塚本香央里(つかもとかおり)
 ~ヴァイオリニスト&ライフオーガナイザー~
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2026/01/10
10「成人した娘たちとの生活②」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

長女は視覚優位で自分のこだわりを追求しすぎる傾向があり、決定までに時間がかかる。
次女は大ざっぱに見えて繊細な部分があるので、本人しかわからないこだわりを尊重しなければならない。

二人の部屋は勉強机と本棚のある5.5畳のロフト。
決して充分とは言えない空間ですが
自分たちの私物が揃っているので
居心地が良いみたいです。
それぞれの机と椅子。
本棚2つ配置すれば
ほぼいっぱいです。
一時帰国中も狭い空間に
二人が笑いながら話をしたり
出かける場所のリサーチをする声が
響いていました。

長女は自分で厳選したものしか持っていないので
物量は比較的少なめです。
空間把握も得意なので、どこまで自分のものを出してよいのか
他の人との兼ね合いも感じることができるので
自分の机周辺を自分なりにコンパクトに整頓することができます。
ただ、見えなくなると忘れてしまうので
箱やカゴを利用して、ある程度見えるようにする工夫は必要です。

次女は区切りをつけないと
どこまでも自分の領地を広げていってしまうので
予め「ここまで」という規制を伝えておきます。
箱やカゴの選択肢も自分で選んでもらいます。
一見、ごちゃついているように見えても
自分なりの法則があり記憶力も確かなので
忘れ物はほとんどありません。
引き上げるときには1時間くらいで
綺麗に原状復帰していました。

実家暮らしのころから
「私物は自分の部屋にしか置かない」というルールがあったので
リビングや他の部屋にモノがあふれるということはほとんどありません。
さすがに一時帰国中は、知人へのおみやげ、日本食、注文しておいたガジェット類などが
散乱していましたが、見事な荷造りですべて持ち帰っていきました。

二人がこのような性質を持っていることを
私はあまり意識して理解しようとしていませんでした。
自分の片付けメソッド【物は見えなく片づけるもの】を
当たり前のように伝えていたので
娘たちにとって「なんか違う」という違和感があったかもしれません。
特に次女は、モノや空間に対して私と全く違う感覚なので、
あまり良い気分はしなかったでしょうね・・・

その意識が変わったのが「ライフオーガナイズ」
私たちには【利き脳】というものがあり
その人が本来持っている性質と
環境によって育まれた特性の掛け合わせで大まかに分類され
さらに、思考のクセやその人が大事にしているこだわりを
じっくりと思考から読み解き整理に導いていく。
文字にすると難しそうですが
生活というものは
その人だけの
「オーダーメイド」でできるんだよ、ということを
教えてくれたのが「ライフオーガナイズ」でした。

そうすると、娘たちにもそれぞれに特性があり
私とも違う感覚を持っているんだ、と
離れた視点からみることができました。
さらに、
「どうしたら彼女がラクに生活できるのかな?」と
より深く各個人の内側を知る機会となりました。

姉妹といえども別人。
いっしょに暮している家族であっても自分とは違う人。

その意識は
思い返せば娘たちを産んだときから
私に根付いていた思いですが
「ライフオーガナイズ」を学ぶことによって
更に確固たるものとなりました。

今、娘たちは
私の手を離れた一人の大人です。
今回二人同時に我が家へ受け入れて
いっしょに生活した時間は
懐かしい家族で過ごした思い出を辿ることと
自律した娘たちの海外生活を垣間見るという
複雑な思いと
少しの寂しさと
大きな成長を感じた日々でした。








2026/01/09
9「成人した娘たちとの生活①」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

我が家には成人した娘が2人いて
今は海外で生活しています。
住んでいる国が違い
言語が違い
文化も違い
生活スタイルも違うので
facetimeで話をするときは
なるべく個々に繋ぐようにしています。
家族・姉妹とはいえ
お互いに聞かれたくない内容もあることでしょう。

さて、この年末年始は
長女が先に日本に戻り
次女が後から合流して
2人が同日の別時間に
それぞれの国へ帰るという日程。

受け入れ側の私としても
少し工夫が必要だと思いました。

日本滞在の目的も
長女は「休暇」
次女は「ヴァイオリンレッスン」
二人の共通目的は「推し活」と「日本食」

それほど長くない滞在期間を
いかに満足度高く過ごすことができるか、というのは
その後の生活にも影響すると思います。


食べたいメニューを聞く

食べたいものが何か?
これは我が家にとって最も大切なものになります。
日本滞在中の予定は、このメニューの組み立てで決まると言っても過言ではありません。
  • 家で食べたいメニュー
  • 日本でしか食べられない食材
  • 日本で食べたい外食メニュー
  • 日本のスイーツ
予定を見比べながら、食べたいものを基本に組み立てていくスケジュールは楽しい作業です。



朝食は自分で調達する

私は普段、朝食を食べません。
娘たちが単独で一時帰国するときには、なるべく作るようにしていますが、今回は二人同時なのでやめました。
そのため、各自が朝食の食材を調達するところからお願いしました。
ヨーグルトだったり、
ただ、前夜に残ったおにぎりを作っておくととても喜びました。朝食だけでなく、小腹が空いたときのおやつ感覚でおにぎりが食べられるのは嬉しかったようです。海外で日本米を買う勇気はなく、似たようなカリフォルニア米を炊いても、パサパサしてしまうので、おにぎりには不向きなのは私も経験済みです。
ふっくら、ほわっとしたおにぎりは、冷めてもおいしいですよね。


「ひとこと」を大事にする

一人暮らしをしていると、自分だけの「ルール」があったりします。自分だけが知っていることや、自分だけのこだわりは、言わなければ他の人にはわかりません。
「ここにおいてあるものは後でもう一度使うからね」
「このお菓子は絶対に食べたいからここに置いてあります」
ちょっとした一言が、トラブルを避けることにもなります。」
特に食べ物の恨みはコワいですからね・・・
その他に
「○○を探しているんだけれど、どこで買えるか知っている?」
これはとても重要です。
少ない時間の中で、効率よく予定をこなすには
移動途中で調達したり、リサーチして考える時間を得ることができます。

その「ひとこと」が大事!


上記の「ひとこと」には「ありがとう」という言葉も含まれます。
洗濯物を干してもらったら「ありがとう」
布団を片づけてもらったら「ありがとう」
配膳をしてもらったら「ありがとう」
荷物を持ってもらったら「ありがとう」

彼女たちは
外食をすると「ごちそうさまでした」と
お店の人にあいさつします。
それも大事な感謝のことば。

マスクの陰に隠れて
必要以上に声を出さない人が増えているように感じます。
寒さや花粉から、帽子+マスク+サングラス
なんていう人も見かけます。
そう・・・ラクですものね。
声を出したり、他人との会話って疲れることもあるし
煩わしいと感じることもあります。
でも、何か困ったことがあったら助けてもらわなくてはならないし
自分の世界がどんどん狭くなってしまう危険もあります。

海外にいると、何も言わない人は平気で無視されてしまいます。
「沈黙は金」ではないのです・・・

強くたくましく生きる娘たちは
今、日本と異国のはざまで必死です。

次回は共同生活のモノについてです。






2026/01/08
8「三人三様」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

年末年始に娘2人が一時帰国をして
賑やかな時間を過ごしました。
長女はドイツの音楽大学院で勉強しつつ
この1年は現代音楽に特化したアカデミーに奨学生として在籍しています。
10月から始まったアカデミーの密度の濃さは
長女なりに想像していたようですが
少し咀嚼の時間が必要になったそうです。
急遽日本滞在の予定を入れたため
受け入れ側の私が少しアタフタしてしまいました。

次女はスイスの音楽大学で学士過程の最終段階。
フランス語での授業に四苦八苦しながら
生活面の方でもストレスが多く
なかなか落ち着かない日々を過ごしているので
帰国できるタイミングがあれば帰ってくるように
我慢しないように伝えています。
今回は論文のための資料を日本語で探したり
リサイタルのプログラムを決めるため
滞在中もレッスンをしました。(一応、私も次女の教師です)

海外で暮らしていると
日本を少し離れた視点で見ることができます。
良い面・そうでない面。
それぞれの立場から話をきくことが
とても興味深く
こちらもたくさんの学びを得ました。

自分が留学していた時のことを(よいしょ・・・と)
思い出して伝えたり。
時代は違うけれど
変わらない思いや
大事にしてほしい日本のことなど。
facetimeでは伝えきれない
同じ空気と時間の中で話せることを
大事にしました。
画面越しの会話は
どうしても記憶から薄れてしまう気がします。

二人とも、幼少期から大学生まで(または高校生まで)
しっかりと日本の生活が身についているので
根元が揺らぐことはなさそうですが
一筋縄ではいかない
海外での生活に翻弄されないでほしいものです。

ドイツとスイスは
同じヨーロッパであっても
似て非なる国。

特にスイスの話は興味深く
次女の視点からみる景色は
なかなかおもしろいです。




それにしても
若者が2人になると
テンポアップと賑やかさが倍増して
活気にあふれた
音のあふれる日々でした。

ドアを開ける音
階段を登る足音
お風呂場から聞こえる鼻歌
キッチンの冷蔵庫を開ける音

生活の中に
自分では気がつかない音が
たくさんあふれていることに気がつきました。

姉妹と言っても性格は違うので
こちらも工夫が必要です。

  • 食事のこと
  • 共同生活の基本
  • ライフオーガナイズに沿った私物整理のための工夫
  • 娘たちへの選択肢の幅を広げる視点の変化
そして、若者に振り回されて自分を見失わない工夫などを
次からお伝えしていければと思います。













2026/01/07
7「祈ること」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

昨日、姉が視覚障碍者だということ書きました。
50代からの中途視覚障害。
この10年の景色は彼女の中でどのように彩られているのでしょうか。
見えにくい世界から、徐々に失われていく視界とともに
どのように考えていたのか
私には聞く勇気もなければ、
どんな声をかければいいのかわかりません。

視界が失われていく最中、姉は私に何も伝えませんでした。
どう伝えたらいいのかもわからなかっただろうし
私が狼狽えることを知っていただろうし
多分・・・
憐れんでほしくなかっただろうし
同情されたくなかったのだと思います。

気持ちはよくわかります。
妹に弱みを見せたくないから。
姉の意地。

小さいころから「優等生」といわれて
勉強も運動もできて
親の期待も大きかった姉。
(その陰に隠れて、ズルをしたりいたずらをしても
怒られなかったり、見逃されたりしていた妹の存在は
さぞかし苛立たしかっただろう・・・)

「見えない」というハンディがあっても
精いっぱい意地を張りたかったに違いない。

未だに
私に会うときには
きちんと背筋を伸ばして
着物をきちんと着こなして
周りの人が驚くほど
立ち居振る舞いが堂々としています。
(だから私のポンコツが目立つ・・・笑)


だから、私にできることは
姉に「祈ってほしい」と伝えることでした。

自分の力だけではどうにもならないこと。
家族の状況が厳しくて自分だけでは気持ちが耐えられないとき。
暗闇しか見えなくて苦しいとき。
心が涙を流しているとき。

私は自分の心が苦しくなると
いつも姉に電話やメールで
「祈ってほしい」と伝えています。

そうするとすぐに
「まかせて」
と返事が電光石火の如くかえってきます。

姉はカトリック信者なので
祈りは生活に一部になっています。
その強み・得意を活かして
私だけのために祈ってくれます。

姉しかできない
姉にしか頼めない
私がお願いしたいこと。
わがままだと言われてもいい。

それが「祈る」こと。
姉と私をつなぐ強力な絆。




未だに、視覚障害についての疑問があるとき
私は単刀直入に尋ねます。
「どうしてほしい?」
「何が必要?」
「こういう時はどうすればいいの?」
訓練を受けた視覚障碍者には
その人の方法があり
闇雲に手伝おうとしても
邪魔になってしまうこともあるそうです。

歩数を数えている。
音を聞き分けている。
空間の広がりを感じている。

ただ、緊急に危険にさらされていたり
音の出ない信号で青になったタイミング
イレギュラーなこと(列車の遅延だったり番線の変更)があった場合は
声をかけてもらえると助かるとのことです。

くれぐれも
点字ブロックに物を置いたりすることは
避けたいものです。


ポッドキャスト:視覚障害者ゆりさんの日々










2026/01/06
6「見えない世界で生きる姉」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

私の姉は中途視覚障害者です。
50代の初めから徐々に見えづらくなり
5年ほどで完全に視力を失いました。

弱音を言わない姉の状態に気づかず
私自身も混乱の中にいたコロナ禍。
姉は必死の思いで日本点字図書館の自立支援訓練を受け、
なんとか見えない世界へのシフトチェンジをしました。

50代になってからの失明は
それまでの人生を失うくらいのショックと悲しみ。
「なんで私が」というやりきれない思い。

私が気がついたときは
無我夢中で訓練を受けた先の
「見えない世界」をしっかりと歩んでいる姿でした。

この数年、姉は趣味の歌舞伎を楽しみ
持ち前のコミュニケーションの高さを活かして
実証実験に参加して意見を伝えたり
「見えない世界」についての発信や
講演会をしています。
そこまで辿り着くまでのお話は
折々にご紹介していきたいと思いいます。

姉の様子がテレビで放映されるとのことなので
ご案内します。
以下、本人からのお知らせです。



『過日、東京都デジタル局企画「障害者がスマホを使用過日したスマートサービス実証実験https://www.metro.tokyo.lg.jp/information/press/2025/12/2025120306」に参加したおり、東京MXテレビより「視覚障害者の日常密着取材」を依頼されました。


日常の白杖歩行、日本点字図書館・点字教室ボランティア指導や自宅での様子を取材されました。以下の報道番組内の1コーナーで放映されるとのことです。


東京MXテレビ

2026年1月7日 水曜日 20時から21時の間の1コーナーにて

番組名:堀潤 ライブジャンクション


但し、生放送番組なので、事情によっては緊急報道へ変更になる可能性もあるとのことです。どうぞご了承くださいませ。


様子も分からないまま、おろおろしながらの撮影取材でしたが、少しでも視覚障害者について知っていただけるきっかけになればと思いました。

ご視聴いただければ幸いに存じます。』



ポッドキャスト『視覚障碍者ゆりさんの日々』






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