塚本香央里 ~ヴァイオリニスト&ライフオーガナイザー~
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2025/08/07
219「整えることの本当の意味」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

夫が亡くなって、少しずつ家を整えています。

終活?

そこまで考えてはいませんが

20年後を区切りとして今からできることをしています。


これから歳を重ねていくと

5年区切りで考えることが多くなっていくでしょう。

そのうち3年区切り

1年区切り

半年

1か月。


私はそうやって実父の姿を見守りも看取りました。


その判断をすることがとてもつらかった。


何度も覚悟して、何度もシミュレーションをして、

その時を迎える準備をしていたけれど、

その時が近づいてきた数か月の苦しさは忘れることができません。

たった半年、されど半年。

ただ、実父のきちんとした性格に助けられて、

死後の事務処理はスムースでした。


夫を亡くした後

私はこれからこの家をどうやって維持していくのか

どのように考えていくのかを少しずつ考えています。


他人は

「きっと娘さんたちが一緒に住んでくれる」

「そのうち孫が遊びに来るよ」

様々な意見を言いますが、私自身はそうではありません。


娘たちがどう思っているのか?よりも

夫と築いたこの家への思いと、

これから夫と一緒に考えていくはずだった

一つ一つのことを粛々とこなしていくだけです。


バスルームと洗面所の改装はその手始めでした。

20年以上たった水廻りの工事は早急にするべきことでした。

温かいお風呂場とお掃除しやすい機能。

これから20年後を見据えたら、早くに快適な状況を作り出すべきでした。


次は、玄関廻りの改装。

この5~6年の課題だった玄関廻りは

我が家へやってくるちょっと年上のご近所さんへの配慮もあります。

それはまた、いずれ自分にも必要になってくるのです。


最後に、娘たちへの思いです。

「私はいつでもここにいる」

「いつでも戻ってきていいよ」

と伝えたいから。


私がこの家に居心地よく住んでいれば、

彼女たちも

「いいなぁ、私もちょっと寄って休んでいくか」と

日ごろ抱えている荷物をおろして

休憩する場所になるのではと思っています。


それは、私自身が

両親から受け取っていた「静かな愛情」だから。




2025/08/06
218「リサイタル準備は決断から」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

8月になると、12月のリサイタル準備が本格化します。

今までは、変更可能だった企画がその先へと進み
決断して各方面への手続きが始まります。
それまでに、色々とシミュレーションしながら思案してきたことも
しっかりと決断しなければなりません。

コンサートの自主企画というのは

自由に考えて楽しいような

制限がないのでどういう風に考えたらいいのかわからずに

苦しいものやら、なにやら複雑。


私の場合はアレコレ考えた末に

自分の首を絞めるようなプログラムになるのはいつものことです。


あれもこれも詰め込みたい。

挑戦してみたい。

聴いてもらいたい。

伝えたい。


暑苦しいです。

練習過程を逆算して考えているのに

うまくいかなくてスランプに陥ったり

予定が狂ったりするのはいつものこと。


それでも12月にむかって進んでいくこの工程は嫌いではないです。

子どもが小さくて練習時間がなかった時も

娘たちの習い事満載で過密スケジュールを縫うようにしていた時も

心の灯が消えかかっていた時も

リサイタルという目標に向かって進む自分を

鼓舞しながら

演奏することに全力投球しました。


それが私の強み。

今年のリサイタルのテーマは「ベートーヴェンとともに歩む・そしてその先へ」


今までの積み重ねを大事にしつつ、新しいことへ挑戦する。

そんな想いが皆様に届きますように。



2025/08/05
217「秋冬の準備」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

夏の暑い時に、秋冬のコンサートシーズンに向けての準備をしています。
今から12月のことを考えるのはなかなか難儀ですが
この時期を逃してしまうと大変なことになるので
おとなしくコツコツと進めています。

12月に小さな絵本コンサートを開催します。
親子のために、クリスマスにちなんだ絵本を準備しています。
今回は初めてヴァイオリン2台での演奏を予定しています。
かわいらしい絵に似合うような曲を探しているのですが・・・

この厳しい暑さで頭から湯気が出そうです。







2025/08/04
216「危険な夏の様相」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

キケンな暑さ・・・

朝起きて
若干のだるさと
頭痛と滝汗・・・

すぐに水を飲みながら
ゆっくり体をほぐす

太陽礼拝と超簡単なストレッチ

ゆっくり動かないと
本当に危険な暑さ

娘たちとのfacetimeでアタマを起こす

「ちょっと肌寒くて、長袖の洋服を持ってこなかったのが悔やまれるわ」

ヨーロッパの季節は8月になれば
ほんのり秋の様相が含まれてくる

ううむ
日本の夏はこれから10月まで続くような気がするのだが・・・

ちょっと遠い目をしながら
ヨーロッパに住む娘たちとの会話に
大きなズレを感じる今日この頃



2025/08/03
215「27年前の夏」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

私の母は27年前に62歳で亡くなりました。
肺がんの告知を受けて4か月でした。
27年前の夏、父と一緒に新幹線に乗って祖父の初盆を営むときに母の状態を聞きました。
「あと半年かもしれない」
動揺する私をよそに、父は淡々としていました。
諦めたような、途方に暮れたような
冷めた様子に私は憤りを覚えました。
私はその後、ジタバタしながら
様々な情報を頼りに
母の命を永らえるために走り回りました。

母は私にとって戦友でした。
家族が3か所に別れて暮らしていた時
それぞれの事情があってのことでしたが
母と一緒に乗り越えたことが数多くあり
たくさんの思い出として残っています。
私が結婚を決意した時は
夫のことをとても頼りにして
おしゃべりを楽しんでいました。
「お母さん、新しいカメラを買ったんですよ。
記念に撮ってあげます!」
「え~恥ずかしいわぁ。目の下にクマ作っているしヨレヨレなのよ」
と言いつつも嬉しそうに笑顔で写した写真が遺影になりました。
痩せた頬を隠すように
でも、嬉しそうに
はにかみながらカメラをみつめる母の笑顔が
私の永遠の母の姿になりました。

母が実際に会うことの叶わなかった私の娘たち。
二人とも、私の母に会ったことはないけれど
「きっとGママ(彼女たちは母のことをそう呼んでいる)だったら、いっしょによろこんでくれるよね」と
何年たってもそう言ってくれます。

亡くなって25年経っても思い出せば涙が出ますが
母の姿は年を重ねるごとに落ち着いてきました。。
私との距離がある一線を境に
揺るがなくなったからでしょうか。
近すぎず
遠すぎず
お互いの世界が静かな凪となったように。


あの時
父はあきらめたのではなく
自分を守るために
自ら凪いで流されようと思ったのだと思います。
今なら父の気持ちがわかる気がします。

今は二人で仲良く
お茶でも一緒に飲んでいるのでしょうか。
ここで一緒に話せなかったことを
今は存分にしているのでしょうか。

8月になってそんなことを思い出すのは
お盆の季節だからですね。











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