塚本香央里(つかもとかおり)
 ~ヴァイオリニスト&ライフオーガナイザー~
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143「死について考えることが多くなりました」

2026/05/24
143「死について考えることが多くなりました」
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

「年とる力 阿川佐和子」(文春新書)

積読の解消はずっと続きます。ついフラフラと本屋さんに寄ってしまうと、読みたい本や気になる本が押し寄せてきて、気がつくと手には2,3冊を抱えている状態になります。「今読むべきか?それとも積んでおくべきか?」というしょうもないことを考えながら、時に本を棚に戻しつつ、時にお会計へと急ぐことになります。


今回の本は、たまたま立ち寄った駅の本屋さんで手に取ってそのままお会計に行っていました。


阿川佐和子さんの本は、次女がエッセイ好きなのでよく読んでいました。

近頃は70代になった著者の生活エッセイが多く、ちょっと先を行く先輩の毎日を覗いているような感覚で読んでいます。近頃の本屋さんには、80代、90代の方が執筆したエッセイ集の多さに驚きます。執筆が本業ではない方の生活に関するエッセイ、お金に関するエッセイ、趣味に関することなど多岐にわたる内容で、背表紙を見ているだけでも楽しいです。ただ・・・よく内容を確かめないとがっかりすることも多いので購入には厳しい目で臨みます。


阿川佐和子さんの文体は嫌味の無い笑いと、自分の失敗談をさらりと表現するところにいつも魅力を感じてしまいます。自分の失敗談って、なかなかうまく書けないし、自分としては忘れたくて記憶から無くしているし・・・できれば晒したくないです。ちっぽけですが、自分のプライドが許さないという、ちっちゃな自分がいます。でも阿川佐和子さんの場合には、それが読み手としては読みたい部分であることもよく知っていらっしゃいます。クスリと笑ってしまうことも、品よくかわすところが「わぁ、いいな」と思ってしまう。私もそんな風に書きたいなぁと思ってしまいますが、あこがれだけで終わりそうです・・・


今回は最後の章『最期にむけて』が一番グッときました。

私はまだ(一応)50代ですが、死については頭の片隅にしっかりと居座っています。私自身、多分、他の人よりも死を意識して過ごしてきたような気がします。中学時代にクラスメイトが病気で亡くなったり、友達のご両親が相次いで亡くなったり、自分の祖父が亡くなって葬儀というものをはじめから最後まで経験したことがずっと心にあるからかもしれません。10代にわりとたくさんの葬儀に関わったこともあり、死に対しての経験が自分の中に蓄積された感じです。30歳の1年で母を含めた3人を亡くしたことが大きな重しとなり、54歳で身近な2人の家族をほぼ同時亡くすということで死がすぐ隣に座っているように感じます。

怖い思いと、やるせない思い、残された家族の焦燥感などを身近に感じたことも大きく影響しています。

今までは見送る方としての心構えなどを主に考えていましたが、これからは見送られる方としての姿勢に切り替わっている感じがします。

「長らくお邪魔しました」と言って去りたい阿川さん。

私は飛ぶ鳥跡を濁さず「じゃあね」といって待っている人の元へ飛び込んでいきたいと思います。



『年とる力』阿川佐和子 | 文春新書 七十過ぎても楽しく元気に過ごす秘訣とは 冠番組にドラマ出演、新聞雑誌の連載…。古希を越えますます活躍中のアガワが健康法や美容、趣味など笑って楽しく生きる秘訣を告白。『年とる力』阿川佐和子