塚本香央里 ~ヴァイオリニスト&ライフオーガナイザー~
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2025/08/03
215「27年前の夏」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

私の母は27年前に62歳で亡くなりました。
肺がんの告知を受けて4か月でした。
27年前の夏、父と一緒に新幹線に乗って祖父の初盆を営むときに母の状態を聞きました。
「あと半年かもしれない」
動揺する私をよそに、父は淡々としていました。
諦めたような、途方に暮れたような
冷めた様子に私は憤りを覚えました。
私はその後、ジタバタしながら
様々な情報を頼りに
母の命を永らえるために走り回りました。

母は私にとって戦友でした。
家族が3か所に別れて暮らしていた時
それぞれの事情があってのことでしたが
母と一緒に乗り越えたことが数多くあり
たくさんの思い出として残っています。
私が結婚を決意した時は
夫のことをとても頼りにして
おしゃべりを楽しんでいました。
「お母さん、新しいカメラを買ったんですよ。
記念に撮ってあげます!」
「え~恥ずかしいわぁ。目の下にクマ作っているしヨレヨレなのよ」
と言いつつも嬉しそうに笑顔で写した写真が遺影になりました。
痩せた頬を隠すように
でも、嬉しそうに
はにかみながらカメラをみつめる母の笑顔が
私の永遠の母の姿になりました。

母が実際に会うことの叶わなかった私の娘たち。
二人とも、私の母に会ったことはないけれど
「きっとGママ(彼女たちは母のことをそう呼んでいる)だったら、いっしょによろこんでくれるよね」と
何年たってもそう言ってくれます。

亡くなって25年経っても思い出せば涙が出ますが
母の姿は年を重ねるごとに落ち着いてきました。。
私との距離がある一線を境に
揺るがなくなったからでしょうか。
近すぎず
遠すぎず
お互いの世界が静かな凪となったように。


あの時
父はあきらめたのではなく
自分を守るために
自ら凪いで流されようと思ったのだと思います。
今なら父の気持ちがわかる気がします。

今は二人で仲良く
お茶でも一緒に飲んでいるのでしょうか。
ここで一緒に話せなかったことを
今は存分にしているのでしょうか。

8月になってそんなことを思い出すのは
お盆の季節だからですね。












2025/08/02
214「好きなことってなんだろう」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

好きなことは何ですか?
どんなことをしていると時間を忘れますか?

私はこの質問がとても苦手です。
「好きなこと」とか「得意なこと」を考えることが苦手です。

特にこの2年半ほどは、苦手なことばかりしていました。
そして、私の生きる原動力はいつも「負」の感情からでした。
「○○ができないから、できるようになりたい」
「○○をするためには、○○が必要だから」
そんなことを思いながら
できないことを必死にクリアすることを目標にしてきました。

もしかしたら、いつもそう思って生きてきたのかもしれません。
ヴァイオリンを弾くことだって
私より才能があって上手な人はたくさんいました。
子育てにも自信がなくて
気軽に相談する実母はいませんでした。
生活を整えることについても
確固たる思いがあって実践しているとは思えませんでした。

でも私には
自分でできなかったからこそ
自信がなかったからこそ
必死でクリアしてきた実績と
悩んで、怒られて、あきれられて
自分の目で確かめながら
ひとつずつこなしてきたという
経験があります。

あなたの好きなことは何ですか?

ハードルを越えること

笑ってしまうけれど
今の自分の好きなことは
このことなのかもしれません。







2025/08/01
213「8月は勉強の毎日に」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

8月になりました。
きびしい暑さの毎日ですが
まだ夏はこれからといった感じです。

今年は8月の予定を減らして
自宅に籠れるようにしました。
地域活動の比重を少しずつ減らして
自分の仕事に焦点をあてられるようにしています。

しかし・・・
この暑さでどれくらい進められるのか不安・・・
来週は38℃とか39℃、なんていう
見たこともないような気温が並んでいます。







2025/07/31
212「生徒さんにもとめること・私の場合」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

私は先生としては
厳しい方かもしれません。

子どもが生徒さんのときは
体験レッスンのときに
親子の様子を見ています。

  • 子どもさんがヴァイオリンを習いたいのかな?
  • 親の方がやらせたいのかな?
  • 他に習い事はいくつくらいしているのかな?
  • 親が練習につきあえる状況かな?
  • あいさつがきちんとできるかな?

チェックポイントはたくさんありますが
大事にしていることは
レッスンに来て練習しないこと
これだけは最初に伝えます。

おうちで少しでも練習してほしいからです。
レッスンが終わってから
次のレッスンまで楽器を弾いていないということがないように
5分でも10分でもいいから
ヴァイオリンを弾く時間をとってほしいということを伝えます。

これができない生徒さんは
残念ながらきちんと弾くことができずに
いつまでも同じ曲を弾き続けなくてはならないので
楽しく弾くことができません。

ほんのちょっとでも
毎日弾き続けること。

そんな生徒さんには
どんなことがあっても
全力でサポートします!

指導していた小さな生徒さんは
その後、学生オーケストラで活躍したり
社会人オーケストラを楽しんだりして
難しい曲も無理することなく弾けるような実力があります。
大人の生徒さんも
ラクに弾けるようになったり
苦しくとも楽しいほうが大きくて演奏しているようです。

ヴァイオリンが寄り添ってくれる人生は
きっと豊かなものだと思います。

体験レッスンご希望の方は
メールでお問い合わせくださいね。



2025/07/30
211「習い事は素直が一番」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

先日、ピアノ発表会にお邪魔してきました。
とてもオーソドックスな発表会で
生徒さんが13人。
小さな生徒さんから大人まで
今の自分にできる精いっぱいを
緊張しながらも
楽しそうに演奏していました。

発表会は先生の姿が直接反映されます。
生徒さんに何を求めているのか
どんなことを指導しているのか
技術的なこと
音楽性について
ステージマナーなど。
あたたかい先生のお人柄そのものの
ほんわかした1時間でした。

私が生徒だったころ
先生によって全く違う発表会を経験しました。

ひとつは
舞台に大きなお花が飾られて
ソロの曲や合奏がたくさんあって
演奏後にはプロの写真家さんに撮影してもらうというもの。
先生からのプレゼントがあったりして
キラキラした発表会。

もうひとつは
演奏者のアナウンスを
先生自身が客席からエピソードも含めてお話して
淡々と、順番に生徒が演奏していくという
「成果発表会」のようなもの。
もちろんプレゼントは無くて
先生の講評を聞いて終了、といったもの。

どちらも私にとっては思いの深い発表会でした。

自分が指導者になって
アシスタントとして発表会をサポートしたときは
各自のソロ曲をサポートするレッスンをしたり
かなり大きなアンサンブルを指導したり
パート練習を指導したり
プログラムの順番を決めたり
リハーサルの準備をしたり
ステージマナーのレクチャーをしたり・・・
かなり大変な思いもしました。

生徒さんの数が少ない場合は
30分もかからなくて終わってしまうため
色々なアンサンブルの曲を準備したり
楽しく演奏するような企画を練ったりしました。

発表会というのは生徒さんが
その時の実力をきちんと演奏表現して
自分自身も何ができて、何ができないのかを
確認する機会だと思います。

ただ楽しく弾く、だけではなく
工夫次第でもっともっと
自由に弾くことができる
可能性を含んでいます。

緊張して舞台に出ることは
普段の生活では得られない経験です。
コツコツと練習してきたことが
ちゃんと発揮できた時の喜びは計り知れません。

私は生徒さんに
少し背伸びをした曲を発表会で弾くように促します。
最初は弾けなくて困っていても
少しずつ練習を重ねて
コツをつかみ
自信を持って演奏する姿に
確かな成長を感じます。
事実、精神的にも成長して驚かされることが多々ありました。

ただし、そこの辿り着くには
やはり辛抱・忍耐が必要です。
やっぱり練習が必要なのです。

「習い事」はポンとすぐにできるようにはならないのです。
楽しいだけでは上達しないのです。

今の子どもたちは
限られた時間の中でたくさんのことを習得しなければならないような風潮があります。
でも、何かができるようになるには
時間が必要だということも忘れてはいけないと思っています。

別にスペシャリストになるわけではないから
さわりだけでいいんです

そういう考えもありますが
私はせっかく習うのであれば
ある程度まで頑張って練習して
心のこもった、その人らしい演奏ができるまで
簡単な曲で良いから
きちんと習得してほしいと思っています。

練習方法は
指導者がたくさんの方法を示しますから
とにかく試してみてほしいです。

素直が一番!


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