こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。
時計をいくつ持っていますか?
その時計に思い出はありますか?
昨日のブログの続きです。
私の夫は、時計が趣味でした。
一緒に出掛けて時計店があると
必ずショーウィンドウを覗いて
いろんな説明をしてくれました。
私には知識があまりなく
自動式と手巻き式の違いも分からず
それでも美しい時計を「見る」のは好きでした。
結婚してすぐのころ
「ペアウォッチ」を買いました。
黒い革バンドで、ベゼルがスクエア。
その頃のファッションに合わせて
色はゴールド、文字盤をローマ数字にしました。
ちょっとエレガントで
二人で食事に行くときに好んで身に着けました。
”時計もファッションと一緒で
その日の気分や装いに合わせることができる
自分の表現方法の一つだよ”
私は時計に対してあまり思い入れが無かったので
その言葉には驚きました。
そうか、どのように自分を魅せたいのか
もしくはその時計にふさわしいように振舞うことの大事さ・・・
時計が持っている役割を、改めて学びました。
夫は20代後半で
Rolex Sea-Dwellerを清水の舞台から飛び降りる気持ちで購入したそうです。
自分のお給料と相談し
お店に3日通い
店主に「来月から値上げするんだよ」と言われて
購入を決めたそうです。
”その時計に見合う自分になる”
そして
”ここぞ、という勝負の時に気合を入れる”という意味で
ビジネスの重要な場面があるときは
丁寧に時刻合わせをしていました。
朝の身支度の中で
時計を合わせるという時間は
夫にとって
とても重要で
気持ちの切り替わる時間だったのかもしれません。
私の節目になる年には
必ず時計をプレゼントしてくれました。
「ジュエリーの方がいいんだけどなぁ・・」と思っていた私ですが
節目ごとにレベルアップしていく時計を見ると
「この時計に見合うような女性になるのは、かなり大変💦」と
気が引き締まる思いがしたものです。
いつか二人で
PATEK PHILIPPEを
ジュネーブで買おう!
途方もない夢を
ウインドーを覗きながら
カタログをめくりながら
二人で笑った時間は戻ってきません。
夢のある時計という存在に
「時間」という容赦ない魔物が棲んでいることを
思い知った月日でした。
夫が最後に身に着けていた時計は
海に行くときに
水に濡れてもよくて
傷がついても良い
デジタルのそう高くないものでした。
夫は知っているはずです。
長女があこがれのまなざしであなたの「時計」を
みつめていることを。
だから私は「時計」を
あれこれ身につけながら・・・
夫の「時計」も身に着けて
娘たちと一緒に思い出を辿ろうと思います。