塚本香央里 ~ヴァイオリニスト&ライフオーガナイザー~
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2025/09/10
253「話をきくだけでも」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

「MuBe'88 ベートーヴェンの夕べ」
本番が迫ってきました。

他の演奏者とご一緒するジョイントコンサートは久しぶり。
「クロイツェルソナタ」だけを演奏するのも久しぶり。
夜の公演もひさしぶり・・・
久しぶりの事が多すぎて、準備もアタフタとしています。
そんな状況も楽しくて
やはり演奏する場所をいただけているのは幸せなことだと思っています。

子育て中に頑張って
演奏機会を途切れさせなかったことや
家族を巻き込んで準備していたこと
終わりがあるならば・・・と本番前日もお弁当を作ったり
本番当日に模試の送迎をしたり
終演後に翌日のお弁当の仕込みをしたことが
懐かしくなります。

その時には辛くて大変だったことも
いつまでも
忘れずに
ずっと心に留めておきたいと思っています。

今、大変な時期を通っている演奏家や
頑張っているお子さまを応援している親御さん。
それぞれ状況は違うと思います。

それらを静かに受け止めることが
私にはできると思っています。
話を聞いてもらうだけでも、ホッとします。

次女が言いました。
「結局、決定するのは自分なの。
でも、ただ話を聞いてもらいたいだけっていうのも必要なんだよね。
多分、それは女性脳だからかもしれないけれど。」

その通りだと思います。
答えを欲しいわけじゃなくて
話を聞いてもらうだけでも・・・
私自身もそうでした。

それは、
子育てをしながら
少しずつ分かってきた
大切なことだと思います。






2025/09/09
252「海外で暮らすこと」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

海外での「家問題」はなかなかシビアです。
私自身はちょっと苦労しました。

音楽家は自宅で練習したいので、音問題は深刻。
音大に十分な練習室が整っているのであれば
あまり問題にならないのですが
私の通っていた学校はほぼ全部がレッスン室や講義室なので
純粋な練習室は皆無。

初めての家はピアニストのお宅を譲り受ける感じで入居。
裏庭に面していて、日中でも薄暗くこぢんまりしたアパルトマンでした。
きっと昔は小間使いの部屋だったのではないか?と思うような造りで
トイレは玄関を出た先にあり(もちろん自分だけのトイレだが、自宅の扉を閉めてしまったら戻れない)
シャワーブースは湯沸かし20分、温水の出る時間が10分。
キッチンと呼べる場所はなく、簡易式電熱コンロが2口。
洗面所とキッチンの洗い場は同じ。
暖房器具がないのでオイルヒーターを自分の後をコロコロ転がして談を取る。
冬は本当に寒かったです。
若いとそんなことは全然気にならなかったですが
あの部屋を経験したおかげで
部屋に関しての期待値は一気に下がりました。
あまり、こだわりがなくなって
センスを磨くという努力をしなくなりました。

色々あって引っ越しをした次の家も
やはりヴァイオリニストから譲り受けた部屋でした。
明るくて小さなバルコニーもあり
大きいバスルームと洗面所もきちんとある
生活に十分な家でした。
ただその一帯は、低所得者用アパート群だったので
あまり治安が良くなくて
「え?あの一体に住んでいるの?」と驚かれたことも。
それでも、自分の仕送り金額や生活費を考えれば順当だと思いました。

今思えば、もう少し快適に過ごすことができたかもしれない、と
思うこともあるのですが
なにしろ生活することに手一杯でした。

今、娘たちが海外生活で
部屋に関してしっかりと
自分の居心地を重視して
基盤を整えていることに
驚きと羨望のまなざして見ています。

外で何かあっても
自分の家が安心で守ってくれると信じることができれば
自分自身を失わずに過ごすことができます。
どんなに短期間であろうとも
いつ退去を迫られても
不安定のまま過ごさない彼女たちの姿を
見習わなければいけないなぁ、と思いました。

海外で暮らすということは
全て自分の責任で過ごすということ。
その自分を、自分自身が癒してあげることの大切さを
彼女たちは身に着けているのだなぁ、と思いました。










2025/09/08
251「3年目のスイス・次女」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

今日は、次女がスイスでの修行を始めてから3年目の学年が始まった日。
2年前に成田空港から飛び立つ飛行機を長女と見送り
燃えるような夕焼けを眺めながら家路についたあの日を思い出しました。

スイスに到着後
猫アレルギーで顔がパンパンに腫れたり
アパルトマン探しで詐欺にあい
警察へ事情聴取でアポイントを取ったり
滞在許可証や奨学金手続きに時間を取られてストレスマックス
学校までの長い通学時間も気が抜けず
フランス語の授業は難しく悔しい思いをしたこと
コミュニケーションがうまくいかずにがっかりしたことも数知れず
食事の準備・洗濯・掃除・買い出し・お弁当作りといった生活も整えていかなければならず・・・
それでもあきらめずに過ごした日々
思い出すだけでも、私自身は疲労感でいっぱいになります。

それでも多分
私には想像もつかない、もっとたくさんの出来事があったでしょう。
次女はなかなか本音を言わない性格です。
大らかに見守ることが苦手な私は
無駄にヤキモキすることが多かったです。
そして、余計なことを言って次女を怒らせることが未だに多々あります。

【子育ては18歳で終える】
握っていた手を放し
子ども自身の選択を尊重すること
目だけは逸らさずに
しっかり見ていること

これがなんと難しいことか!

それまでの幼いころからの積み重ねがないと
すぐにできないことは確かです。
さらに、家を出て一人暮らしをするとなれば
心配も増すというものです。

経済的な自立はもう少し先ですが
その準備は着々と進めていきます。
父親がいないという負い目を感じてほしくない、という
私の思いも少なからずあります。

1年目、2年目と経験と知恵を積み重ねて
3年目は3件目の新しい家からスタートした様子です。







2025/09/07
250「季節は巡る・白露」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

【白露】はくろ (二十四節気)

夜の気温がグッと下がって空気中に水蒸気が冷やされ水滴となり

草花に朝露がつくようになる頃。残暑が厳しくとも、朝晩が冷えるようになる。


酷暑だった今年の夏。

去年よりも暑さがこたえて疲れる日が多かったです。

何もできなくてグッタリと横になって何もできない〜ということもしばしば。

そんな時は無理をしない。

休む、と決めて動かない。

ちょっとくらい、予定がズレたって

今日中にできなくても

大丈夫!


ただ、そんな日が続くと皺寄せもかなりのものになって

「ヒ〜💦」という状態になることもしばしば。

それも私の本当の姿です。


そんな時

私は一粒梅干しを食べることにしています。

「ちょっと疲れたな」と思っても

休めないこともあります。

ダラけてしまって次の行動になかなか動けない時もあります。


そんな時は冷蔵庫を開けて

小さな陶器の壷から梅干しを一つ取り出して

パクリと。

ゆっくり口の中で味わって

ポイっと種を出す頃には

少しだけ元気になっています。


皆さんはどんな食べ物で

気分を変えていますか?


まだまだ暑い毎日です。

どうかお身体大切に

ご一緒に秋を探していきましょう!


↑このような
ちょっとリラックスしたメッセージを
公式LINE「GRACEFUL STYLE」から発信しています。
二十四節気にそって
その季節の過ごし方・食べ物・気持ちの持ち方など
生活に彩を感じられるように
五感を使って生きていけるような
ちょっとしたヒントになればと思っています。
安心安全の場所。
もしよろしければ登録してください。
月に2回ほどメッセージが届きますよ。

梅干しの効能
*クエン酸による疲労回復・食中毒の原因となる菌の増殖を抑える
*消化促進
*カテキン酸による整腸作用
*疲労を軽減し、リラックス効果がある

食べすぎると塩分過多、胃酸過多になります。
(そんなに何個もたべれませんよね・・・)

まだまだ暑い毎日を
少しでも元気に過ごしたいものです。




2025/09/06
249「ゆっくりと進む」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

ようやく涼しい風を感じられるようになりました。
日中はまだまだ暑いし
ヴァイオリンの練習するときにエアコンはマストですが
その他の時間はなんとか凌ぎやすくなりました。

ちょっとした変化で
季節を感じる「感覚」は敏感でありたいものです。
  • 陽ざしのぬくもり
  • 光と影の陰影
  • 地面のあたたかさ
  • 雲の流れ
  • 季節の香り
小さな変化はそこら中に転がっています。
あそこにも、ここにも・・・
私たちはただ気がつかないだけです。

時間に追われるように暮らしていた時は
たくさんのタスクをこなすことに喜びを感じ
効率よく過ごすことが第一で
無駄がないように気を配っていました。

今も時間を無駄に過ごすことには抵抗があります。
ただ、少しだけ変化したことと言えば
無理がきかないことでしょうか。
心や身体が異変を察知する能力が
以前よりも研ぎ澄まされて
「これ以上はNGだよ」と
アラームを鳴らす機能が的確になりました。

無理を重ねて、万が一、自分が壊れてしまったら・・・
自分自身が落ち込むだけではなく
他の人に迷惑が掛かってしまう・・・

冷静に判断する能力が
芽生えてきています。

それは怠惰でもなく
諦観でもなく
人生を降りることでもなく
自分の内側をみるクセがついただけ。

自分の演奏にも変化の兆しはあります。
自分を追い込んで
がむしゃらに弾く自分も好きですが
ちょっとだけ遠くから
自分の姿を俯瞰して
「おや、この先の事を考えたら
このあたりで少しリラックスしておいた方が
最後まで走り切れそうだぞ・・・」と
演奏をコントロールすることができるようになりたいものです。
それは手を抜いているのでななく
賢く演奏を冷静に判断する能力だと思っています。

余裕のある人は
立ち居振る舞いも静かです。

目指したい自分の像が
少しずつ、少しずつ形が明確になってきているのを感じます。

おそい・・・と牛歩の自分を情けなく思いながらも
諦めない自分も良いものだ・・・と慰めています。






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