ボンヤリと暦を見ていたら、今日は七十二候の「腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)」という何とも難しい文字の並ぶ頃らしいです。昔の人は、腐った枯草が蛍になったと思っていた様子です。草場にふわりふわりと舞う蛍は、梅雨の初めに羽化します。そう、蛍が舞い始める頃なんですね。
私の実家の近くには里山があって、蛍を見ることができました。幼い頃、蛍が見れることはそう特別なこととは思わずに過ごしていました。後年、父が独居している頃「孫に蛍を見せたい」と言われたのですが、私は6月が蛍鑑賞の時期と知らず「夏になったらね」とトンチンカンなことを言って、見逃してしまいました。残念なことをしました。
実家には蛍についての絵本がありました。あまり良く覚えていないのですが、蛍の一生を描いた絵本だったと思います。蛍は羽化して1~2週間で寿命を終えるので、その短い時間のことを綴った物語だったと思います。悲しい絵本はあまり好きではなかったので、その絵本の表紙を見るだけ、またはパラパラとめくるだけでした。そのときの絵柄が夏の様子にみえたので「蛍は夏に見るもの」という固定観念が植え付けられてしまったのかもしれません。
蛍には「人の魂が蛍になって現れる」という伝承が伝えられています。古くは和泉式部も詠ったとか。
小さな光を伴って、ふわり、ふわり、とあちらこちらに舞う蛍。
あの里山で、まだ見ることができるのでしょうか?