塚本香央里(つかもとかおり)
 ~ヴァイオリニスト&ライフオーガナイザー~
 

189「活字を追う・積読日記」

2026/07/08
189「活字を追う・積読日記」
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

通常運転に戻るには活字を追うのが一番ですが、少し慌ただしいにもかかわらずついつい本屋さんの徘徊をして気になる本を買ってしまいました。
今年の夏も、8月中旬までは落ち着かない日々なので積読に拍車がかかりそうです。既に読みたい本のリストが長くなっています。今日はその中で無理やり読み切った本の感想を。

俳優・中谷美紀さんのことは、ハイジュエリーのモデルさんなどで拝見することはあったけれど、文章を書く人だとは思っていませんでした。1年ほど前に本屋さんをウロウロしていたときに彼女の作品『オフ・ブロードウェイ奮闘記』という本を見つけて読んでみたらハマってしまいました。
異国の地で様々な制約のある中を俳優が一人奮闘する様子を、ご自身が書いています。共演者との意思疎通、意見交換、リハーサルを重ねる様子、体調の変化、舞台装置や音響の問題などが山積する現場の状況を想像するだけで胃が痛くなるような気がしました。文中において言葉の選び方や説明の方法に拘りがあるように感じられて、そういった面では何となく親近感がありました。
ストイックで物事の深淵にまで探検に行ってしまう姿が、少し長女に似ているので「読んでみたら?」と本を贈ったら、案の定ファンになってしまったようです。その長女から「中谷さんの新刊が出るから送ってください!」と言われて本屋さんに走り急ぎ読み終えたものが『大草原の小さな農家』。オーストリアと日本の生活を挟みながら中谷さんが目をとめた出来事を、ご自身が見つめる視線の鋭さとおおらかさで綴られています。相変わらずの言葉のチョイスに「なるほど」とうなずきながら、チクリと胸が痛くなったり、自分で言語化できなかったことをサラリと言い放つ爽快感に包まれながら読み終えました。