持って
常に高みを目指したい、と思うこの頃です。







2025/09/13
256「奏楽堂でのコンサート・終演」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

9月になるとコンサートシーズンを迎えます。
私にとって、これからの季節は身の引き締まる日々です。
昨日は「MuBe'88 ベートーヴェンの夕べ」コンサートでした。
お足元悪い中、お越しいただいたお客様に感謝申し上げます。

今週になって急にやってくるゲリラ豪雨にビクビクしながら本番を迎えました。
お天気は曇り。
いつ雨が降り出してもおかしくないような空模様でした。
湿度が高く、少し動くと汗ばむような気候。

久しぶりの夜公演のため
カンを取り戻すのに一苦労でした。
(いつ、何をどのくらい食べるか?というのが結構重要だったりします)
さらに、ジョイントコンサートのため
出演者が多いのも難しいシチュエーション。
(いつ着替える?自分に集中するにはどこが静か?など)

湿気を気にしながら準備していましたが
ピアノのコンディションはもっと大変そうでした。
なにしろ、演奏者によってタッチも音量も全く違うので
調整に気を遣います。
演奏者それぞれの椅子の高さを入念にチェックして
ピアノの音に耳を澄まします。
今回は歌・ピアノソロ・ヴァイオリンとの二重奏と編成も違うので
会場への音の届き方も千差万別。

ヴァイオリン族の私は
とにかく自分の楽器に集中して準備を進めました。

共演者の川元真里さんとは
様々なコンサートでご一緒しているので
最後は「お互い全力で楽しむ!」ということで
35分間を弾き切りました。

重要文化財の「奏楽堂」は
懐が大きく、さすがの風格に助けられました。
西洋音楽の黎明期を生きた音楽家たちの息吹を感じて
演奏中はとても豊かな気持ちになりました。
彼らから続く、日本人音楽家の末裔として
少しでもその舞台に音を刻むことができた幸せ。

何度か演奏しているホールですが
今回は特に「歴史」という時の流れを感じるひと時でした。

お客様にとっては
階段が多くて難儀だったり
古い建物なので、廊下等が暗いことなど
普段のコンサートホールとは違った面もありますが
みなさん「来てよかった」「雰囲気がすてき」と
とても好評でした。

まずは御礼まで。





2025/09/12
255「ベートーヴェンとの会話」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

本日は奏楽堂でのコンサート。
湿気が高く
演奏会には不向きな気候ですが
大切な『クロイツェルソナタ』を
自由に演奏したいと思っています。

孤高の人、というイメージの強いベートーヴェンですが
私の中では気楽な相談相手。
「私はこの部分を、もっと自由に弾きたいけれどいいかしら?」
「好きなように弾いてみなさい、どう弾いたって私の思うようになるのだから」
といった感じで、
かなり私の思う通りに弾かせてくれる寛大なベートーヴェンです・・・
(本当は怒っていたらどうしよう・・・)


今日演奏する方たちの
様々な「ベートーヴェン像」が共鳴しあって
お客様が
一人の作曲家の
多方面を楽しめるコンサートになることを
心から願っています。






2025/09/11
254「未来の年代へ向けて」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

近視・・・
老眼・・・
年齢とともに、目の不具合は出てきます。

今まで問題なく譜面が読めていたのに
なぜか時間がかかったり
音符の輪郭があやふやになったり
加線の数を間違えたり・・・

ヴァイオリンソナタは基本的には譜面を見ながら演奏しますが
ほぼ暗譜に近い状態で準備をしています。
私の場合は、曲の構成を譜面の「あのあたり」と記憶して
確認作業しながら演奏しているといった感じです。

ただ、近頃は
そう思っていても
瞬時にその音に目線が着地する時間に誤差があり
ヒヤリとすることが多くなりました。
時には乗り遅れて弾き損じることも。

さすがに老眼鏡姿で演奏するのは
もう少し先延ばしにしたい。
(でも、そうなったときのために
おしゃれなリーディンググラスを見つけておこう)

その前の対策としては
  • 「焦らない」← みつからない!と焦ると余計な力が入る
  • 「自分を過信しない」← 自分は大丈夫!という謎の自信が私の場合は落とし穴
  • 「少し先に準備する」← 先の自分をみることと同じで余裕をもちたい

年齢を重ねることに異議はありませんし
(無駄にあがきたくない)
仕方のないことですが
ちょっとした工夫が必要のようです。

この工夫は生活の中でも活きてくることです。

誰かの時間に合わせて急ぐ時代は終わりました。
少し自分に目をかけて
これから未知の年代へ向けて
試行錯誤を始めてみようと思います。



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