塚本香央里 ~ヴァイオリニスト&ライフオーガナイザー~
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2025/08/17
229「送る」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

【人を・自分を】見送る
【気】を送る
【言葉】を送る

この夏に私が意識していることです。
自分が囚われていた人間関係や
自分の心の中にあるものを
そっと見送ること。

弱っている自分自身や家族に
「祈り」という形で
気持ちを送ることができます。

言葉というものには「力」があり
メッセージや手紙で伝えることによって
大きな支えになることは
この2年間でさらに痛感したことです。


これらには良い面と悪い面もあるので
気をつけて使わなければならないということも
覚えておかなければならないでしょう。

暑い日々の中で
ふと思った一コマでした。






2025/08/16
228「理不尽なことを抱えて生きる」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

世の中には理不尽なことがいっぱいある。

なんでかな。
どうしてかな。

見過ごすことのできない思いを抱えて
下を向くこともある。

先日のセミナーで
《自分の勝ちは、自分で決める》という言葉を聞いた。

誰かに決めてもらうわけじゃない
誰かと同じじゃなくていい
自分で決めた「勝ち」は、自分だけの「勝ち」なんだ





2025/08/15
227「音楽の方向性」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

ヴァイオリニストは楽譜に書いてある音符をきちんと再現する仕事があります。
でも、それだけで完結することはなく
曲の構造を理解し、作曲者の背景、時代、当時の人々の生活までをも想像して
自分なりの解釈を加えて演奏しなければなりません。
更にその先には、全く新しい作曲家像が思い浮かんできて
今の時代に照らし合わせた斬新な解釈が生まれることもあります。

共演者同士が、どこまでその曲に対しての解像度が一緒なのか?
とても大切でセンシティブな問題です。

お互いの演奏を聞きながら
楽譜に書かれている音の大きさやテンポが
相手はなぜそのように弾くのか?
耳を澄ませながら
息遣いを聞きながら
理解していく時間。

私はこの作業がとても好きです。

相手の演奏を聞いただけでは理解できない場合
なぜだか聞いてみる。
自分の意図が分かってもらえていないな、と感じた時に
言葉で説明する。

この作業は言語化の訓練にもなりますし
自分自身も自分の演奏を改めて見直す機会にもなります。

もちろん、リハーサルの時間内では咀嚼できないこともあるので
次回までの保留になったりします。
次のリハーサルで振り出しに戻ることも多々あります。
正解を求めるのではなく
可能性を探していくことが重要だと思っています。

思考がフル回転になるので
リハーサルを終えるとクタクタになります。

音楽を紡ぐ、ということは
そういうことだと思っています。

私の場合は
リハーサルは実験室だと思っているので
本番では通用しないことも試してみることが多々あります。


多分、共演者は「面倒なヤツ」と思っているでしょうね。
そういう方としか、ご一緒できないのかもしれません・・・








2025/08/14
226「リハーサルの組み方・私の場合」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

秋からのコンサート準備が始まっています。
毎日暑すぎて、本当に鍛えられています(シンドイです)・・・

今日はヴァイオリンソナタを仕上げていく過程を
お話ししようと思います。

自主練習のウォーミングアップが落ち着いてくると
共演者とのリハーサルスケジュールを決めていきます。
9月上旬の本番であれば、7月には大体決めます。
曲のボリューム、お互いの予定、仕上げの目安などをみながら
何回くらいのリハーサルが必要なのか、どんな準備が必要なのかを
おおまかに決定させていきます。

今回の場合は7月末に全体像を把握するために
プログラムを通して弾いてみます。
自分のパートが完璧ではなくても
お互いのこだわり、テンポの感じ方、曲に対するイメージ
作曲者に関しての知識などのディスカッション多めのリハーサルです。
2回目は少し間を開けて、1回目のリハーサルを経たうえでの修正点や
自分のパートの精密度を上げていきます。このリハーサルもややディスカッション多め。
3回目は変化球。リハーサルを重ねていくうちに閃いた解釈などを
いっしょに弾いたときにどのような効果が得られるのか、技術的に可能か、違和感がないかのすり合わせをしていきます。
4回目は全体像をみて、より本番に近づけた仕上げにむかっての調整。
共演者と本番までのリハーサルを最終的にはどのくらいの回数にするのか?
微調整にどのくらいの時間が必要なのか?
このあたりで再検討します。

リハーサルをたくさんしたい人
本番の偶然性を大切にしたい人

様々な共演者がいらっしゃるのでなかなか大変ですが
できるだけ、共演者の希望に合わせるようにしています。
それでも、自分の他のタスクが厳しい時や
どうしても自分の演奏に納得のいかないリハーサルなどは
無理を言ってお付き合いしていただくこともあります。

全ては本番に良いパフォーマンスができること。
そのコンサートのイメージが
共演者と「共有」できることが大切です。

この「共有」は言語化の能力が必要になる場合もあるので
なかなか一筋縄ではいきません。

そのお話は明日。






2025/08/13
225「お盆休み」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

お盆休み。
地方によっては、7月のところもあるようですが
私にとっては8月の方がなじみがあります。

私が小さい頃
近所のおうちに
お盆が近づくとお飾りが玄関先にちょこんと飾られていました。
キュウリやナスに割りばしが足のようにつけられて
子ども心に可愛いなぁ、と思っていました。
私の家では、当時、仏事を営むこともなかったので
そういった習わしをきちんと身をもって知ることがありませんでした。

それでも母が
「あれはお盆の時期に、おうちに戻ってくるご先祖様をお迎えするお供えよ」
と簡単に教えてもらえていたので
お盆の時期は大切なものだと思っていました。
亡くなった人のことが話題に上ると
「あぁ、お盆だからかしらね」と言って
顔を見合わせた、あの母の顔。

私の祖父が亡くなったのが中学3年生のとき。
初めての弔いは知らないことばかりで
葬儀屋さんのおじさんが
いろんなことを教えてくれたのが印象的でした。

その後は高校生の時に曾祖母。
94歳という大往生での葬儀が
こんなに賑やかで明るいものだとは思いませんでした。
留学時代に祖母が亡くなりましたが
母が「日本に一時帰国した時にお参りすればよいから」と
葬儀に参列しませんでした。

その後、祖父・母・祖母、と1年の間に3人を見送り
ぽっかりと空白の時間がありました。

そして2年前に、夫・父を
12日の差で亡くしました。

その間にも
音楽の友人、一番のママ友を亡くして
向こうの世界の方がにぎやかで羨ましくもあります。

お盆の季節。
京都の五山送り火を、夫と一緒に見に行ったことがあります。
京都の体にまとわりつくような暑さといっしょに
人ごみにもまれながら
「あそこ?」「こっちだ」とワイワイ言いながら
遠くにチラチラと燃える
送り火を眺めていた思い出がよみがえりました。

今年はひんやりと涼しい我が家から
テレビニュースで流れるであろう
送り火を一人で見送ろうと思います。

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