塚本香央里(つかもとかおり)
 ~ヴァイオリニスト&ライフオーガナイザー~
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2025/03/14
73「子育て・私の場合」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

私には二人の娘がいます。
二人とも今現在は音楽の道を模索しながら
海外で修行中です。

私は常々【子育ては18歳まで】と思っています。
手取り足取り
彼らの主張に対して意見を述べ
とにかく我が家の主義を教える。
家庭の中での役割を徹底的に伝え
何にどれだけの労力とコストがかかるのかを
包み隠さず教えました。
数字の強さでその役割は主に夫でした。
娘二人とも
小学校高学年から中学生の反抗期には
なかなか苦労しましたが
夫と分担しながら
子育てに全力で向き合ったといえます。
(夫と長女は似た者同士なので
見ていてハラハラ。家の中が重苦しい険悪ムード。
翻って次女は、私と似ているので
ガチャガチャと口喧嘩の応酬と権力争いで大変)

18歳から20歳の2年間を移行期として
徐々に手を放しつつ
20歳を境に自力で道を模索して決断するように促しました。


もちろん意見を求められれば
私の意見を言いますが
最後に必ず付け加えるのは
「最終判断はあなたの判断だけどね」

どんな判断を下しても
本人が納得するのであれば
私がそれについてヤキモキする必要はありません。
伝えきった後から付け加えることはないからです。
娘たちは最初のうち
「なんだか放り出されたような感じ」と
不安になったり
「真剣に考えてくれていない」と
憤ったりするようです。

でも、いつか気がつきます。
「自分で決めたことだから納得。
その決定にたどり着くまでの道のりは
それまで教えてもらったことを辿れば
正解のはず」と。

子育ての正解はすぐに見えるものではありません。
大切なことを伝えたつもりでも
全然覚えていなかったり
見当違いなことを選択することもあります。
それでも、親が大切にしていることは
いつまでも伝えつづけるべきであり
その労力が思わぬところで花咲くこともあることを
彼女たちが教えてくれました。

そして、その伝え続けたことを礎として
自分でアレンジし
さらに高みへと展開させることができる姿には
感動と尊敬の念を抱きます。

とはいえ、
まだ20歳になったばかりの次女には
ハードルが高い事柄が多く
ジタバタと、もがいている様子もありますが
全てを自分でコントロールしつつ
海外での生活と学業を両立させていく姿に
エールを送りたいものです。



でもね、いつまでたっても心配は尽きないものです。
子どもという存在がある以上
いつまでも気になる、ということです。








2025/03/13
72「伝わる話し方講座を受講して」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。



先日、「伝わる話し方」という講座を受講しました。

講師は、元NHKアナウンサー・ラジオパーソナリティ

現在はライフオーガナイザーとして現場でも講師でも活躍されている

馬場あゆみさんです。

(長崎県在住の講師とオンライン講座受講!本当に便利な世の中になりましたね!)

馬場さんの豊富な経験から、プロの話し方を学ぶことができる講座ということで、

以前から興味を持っていました。


私がこの講座を受講した理由は、

自分のコンサートで曲目解説をしながら演奏する「レクチャーコンサート」の場面で、

自分の話し方がどのように聞こえているのかを客観的に確認したかったからです。

話す速さや内容の伝わりやすさにも自信が持てず、

一度プロの視点からアドバイスをいただきたいと考えていました。


講座は全2回の構成で、

事前に自分のコンサート風景を録画したものを講師に送り、

チェックしていただきました。

初回では、以下の4つのテーマについて学びました。


1. 自己紹介ってどうしてる?

2. どんな話し手になりたい?

3. 苦手意識をどうする?

4. 伝えるための技術


講座の最初に、自分の自己紹介を録音し、

他の受講生に聞いてもらって感想をもらうという活動を行いました。

私の声について「好きな声」「響く声」「年相応な声」といった感想をいただいた一方で

「話の始まりと終わりが少し印象に残りづらい」「所々、自信がないように聞こえる」

という指摘も受けました。

これらの意見は自分では気づかないことだったので、とても参考になりました。


「どんな話し手になりたいか」のテーマでは、

話すスピードや一文の長さ、

語尾の使い方など、具体的なポイントを学びました。

「苦手意識」については、

「おもてなしの気持ち」を持つことで

相手に伝わる話し方に変わるというアドバイスがあり、

非常に印象的でした。

こういった感覚は、一度で身につくものではなく、

経験を積み重ねていく必要があると感じました。


「伝えるための技術」では、

呼吸法や間の取り方、マイクの使い方など、実践的なテクニックを学びました。

また、講師の経験談を交えながら、

マスコミ対応やテレビ・ラジオ収録時のポイントなど、幅広い知識を得ることができました。


1回目の講座後には宿題が出され、

それを意識しながら1か月後の2回目の講座に臨みました。

2回目は、初回の内容を振り返るとともに、

学びを実際の現場でどう活かすかについて受講生同士で意見を交換しました。

ご一緒した受講生が新しい自己紹介を披露した際には、

格段に聞き取りやすくなり、話し方の雰囲気も大きく変わっていたことに感動しました。

こういうことも、どんな受講生と一緒に学ぶか?ということで

大きく違ってくるものなのだと思いました。


一方で、自分自身の課題にも気づかされました。

発声練習として挑戦したリップロールが思うようにできず、

少しびっくりしました。

リップロールって顔の筋肉がやわらかくないとできないんですね・・・

口角があがっていないと全然できないです。
今は特に午前中にリップロールをしています。

また、1分間にどのくらいの文字数で話せば適切なのかを測ることができ、

今後のコンサートで役立つと感じています。


講師からの

「コンサートのMCではミスリードをしない」

というアドバイスも非常に印象的でした。

観客に正確に伝わるように、

演奏プログラムを組み立てながら

話すシナリオをさらに磨いていく必要性を実感しました。

コンサートの課題が急に増えました。

また、「言いたくないことは言わない」という言葉も心に残りました。

空白を埋めようと余計なことを話しがちな私にとって、大切な教えです。


この講座を通じて、

話し方の技術や意識すべきポイント、

改善点をたくさん学ぶことができました。

これからも学びを活かしながら、

より伝わる話し方を目指していきたいと思います。


講師のお話が本当に楽しくて
話題も豊富で刺激的。
声の訓練を受けているため
長時間聞いていても疲れることなく
勉強になりました。


来週のコンサートで活かされますように!






2025/03/12
71「雨の日に思い出す曲」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。



雨の日に思い出す曲

ブラームス
ヴァイオリンソナタ第1番
「雨の歌」作品78



外を駆け回るのが好きだった幼少時代。
雨の日が苦手でした。
アイロンかけをする母の横で
庭の水たまりを眺めながら
「雨はいつ止むの?」と
しつこく聞いていたことを思い出します。

実家の庭は私が駆け回ることによって
芝生が剥げて土がむき出しのところがたくさんありました。
雨が降ると、くぼみに水たまりができます。
その水たまりに、雨しずくの模様ができます。
雨足によって
水たまりが静かだったり
賑やかだったり。
飽きもせず、ずっと眺めていました。
そしてその先に見えてくる
お友だちがリカちゃん人形で遊んでいる姿を
羨ましく思ったものです。
リカちゃん人形を持っていない私は
雨の日はいつも仲間外れ。
それでもふてくされることなく
雨の庭を見ていたのはどうしてなのか?

私の母は、私が欲しいと思っているオモチャを
買ってくれることはなく
家にあるもので代用する知恵を教えてくれました。
ミルクのみ人形がほしいけれど、いつものぬいぐるみで代用。
お人形にかけてあげるお布団は手縫いで作ってくれる。
お世話してあげる哺乳瓶がほしいけれど、ソースの空き容器で代用。
(この思い出は強烈で、未だにソースの容器を見ると
反射的に匂いをかいであの頃のことを思い出してしまう。
良い思い出なのか複雑だけど、嫌な思い出ではない)
その当時の母は、子育てをちゃんとしなきゃ、と思っていたらしく
子どもを甘やかしてはいけないと頑張っていた、ということを
後になって知ったけれど、
私にとっては悪いことではなくて
どうかすれば、自分の娘たちにも同じことをしていました。

私が初めてブラームスの「雨の歌」を弾いたとき
あの、小さい私が見ていた庭の水たまりと
友だちに会えなくて寂しい気持ちと
母と二人だけで過ごす
静かな時間が
ザザッとよみがえりました。
私の来ている洋服、窓辺、視線、色彩。
母がアイロンをかけている様子、部屋の空気。
空の色、軒からおちる雨だれ、水たまりの様子。
細かいディテールまで想像することができました。
その時初めて
「あぁ、私の音楽ってここに在ったんだ」と
ホッとした思いに包まれました。
それまで練習していた曲たちが
ずっと繋がってここまで連れてきてくれたこと。
音楽を表現するということを
しっかり教えてくれた曲が
この「雨の歌」でした。

私が見ていた雨は
きっと今日のような雨だったに違いないです。


今はなくなってしまった実家の庭。
記憶の中に残っているから
演奏することによって
それらが蘇る。
私は、それらを伝えたいと思います。





2025/03/11
70「3.11記憶」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

14年前の今日。
まだまだ子育てに忙しい時期で
それでもヴァイオリンを弾くことを
必死に続けていた頃でした。
その頃は月一回、聖路加国際病院のトイスラーホールで開かれる
ボランティア演奏者によるお昼のコンサートに参加していました。
演奏する機会が多くなかったので
このコンサートに参加させてもらえることは
とても貴重な時間でした。
月一回のおでかけは、
長女は学校の放課後キッズで遊べるし
次女は延長保育でお友だちや先生と遊べるから
私も少し羽を伸ばしてお茶を飲んだり
買い物を楽しんだりしていました。

あの日も自分の出番を終えて、
少し早くコンサートを抜け出しました。
いつも、自分の時間を少しでも満喫するために
銀座に寄って、娘の洋服を買ったり
本を買ったりするのですが
その日はなんとなく「早く帰らなきゃ」と焦る気持ちがあり
いつもより早い時間に帰路につきました。
電車の中からふと空を見ると
不安になるような見たことのない雲の色で
心がざわざわしたことを鮮明に覚えています。

帰宅して手を洗い
洗面所のある2階から階段を降りるときに
ガタガタと
尋常ではない揺れがはじまり
あわててダイニングテーブルの下に入ったところで
夫からの連絡が携帯にかかってきました。
「今切ったらもう繋がらなくなるから」と言われ
テレビをつけてニュースを見ながら
お互いの状況を伝えあいました。

その後、私は娘たちのことが気になるので
「これから娘たちを迎えに行ってくる」と
電話を切ったとたんに幼稚園から連絡が入りました。
「あぁ、よかった。お迎えに来られますか?」

その後
バタバタと準備をしていると
近所のママさんが
「大丈夫?」と言いながら
外を走りながらご近所さんの安否確認をしていました。

私はとにかく娘たちを迎えに行かなければ、と
小学校と幼稚園へ向かい
無事に合流して自宅へ帰りました。

あの日からの混乱は
それまで経験したことのないものでいっぱいでした。
さまざまな情報が錯綜して
どんな風に状況を咀嚼すればよいかもわからない。
不安しか感じられない時間でした。




あれから14年。

あの時のことを
忘れないことが
私にできることです。

音楽家として私にできること。
静かに
祈りとともに
音を紡いでいきたいと思っています。







2025/03/10
69「楽器の調整は感覚を研ぎ澄ませて」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

今日は楽器職人さんの工房へ行ってきました。
今年の冬はどうにも乾燥が尋常ではなく
音がガサガサしてきました。
私のヴァイオリンは長く生きているので
(270歳以上?)
ちょっとのことでは驚かないし
かなり胆の据わった楽器なので
不調を訴えてくることも少なく
頼りになる相棒なのですが
さすがにこの乾燥は可哀そうだな、と。
それでも
「がんばって~」と
騙し騙し弾いていたのですが
先週後半くらいから
私の耳が嫌がるくらい気になってきたので
思い切って楽器職人さんの予約をとりました。

乾燥するとどんな音になるのか?
これは感覚ですし
人それぞれの印象なので
明白な基準があるわけではないのですが
とにかく
「耳元でこの音をずっと聞いていられないかも」と
思うことでしょうか。

自分の音が嫌いな時は以下のような感じ。
  • 練習不足で音程が合わなさ過ぎて嫌気がさす
  • 外的要因(乾燥・湿気)などでうまく鳴らない
  • 楽器自身が謀反を起こしていて練習をボイコットしている(そんなことあるの~?と思われるでしょうが、たまにあります。まぁ、私が真面目に練習しないから、しっかり音を出し切らないから、という要因が一番大きいと思うのですが・・・)
今回の場合は2番目の要因ですね。

楽器も生きているので、その時によって鳴っている音が違います。
何年も一緒に弾いていると、楽器個別の性格があったりするので
面白いです。
(因みに娘たちの楽器もそれぞれの個性があり
二人とも楽器に振り回されながら、または振り回しながら
試行錯誤の日々です。
二人とも若い楽器なので、演奏者と対立が多いのかも?)

楽器職人さんに
「乾燥が原因だと思うのですが、音がガサガサしているんです」
と伝えると、ササっと楽器を弾いて
「あぁ、なんだか取っ散らかっている感じですね」と。

私の言葉をちゃんと聞いてもらえて
意思が伝わるのはなんと素晴らしいことか。

私の伝え方は、そんなに専門的ではないです。
とにかく感覚を伝えるだけ。
「なんだかしっくりこない」
「ガサガサ」「のっぺらぼう」
「ジャリジャリ」「バランスが悪い」
とりあえず自分の感覚に合う言葉を
ドンドン伝えて
自分がどんな音を欲しているのかを
一生懸命伝えます。
楽器職人さんは
「フムフム」と聞きながら
「わかりました(なんとなく)」という感じです。

弓の毛替えもお願いして数時間後。
きれいにしてもらった楽器に再会して
試奏してチェックして。

自分で一生懸命伝えたことが
ちゃんと音に反映されていると
ホッとします。

楽器は自分でメンテナンスできるところが限られているので
細かいチェックは楽器職人さんにお願いします。
ミリ単位以下の調整で音がガラリと変わることもあります。

今回は我慢しなくてよかったなぁ、と
本当にホッとしました。

(そのため、他の作業が渋滞中になってしまいましたが、
それは自己責任ということで・・・)




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