塚本香央里(つかもとかおり)
 ~ヴァイオリニスト&ライフオーガナイザー~
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2025/12/12
346「stand.fmはじめています」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

今週初めから、秘かにstand.fmを公開しています。
リサイタルの曲目案内や
プログラムの曲目解説をご案内しています。

きっかけは去年のリサイタル後に
姉と話していて思いついたことです。
私の姉は視覚障害者です。
中途失明ですが、見えなくなってからの努力で
大抵のことは自分でこなせます。
ただ、外出のサポートは
時と場合によって必要なので
私のコンサートへは
安全のために同行援護の方を伴って
聴きに来てくれます。

その時に、曲目解説を読むことができないのが
とても残念だ、と聞いたのです。

同行援護の方に、解説文を読んでもらうとなると
専門用語につまずいてしまって読み進められないことがあるとのこと。
自宅に帰っても、プログラムは音声読み上げ機能に対応していないので
結局そのままになってしまうとか・・・

なんと・・・
そうであったか・・・


それならば
私が解説文を読み上げて
音声として聞いてもらえれば
楽しいのではないだろうか?
(私の声を、好きだと言ってくれた第一号が姉でした)

数年前に次女が作ってくれた
stand.fmのアカウントを使って
解説文を読むことにしました。

なかなか勇気が出なくて
結局、本番直前になってしまった・・・という
私自身の「ポンコツ」ぶりですが・・・

リサイタル前に
予習として聞いていただくのも良いですし
リサイタル後に
じっくりと聞いていただいても良いと思います。

毎日忙しくて
落ち着いて文字を読むことのできない方。
小さい文字が(老眼で)読みにくくなった世代の方。
耳からの情報が、頭に入りやすい方。

そう、プログラムって読むだけではないんですね。
聞いたってかまわないのですもの。

新しい挑戦をしてみたので
ご興味ある方は聴いてみてくださいね。
(レコーディングは一発勝負で臨んでいます。
アナウンサーではないので、お聞き苦しかったらゴメンナサイ💦)

↓【公式】音の旅人stand.fm










2025/12/11
345「リストをつくる」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

本番3日前になると、音楽家はどんな準備をしているのか?
気になりませんか?
私も他の方がどんなふうに過ごしているのか気になります。
年代や環境によって
楽器によって
様々な過ごし方、準備のしかたがあるのだと思います。

私の場合・・・
リストが頼みの綱になります。
頭の中がほぼ、本番の曲でいっぱいになってしまうため
他のことにつかう記憶のキャパシティが極端に少なくなります。
(ポンコツなので・・・)
そのため、スケジュールや事務作業、掃除や洗濯、献立など
全てを紙に書き出して頭の中の渋滞を解消させておきます。

これが案外大切なことなのです!

いくら頭の中でシミュレーションしていても
いざとなると忘れて二度手間・・・
50代も半ばになってくると
サクサク動くことが難しくなってくるので
見積もる時間に甘さが出てきます。
ただでさえ時間が足りなくて焦っているのに
ストレスが増えることを自ら増やしたくないですよね。
そして、タスクばかりに追われてホッとする時間を失ってしまうと
余裕がなくなって音楽もギスギスしたものになってしまいます。

まずは紙に書き出すこと。
頭の中にあることをすべて出してみること。
持ち物・事務手続き・準備・献立・掃除・生活用品の買い出し・・・
音楽家も生活しているので
衣食住の管理はマストですから疎かにすることができません。
生活するって本当にたくさんの細かい用事がありますよね・・

そこから仕分けをしていきます。
本番に関すること
本番後に必要なこと
生活に関すること・・・
仕分けの項目は人それぞれかもしれませんが
私は音楽関係と生活関係に分けることが多いかもしれません。

そして忘れてはいけない項目は
ホッとする時間と休む時間。
タスクばかりに追われることのないようにします。
私の場合は
お茶時間や好きな番組を見る時間なども
しっかり確保します。


そして細かく区分けして
リスト作成まで辿り着ければ
心が安心します。

大丈夫、できるぞ!
そんな気持ちになれば
本番は素直な気持ちで向き合うことができます。

この方法は
ライフオーガナイズの手法と全く同じ。
空間を整理することと
頭の中を整理することは
同じなんだ・・と実感することができます。
この基本を自分の中に定着すると
生きることが少しだけ自分に寄り添ってくれるようになります。

私がライフオーガナイズに出会って変わったことは
自分の人生を、自分に引き寄せて
自分でコントロールしていく技術を学んだことでしょうか。

リサイタルを開催することも
以前よりさらに、じっくり向き合うことができるようになりました。

そんなお話も
これから少しずつできればと思っています。








2025/12/10
344「ピアノのペダル」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

ピアニストとのリハーサルは
とても緊張しますが
豊かで学びの多い時間です。

私はまず
「どのような音楽を創りだすピアニストなのか」
ということをしっかりと観察します。

様々な個性を持ち合わせているピアニスト。
その方たちの確かな技術と豊かな表現力を
私自身の音楽と融合させて
一歩先のステージへ変化させたいと切磋琢磨する時間。

「あなたの弾きたいことを教えて。私がそれに合わせるわ。」
安心して任せられるような、頼れるような言葉ですが
私にはピアニストが自分の個性を放棄したように聞こえます。
音楽は一方の押し付けだけで完成するものではありません。
お互いが融合しながら、時に反発しながら
試行錯誤して創りあげていくもの。
意見交換や話し合いがあったり
試奏してみたり、個人練習でヒントを見つけたり
そう簡単に進んでいくものではありません。

でも、もしかしたら・・・
自分の音楽がはっきりと明確で
誰にも譲れない意見と自信があれば
短時間できっちりと音楽が完成するのかもしれませんね。

私の場合は
ちょっと試行錯誤の時間が長くて
ピアニストはウンザリしているかもしれません・・・
(聞いてみたことはないが・・・💦)

唯一、私のこだわりはピアノのペダル。
ペダルの長さ
ペダルの踏み方
ペダルによる音のにごり方
ペダルを離すタイミング・・・
全てを耳で聴きとって
曖昧なところは必ず質問します。

ヴァイオリンにはペダルが無いので
とても興味深く
羨ましく
自分だったらどうするかな・・・と
いつも考えているからかもしれません。

リハーサル後はヘトヘトです。

コンサート中に退屈になってしまったら
ピアノのペダルに注目してみませんか?
左右の足先がしなやかに
繊細に
タイミングを計りながら
ペダル操作をしているところを見ることができますよ。

その動きを窺っているヴァイオリニストは
どんな表情をしているでしょうか?





2025/12/09
343「伝えるべきことはひとつ」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

リサイタル前1週間を切ると
体調管理が重要になってきます。
無理することなく
本番に集中して
しっかりとパフォーマンスが発揮できるようにしたいものです。

今までの自分は
リサイタル後にのんびりした時間を取りたくて
本番直前までびっしりと予定を詰め込んでいました。
「あれを完成してしまおう」
「この事案について、目途をつけてしまおう」
「予定を終わらすべく、今、詰め込んでしまおう」
何なら、リサイタルの前日まで地域の会議に出席したり
仕事を入れたりしていました。
音楽とは全く関係のないことのために!

でも、リサイタル後も事後処理に追われることになるのです。
清算、報告、振込期日があったりするので
気が休まることはほとんどありません。

どこで休むんだよ、自分・・・

それに気がついたのが最近のこと。
どうしたって疲れて体調を崩すのは年末。
そのネガティブルーティンを抜け出したくて
今年はようやく、色々なものを手放すことができました。
自分じゃなくても、誰かがやればいいことは敢えてしない選択・・・

大きな舞台というのは
エネルギーが必要になります。
体力を3倍くらい使うような気持ちです。
ホールの隅々まで自分の音で満たすのは
容易なことではありません。

大きな音が必要というわけではなく
伝えるエネルギーが必要なのです。
伝える・・・自分の思い・・・
受け取る側が、それぞれに
どんな風に想おうとも
こちらが伝えることは一つであるべきです。
その過集中にも似た状態は
私の場合は最後の1週間。
もう少し余裕をもって
緻密に積み上げていきたいと思っているのですが
今の状態はこれが精いっぱい。

これから年齢を重ねていくうえで
準備段階のやりくりを
工夫していきたいと思っています。








2025/12/08
342「歯車のズレ」  
こんにちは。ヴァイオリニストの塚本香央里(つかもとかおり)です。

アドベント第2週を過ぎて
今年も少しずつ時間が加速しているような気がします。
焦らずに足元を見ながら過ごしたいと思います。

ぷかり・・・とパイプの煙を吐き出すおじいさんの存在は
私の12月を見守りながら
「まぁ、がんばりや」と
声をかけてくれているような気がします。

読書強化月間のメモ。

【蛍たちの祈り】町田そのこ(東京創元社)

とても美しい物語だった。
「正道」がお腹にいた時から、業を抱えた生き様に
必ず寄り添う人がいるという、なんとも切なくとも
救いのある話。
連作がひとつの糸となってつながっていく
その物語のつくり方も美しいと思った。
時系列が淡々と進んでいくのも
時間というものが
無情に感じられつつも
感情をなだめているようにも思える。

親の血は引き継がれていくのか。
それを見守る周りの目と
その目に応えてしまう自分との闘い。
様々な目線の中から「正道」をみつめ
交流し、関わる中で見出す「自分」。
この物語はどれも死と生が隣り合わせで
それらはほんのちょっとの事、
タイミング・気の迷いで忍び寄ることを描いている。

歯車がひとつズレただけで
ガラリと変化する事態を経験すると
ふとした瞬間に涙が止まらなくなることがある。
答えのない問いを叫び続ける自分を
哀れにも思いながら
ひたすらに生きることだけを思う。

生きるって
やっぱり大変だな、と再確認する。




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